漢方におけるめまいの治し方
病院にかかっても原因がはっきりしない・・・。
そんなめまいを抱えている方は積極的に体質改善を。
漢方では、めまいは体内の「気・血・水」のバランスの乱れによって起こると考えます。
めまいは、大きく分けると3タイプで、それぞれ治し方が異なります。
ご自身のめまいのタイプを見つけて、身体の不調を整え、根本から改善しましょう。
あなたのめまいはどのタイプ?
〈くらっとするめまい (高齢者に多い虚弱タイプ)〉
くらっとする立ちくらみのようなめまいは、特に高齢者に多く、虚弱体質や貧血の人などにもみられます。
このタイプは、「腎」の機能の低下や「気・血」の不足で、エネルギーや栄養、潤いが全身に十分行き渡らず、脳や耳の栄養不足や全身の虚弱などにより、めまいが起こると考えます。
生命エネルギーを蓄える「腎」や消化を担う「脾胃」の働きを高め、「気・血」を養うため、夜更かしは避け、睡眠をしっかりとり、胃腸に負担をかけない温かい食事を基本にしましょう。
〈ふわふわのめまい(瘀血タイプ・「肝」の不調タイプ)〉
・瘀血(おけつ)タイプ
慢性的な高血圧や脳血管疾患、長期にわたるストレスなどを抱えていると、「瘀血(血流の滞り)」を招きやすくなります。血流が悪くなると脳にも十分な「血」が巡らず、めまいを起こしやすくなります。
「血」の巡りを良くして、滞りをなくすために適度な運動を心掛けましょう。体を温めると血流が良くなるので、シャワーより湯船につかることもよいでしょう。
また、体を温め新陳代謝を促す、玉ねぎ、ねぎ、しょうが、にんにくなどの食材もおすすめです。
・「肝」の不調タイプ
五臓の「肝」には、全身の「気・血」の流れをコントロールする、ストレスを発散させる、自律神経を調整するなどの働きがあります。
過度なストレスや睡眠不足、過労などが続くと「肝」の機能が低下し、「気・血」の流れが停滞し、血圧の変動、自律神経の乱れなどからめまいを起こします。
そのため、深呼吸やストレッチなどで身体と心の緊張をほぐし、香りの良い食材、ハーブティーやアロマなどの香りを上手に活用して、気分をリラックスさせ、しっかり睡眠をとりましょう。
〈ぐるぐるのめまい(水分代謝が悪い痰湿タイプ)〉
漢方では、めまいは、主に「水」が原因で起こると考えられています。
ぐるぐると回るような回転性のめまいは、内耳にある三半規管の障害から起こることが多く、内部がリンパ液で満たされている三半規管に「痰湿(余分な水分や汚れ)」が溜まることでめまいが起こると考えます。
めまいの原因となる痰湿を取り除き、水分代謝を整えることが大切です。
食べ過ぎに注意し、食物繊維が多い穀物類をよく噛んで食べ、便通を整えるとともに、軽い運動や湯船に浸かるなど汗をかいて体に溜まった余分な水分や老廃物を排出しましょう。
もし、めまいが起こってしまったら…??
特にぐるぐると回るようなめまいの場合は、体を動かすと症状が悪化するので、慌てずに安静にすることが重要です。
ただし、脳出血や脳梗塞、不整脈による脳貧血が疑われる場合は、早急にかかりつけ医、もしくは専門医を受診するようにしましょう。

