以前、茶の湯を少し習っていたことがあります。
茶室に入ると俗世間から離れ、こんな世界があったのかと思う気がします。
床の間に生けられた花の話、
掛け軸を読みながら説明をしていただく
七夕の事など季節の話
そして、おいしいお菓子をいただく。
これだけですが、戦国の時代、武士たちが戦場に行く前にお茶を点てて、
行ったという気持ちもよく分かります。
私も時々孫たちが来ると、点てることがあります。
男の子の孫が、とても大好きで気にいってくれました。
「ぐるぐる回るお茶を出して」
と、我が家に来ると言います。
私は大雪の日に足をくじいて正座ができなくなり、
お茶のお稽古もやめてしまって、もう数年が経ちます。
所作もすっかり忘れてしまいました。
先日の日曜日、孫たち家族が来た時も「ぐるぐる回るお茶が飲みたい。」と言い出しました。
でも相手は孫ですから間違えてもいいわ、と言う気持ちでお茶を点てました。
鉄瓶の代わりにボットを使いました。
久しぶりに点てた割には、とてもおいしくできました。
このお茶を上手に泡が立つように点てるのは実は長年の鍛錬が必要です。
先生が点てられたお茶は、これが同じお茶かと思うくらいおいしいのです。
お茶のおいしさはお湯の温度、お湯の分量、抹茶の分量、
この三つがちょうどいい具合に会ったときに美味しく出来ます。
それとお茶を点てる人の技量。
でも今回は私にしてはまあまあの出来。
飲み終わった茶碗の底を見るときれいでした。
下手に点てるとブツブツが残ります。
途中で中学生の孫が「僕がやる、僕がやる」と言い始め、
彼がやり始めたのですが、茶碗を持つ手も危なっかしく、
皆で「ああ、ああ、ああ」とハラハラしながら見たり、楽しいひとときとなりました。
茶碗の図柄は季節の花、菖蒲です。


