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植松光子のアレルギー遍歴:その1
皆さんこんにちは!
いつも偉そうにアトピーなどのアレルギーの養生をお話ししている植松光子です。
今回は自分のアレルギー経験をお伝えします。
失敗が一杯あるからこそ、自分の経験を生かして皆様にいろいろ提案し、お話し出来ているのかな、と思っています。
薬学部の学生の頃です。当時実家の静岡から出て飯田橋の神楽坂で自炊生活をしていました。
当時アパートなどはなく、学生は一人用のキッチンが付いている部屋を間借りしていました。
(写真:神楽坂)
体中蕁麻疹が治らず、アレルギーの専門病院にかかった時の事です。
そこの医師との会話は「食生活は?」「自炊です」「ああ、やっぱり」
それだけでした。
当時私は実験で忙しく、夕食は焼き鳥屋さんで鳥のモモを一本買って夕食にする毎日でした。
「このお医者さん、見ただけでよくわかるなあ」と感心したものです。
でもそれ以上詳しく食事指導はありませんでした。
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皮膚病は食事と生活習慣を見直して。
皮膚病は、食事と生活を直せば、7割自分でよくすることが出来ますよ。
食事と大いに関係が深いです。
9月に行った沖縄でも、昨日まで行っていた中国でも、
年々アトピーや、にきび、乾癬などが増えています。
なぜでしょう?
どちらも、伝統的な食事で、健康によかったのですが、ここ数年、
ファーストフードや食生活が変わってきたのが理由だろう、という話です。
沖縄は海藻料理、中国も野菜がたっぷり、豆腐料理もどちらも多く食事に取り入れられています。
生活も、以前は早く寝ていたのが、社会の仕組みが変わり、夜型の生活になってきています。
中国でも、コンビニがちらほら見受けられるようになりました。
日本でも、コンビニが夜中まで開店するようになり、当初は便利だ、と喜ばれましたが、
働いている従業員の家族も、遅くまで起きて待っているよう生活を強いられ、
家族の健康も犠牲になっています。
家族が、蕁麻疹でウエマツ薬局に相談にいらしたことがあります。
やはり、一食に野菜を二皿、豆腐と肉類か魚を一皿とごはん、といったバランスが大事です。
更にアトピー、にきび、乾癬などになったら、
刺激物、キムチ、カレー、コーヒーや、油っこいもの、
ケーキやチョコ、揚げ物は悪化しやすいものです。
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アトピー、蕁麻疹など皮膚科の研修に福島磐梯熱海まで行ってきました。
昨日から、先月中国雲南中医薬大学でアトピー、ニキビや乾癬など皮膚科の研修をした
漢方薬局の薬剤師の方々が福島県の磐梯熱海に集まり、その時のまとめをしました。
台風が近づく中、集まった面々は、長崎、鳥取、盛岡、仙台、埼玉と全国から忙しい中、
はせ参じた、という感じで、私は感心しました。
それだけ中医学の皮膚科の勉強は魅力があり、アトピーや蕁麻疹などで悩む方を
「少しでも早く、治してあげたい」という情熱を感じました。
皆さまは磐梯熱海に行かれたことはありますか?
私は、福島にこんなに素晴らしい温泉街があるとは知りませんでした。
**写真:磐梯熱海温泉 ホテル華の湯のお風呂のひとつ。**
ホテルも近代的でおしゃれな大きなホテルが軒を連ね、
「熱海」と言うくらいで温泉もお湯が豊富で肌によい美人湯でした。
泊まったホテルは「ホテル華の湯」と言って料理もおいしく、
14種類もあるという露天風呂にいろいろ入って楽しみ、台風を忘れるくらいでした。
他にも、日光過敏症、ジベルばら粃糠疹、慢性じんましん、帯状疱疹、
子供の虫刺されの後の腫れの治し方も学びました。
植松 光子
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生理不順の人の赤い蕁麻疹は血熱の漢方で
永年の蕁麻疹が血熱の漢方薬でよくなった24歳の女性の例です。
もともと生理不順で2、3か月に一回しか生理が来ていませんでした。
10歳ころから運動して汗をかいてから蕁麻疹が出るようになりました。
小さいぶつぶつや大きな膨れた赤い蕁麻疹ができ、数時間で自然に消えます。
ストレスにあうと蕁麻疹がひどくなります。
予防に抗ヒスタミン剤を飲んでいましたが、飲まないと出ます。
ウエマツ薬局の漢方を3か月飲んでから、ためしにその抗ヒスタミン剤をやめてみましたが
蕁麻疹は出ませんでした。
便通もよくなり、毎年夏蕁麻疹がひどくなるので予防にそのまま3年間漢方薬だけ飲み続けていました。
その後すっかり蕁麻疹は出なくなったのですが、24歳になった頃、
ストレスと睡眠不足から蕁麻疹がまた出始めました。
生理も2か月1回しか来なく、身体は熱く寝る前は蕁麻疹がひどくなります。
そしてまた漢方薬を飲み始めましたら、今度は飲んで3週間で蕁麻疹は全く出なくなり、
遅れていた生理もすぐきました。
