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冷えのぼせ1
手足は冷たいのに、顔はほてって熱い。
そんな「冷えのぼせ」の症状は更年期の不調と
思われがちですが、実際は年齢を問わず現れる症状です。
中医学では、冷えのぼせは主に
身体の冷えから起こると考えます。
その要因は、血行不良、ストレス、胃腸の虚弱など。
こうした体内の不調が冷えと熱の混在を起こし、
冷えのぼせにつながるのです。
冷えのぼせ自体は病気ではありませんが、
放っておくと不眠、イライラ、肩こり、めまい、
頭痛といったさまざまな不調につながる心配もあります。
日頃のケアで体質を健やかに整え、
まずは“冷えない身体づくり”を目指しましょう。
人の体を陰陽で捉えると、上半身は「陽」、
下半身は「陰」にあたると中医学では考えます。
体内に発生した「熱」は陽にあたるので上半身に、
「冷え」は陰なので下半身に溜まりやすくなります。
これを「上熱下寒(じょうねつげかん)」といいます。
そのため、熱と冷えが体内に混在すると、
顔や頭部がほてり、手足の先や下半身が冷える
「冷えのぼせ」の症状が起こるのです。
体内の不調を整え、冷えのぼせを起こす要因を
根本から改善していきましょう。
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肩こり対策 4・急性期に多い、冷えタイプ
肩こりのタイプ
1・痛みが強い、瘀血(血行不良)タイプ
2・胃腸が弱い、痰湿タイプ
3・ストレス過多、気滞タイプ
4・急性期に多い、冷えタイプ
今回は
急性期に多い、冷えタイプの肩こり対策についてお伝えします
夏の冷房や冬の寒さなどで体が冷えると、体がこわばるのを感じませんか?
筋肉がこわばり、血流が悪くなると、肩こりや痛みを起こします。
これは急性期に多い、冷えによる肩こりです。
冷えるな、と感じたらすぐに体を温めるなど、早めの対処で、
肩こりの慢性化や悪化を防ぎましょう。
また、「血」やエネルギ―不足だと、冷えのダメージを受けやすくなります。
高齢者、疲労、虚弱体質の方などは、体を冷やさないよう心がけましょう。
体を温める食材は
・紅茶・ねぎ・しょうが・シナモン
・山椒の実・葛粉・八角・フェンネル
などです。
シナモンは香りが良く、肉の臭みを消したりするのにも
使われますが、シナモントーストなどスイーツにも使われます。
この季節には、レンジでチン、ですぐできる
「さつまいもとりんご」のスイーツはいかがでしょう?
レシピはこちら→さつまいもとりんごのレンジ煮
「冷え」は万病のもとです。早めに治しましょう。
食事やお茶、生活養生をしても、改善できない時は
ご相談ください。
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膀胱炎3:虚弱体質の「腎虚」タイプ
●症状:頻尿・疲れると膀胱炎の症状が起きやすい。膀胱炎を再発しやすい。
「腎」は生命力の源となる臓器です。膀胱との関係も深く、尿が漏れないようにする働きもあります。
そのため加齢や慢性疾患、冷えなどで腎の働きが悪くなると、免疫力がさがり、繰り返し膀胱炎が起きます。
●養生は、まずしっかり腎を元気にして守ること。
冷えや過労が腎を痛めるので体を温めしっかり栄養を摂ること。
早く寝て栄養をしっかり摂って「気」エネルギーを蓄えましょう。
●全身症状:腰痛・腰がだるい・冷え・疲労感・舌の色が淡く。舌苔は薄い。
●食養生;山芋・大豆製品・銀杏・もち米・胡麻・クルミ・松の実・ナツメ・枸杞の実・
蓮の実・スッポン・生姜・ネギ・シナモン
●漢方薬
金匱腎気丸・補中益気湯・心脾顆粒・清心連子飲・知柏壮健丸・亀版含有製品・魚の浮袋製剤など
●体験談
身体に熱がこもると鼻水、痰、尿、おりものなどの体液は、濃縮されて黄色くなります。
おりものが多くて濃い黄色が続くと不妊の原因になることがあります。
漢方薬を飲んでおりものがきれいになると膀胱炎も起きなくなり、同時に妊娠されて元気な赤ちゃんが生まれた方もいます。
体質を良くしたからです。こんな点が漢方薬の面白い点です。下記の体験談参照
①出産当日に報告のメールを下さるほど元気な安産(副題:二人目の妊娠)
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漢方でよくなる膀胱炎
寒い季節や梅雨時は膀胱炎が起きやすいです。
女性は尿道が男性よりも短く、尿道口に膣や肛門が近いので細菌が入りやすく発症しやすいようです。
1:敵が強いとき・・・・尿道から大腸菌が侵入したとき
2:免疫力が弱ったとき・・・冷え、疲れ、生理中など
急性期の膀胱炎は抗生物質でも早く治りますが、慢性でよく繰り返す人で、
細菌の検査をしてもいなく、現代医学では治す薬がありません、と医師に言われてしまう方もいます。
何回も繰り返し、そのたびに抗生物質を飲むと耐性菌ができる恐れがあります。
また抗生物質で腸内細菌叢(細菌の集まり)が乱れ、便秘や下痢を起こすようになります。
放置すると腎盂腎炎などを引き起こし、腎臓は一回痛めると治りにくく、再発しやすいので大変です。
よく「清潔にしなさい」と言われますが、現代人は清潔し過ぎるくらいです。
むしろ免疫力が低下して、敵に負けてしまって発病するのです。
免疫力を高めるのは養生と漢方薬です。
次回はタイプ別に分けてお伝えいたします。
1:急性の「湿気」と「熱」のタイプ
2:ストレスのたまった「気滞」タイプ
3:虚弱体質の「腎虚」タイプ
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膀胱炎と漢方
膀胱炎がよく起きるのは、冬寒い時と梅雨時です。
冷えると抵抗力が落ち、体についている弱い菌がモゾモゾと動き始め、頻尿や排尿痛、血尿、残尿感など不快な症状が起きます。
以前は予防として「清潔にしましょう」とよく言われました。
失礼だと思いませんか? 昔と違って今は清潔すぎるくらいです。
さすがに今は言われなくなりました。
冷えて抵抗力が弱くなったか、あるいは冷えだけではありません。
肉体的、精神的な疲れからも起きます。
中医学では心と膀胱は関係があるといいます。
緊張するとトイレが近くなりますよね。
治し方は血尿が出ているときは止血作用のある阿膠(ロバの皮・コラーゲンが多い)が入っている猪苓湯。
痛みがあるときは五淋散や竜胆瀉肝湯。
検査して菌がいないのに膀胱炎の症状が続く人で舌が乾燥して赤い人がいます。
不眠や考え過ぎで「心の火」が燃えて水分を消耗して粘膜が乾燥し、痛みを起こしている場合があります。
このような時、抗生物質は使わないで心の火を冷ましてくれる「清心連子飲」が喜ばれます。
膀胱炎を繰り返す慢性の人の中には、このようなタイプの方が多いです。
とくに高齢の女性に多いです。
長年再発を繰り返し、苦しんだ方が、抵抗力をつける漢方薬で次第に回数が減り、すっかり治った例もあります。
このような人には蓮の実、ササのエキス(笹の葉の芯は心に通じるからです)きのこ、蓮根が良いです。
写真:正常な舌。
写真:乾燥した舌
文責:植松光子 薬剤師 中国政府認定国際中医師