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私にとって幻の味

人は美味しいものを一度味わうと忘れられないものです。

以前目黒の小料理屋さんでいただいた、お吸い物の味は忘れられません。

一口飲んだら「ガン❗️」と頭を叩かれたような気がしました。

鰹節の味はしません。

ただうまいと言うだけです。

私にとって幻の味です。

 

その味を再現したいといつも思っていました。

今日は私の公休日。

風邪引きの孫の大学生のためにその幻の昆布ダシを作ってみました。

水1リットルに日高昆布20センチを入れて沸騰したら、すぐに火を弱めて20分。

旨みの逃げない80度に保つ、と以前料理の先生に教わりましたが、

ガス火ではなかなか難しい温度です。

すぐに熱くなってしまいます。

 

家ではIHヒーターなので、その「とろ火」に設定すると、いい具合でした。

昆布を取り出し、そこにたっぷりの鰹節を入れて

また沸騰させてすぐ火を消し、出来上がり。

大量の昆布は柔らかいうちにすぐに1cm角に切って佃煮風に。

これもまたおいしい。

 

出来上がっただし汁は琥珀色に透き通ってきれいです。

早速かき玉汁を作り、生姜の絞り汁を入れて食卓へ。

大学生の孫が風邪をひいているので味がわかるかしら?と思いましたが

「うまいっ!」と、一言。

「昆布の味も鰹節の味もしなくて、うまみだけあるね」といっぱしのことをいいます。

その言葉を聞いて私は密かにほくそみました。

「幻の味が再現できた!」

最後までお読み下さいましてありがとうございます。