蕁麻疹の種類
特定の刺激が原因のタイプ 1:アレルギー性蕁麻疹・・・食べ物、薬、植物など
2:物理性蕁麻疹・・・寒冷、温熱、日光、圧迫、摩擦など
3:コリン性蕁麻疹・・・発汗による
原因不明のタイプ
1:急性蕁麻疹・・・・毎日のように症状があらわれ、1か月以内に治る
2:慢性じんましん・・毎日のように症状があらわれ、1か月以上続く
●アレルギー性蕁麻疹
原因がすぐわかるものは食べ物や薬によるアレルギー性蕁麻疹です。
これら口から入ったものは主に下腹部など体の柔らかいところから
赤い膨疹で地図のようにまだらに腫れたり、ぶつぶつの丘疹が全身に広がります。
特にそばアレルギーに代表される食べ物による蕁麻疹はアナフィラキシーショックと言って
呼吸困難になったり危険です。のどの中がかゆくなったらすぐ病院に行きましょう。
のどの中の粘膜が腫れて窒息する恐れがあります。
○浣腸を常備しよう。
急に発疹が出たときはまず浣腸しましょう。
腸の中に原因物質がある限り発疹は続きます。
浣腸は発熱の時にも使えますから、いつでも用意しておきましょう。
以前娘が産後の検診で出かけたときに、3か月の孫を預かったことがあります。
授乳時間になり、病院からサンプルとしてもらったミルクを飲ませました。
そうしましたら、みるみる蕁麻疹が全身にでき、5,6㎝大の大きさに赤く腫れて盛り上がってきました。
小さな赤ちゃんでこの盛り上がりがのどに来たら窒息です。
すぐに薬局に走りに走り浣腸を買ってきてすぐ使いましたら30分くらいで見事にすぐ引いてきました。
そして小児科につれて行ったときには蕁麻疹は全く影も形もなくなり一安心しました。
原因物質が腸にある限り蕁麻疹が出ていますから、早く腸をきれいにすることが早く治るコツです。
●その他の蕁麻疹
温熱や寒冷などの物理性蕁麻疹や慢性蕁麻疹などいくつか組み合わさったものなどあり、
蕁麻疹の原因は複雑で治りにくいものです。
西洋医学では抗ヒスタミン剤を用いますが、これはあくまで抑えるだけですのでやめればまた出てきます。
中医学では免疫力を高めて防衛力、血行改善、冷えの改善などその人にあった方法で改善していきます。
元来体の免疫力が低下して発症するものですから、治すには時間がかかります。
焦らず漢方薬を飲んでいけばだいたいの人が良くなっていきます。
この方の場合は生理不順、生理痛、ストレス、夏悪化するなど血熱の症状がありましたので
血熱の漢方薬を用いてよくなりました。
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本当のアトピー
自分で勝手にアトピー性皮膚炎だと思っていませんか?
お医者さんも「アトピー性皮膚炎」という診断を簡単に言わないよう気をつけているそうです。
「アトピー性皮膚炎」といわれて難しい病気だと悲観するからです。
そのために「アトピー性皮膚炎」とはどのように定義されているか以下に書いて見ました。
参考にしてください。
当てはまってもがっかりしないで「よし、がんばるぞ!きっと治してみせる」という気構えが大事です。
体質、症状に合った漢方薬を根気よく飲めばきれいになりますよ。
アトピー性皮膚炎の定義
アトピー性皮膚炎は悪化したり、落ち着いたりを繰り返す、かゆみのある湿疹を主な病変とする
疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ。
*アトピー素因とは
(1)家族歴、既往歴に気管支喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎、
アトピー性皮膚炎のどれか、あるいは複数の疾患がある。
(2)IgE(免疫グロブリン)抗体を産生しやすい素因
以上参考:日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎の定義・診断基準」
*アトピー性皮膚炎の診断の基準
(1)かゆみがあること
(2)赤味、ぶつぶつ、かさかさ、じくじく、ごわごわなどの症状がある。
(3)左右対称にある。たとえば両肘内側、両肩、額の両脇、両足膝内側、両足首など。
(4)症状に波がある、よくなったり悪くなったりを繰り返す。
(5)年齢による特徴がある。
幼児:頭や首、あご、ほおに出やすい
小児:関節に出やすい
思春期、成人:上半身に出やすい
あせもや、蕁麻疹などは当てはまらないことが分かります。
また左右対称ということは体の中から来ていることがよくわかります。
ですから軟膏治療や温泉、スキンケアーだけでは根本治療にはならないこともよくわかりますね。
アトピー性皮膚炎の肌の細胞は壊れた石垣のようです。
隙間から水分が蒸発して乾燥し、外から紫外線や、ほこり、花粉、汗などの刺激が
もろに肌の内側に入っていくのでかゆくなります。
きちんと積まれた頑丈な石垣にするには中から作り直す必要があります。
漢方薬でよくなるのは皮膚の中から丈夫になるからです。
さあ、すぐにあなたの症状にあった漢方薬を飲んで明るい毎日にしましょう!