漢方における便秘とは
便秘には「熱が大腸にこもって起こる便秘」「ストレス性便秘」「体の弱い人の便秘」「血液や体の水分不足の便秘」の4種類があります。
あなたの便秘はどのタイプ?
〈熱が大腸にこもって起こる便秘タイプ〉
肥満、がっちり型のエネルギー過剰の人は体内に熱を発生しやすく便秘を伴うことが多く見られます。
風邪などで熱がある時には、熱が腸内の便と混ざって停滞し便秘が起こります。
また、お酒の飲み過ぎ、あるいは辛いもの、チョコレートなど油っぽいものの食べ過ぎにより胃腸に熱がこもると腸内の水分が減り、乾燥し、便秘が起こります。
便が硬く乾燥している、おなかが張りやすい、くさいガスが出る、尿の色が濃い、顔がのぼせて赤くなりやすい、舌が赤い、舌苔が黄色いなどの症状があげられます。
対策方法
体内の余分な熱を冷ましながら、腸の潤いを保つことが大切です。
胃腸の過剰な熱をとり便通を滑らかにする漢方薬を用います。
暴飲暴食は控え、規則的な食生活で胃腸の働きを整えましょう。
〈ストレス性便秘タイプ〉
ストレスが溜まると体は緊張して筋肉は張ってきます。
肩が張るとかお腹が張るといった「張る」と言った症状はすべて緊張状態を表します。
気の流れが悪いため、消化器官の蠕動・輸送機能が停滞して便秘に。
イライラ、緊張、不安、ストレスなどが原因になることが多いです。
便が細く切れ切れになりやすい、残便感、おなかが張る・痛む、ガスが溜まりやすい、げっぷやガスが出ると楽になる、怒りっぽくイライラするなどの症状があげられます。
対策方法
緊張をゆるめ、気の流れをスムーズにする漢方薬を用います。
深呼吸やストレッチなどで身体と心の緊張をほぐし、香りのよいハーブ、野菜、果物などで気を巡らし、適度な運動を行いましょう。
〈体の弱い人の便秘タイプ〉
肛門の筋肉はふだんしっかり締まっており、排便する時は強い力で肛門を押し開けます。
体の弱い方の筋肉は弱く、肛門を押し開ける力は足りません。
「気」が不足しており、下腹に力が入らず排便できず便秘に。
虚弱体質、慢性疲労時、出産後など、体の機能が低下している場合にみられる事が多いです。
便意があっても自然に出にくい、疲労時には特に出ない、軟便気味、下剤を使うと腹痛・下痢・水様便になるなどの症状があげられます。
対策方法
朝食後は1日の中でいちばん大きく腸は動きます。このチャンスを逃がさず必ずトイレに行く習慣をつけましょう。
気を補い、腸の蠕動や消化機能を回復する漢方薬を用います。
おへそ周りをマッサージすることでさらに効果的です。
〈血液や体の水分不足の便秘タイプ〉
高齢者や病後、産後あるいは貧血など、腸が乾燥している方に多く起こります。
発熱で汗を多くかいた方や高齢で体の水分が減ってくると便は乾燥してコロコロしてきます。
しかも便を押し出す筋肉の力が減ると肛門に溜まった便は次第に乾燥してさらに出難くなります。
血が不足することで水分不足になり、大腸が潤わず便が硬くなり便秘に。
ウサギの糞のようにコロコロした便が多いです。
対策方法
乾燥した腸を潤すことが大切です。
血を増やし、そして潤す漢方薬を用います。
夜更かしを避け、潤いを助ける食材を積極的に摂る事・適度な運動を行いましょう。
~お話をお伺いし、症状や体質に合わせて、お薬や養生法などをご提案いたします~

