アトピー・不妊治療のウエマツ薬局

不眠・頭痛・めまい

中医学では、こう考えます。

不眠

  • 原因

    ・心臓疾患や高血圧、ストレスが主な原因になっていることが大半です。

不規則になりがちな現代の生活では、ストレスや悩みを抱えることも多く、不眠に悩む人が増えています。
寝つきが悪い、よく眠れない、夜中に目が覚める・・・。
こうした不眠の原因には、心臓疾患や高血圧などが挙げられますが、ストレスが主な原因になっていることがほとんどです。

中医学では、不眠は「心・肝・脾」と深い関わりがあると考えられています。
精神活動の中心である「心」、新陳代謝や自律神経に関与する「肝」や消化機能や血液の運行を司る「脾」もストレスのダメージを受けやすい特徴があります。
個々の症状にあった対処法をきちんと知って、心とからだをしっかり整えながら“快眠体質”を目指しましょう。

  • 治し方

    ・不眠は体の中からのヘルプサインである事を理解し、体の内側からバランスを整える漢方を。

~タイプ別・不眠の養生法~

①ストレス・憂うつタイプ
<主な症状>
・寝つきが悪い ・憂うつ ・胸苦しい ・ストレスが多い
<原因>
憂うつ・怒り・悩み・悲しみの感情やストレスが影響して、精神を安定させる「血」が不足して不眠が起こります。
<対処法>
ストレスの発散を心がけ、症状が重くなる前に早めに改善してしまいましょう。
<使われる漢方薬>
加味逍遥散(かみしょうようさん)、酸棗仁湯 (さんそうにんとう)など
<おすすめ食材> 香りの良いものでストレスを発散させましょう。
菊花、ハマナスの花、キンモクセイの花、ジャスミンの花、しそ など

②女性に多い貧血タイプ
<主な症状>
・不眠の慢性化 ・眠りが浅い ・夜中に目が覚める ・物忘れ ・不安感 ・動悸、めまい
<原因>
病後や月経期間、産後などに「血」が不足すると、精神が休まらず不眠の症状につながります。
<対処法>
不足している「血」を補うことを中心に養生しましょう。
<使われる漢方薬>
婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)、帰脾湯(きひとう) など
<おすすめ食材> 甘味のあるもので、不足した「血」を補いましょう。
黒砂糖、クコの実、ナツメ、竜眼肉、卵、百合根、赤ワイン(少量)、ホットミルク など

③イライラ・ほてりタイプ
<主な症状>
・寝つきが悪い ・イライラしやすい ・気持ちが不安定 ・ほてり、寝汗 ・のどが渇く
<原因>
正常な体内では、陰(水)と陽(火)が、どちらかが強く働き過ぎることのないよう、お互いを抑えながらバランスをとっています。
しかし、慢性病や更年期などで心身が疲労したり、加齢により腎の機能が低下すると、陰(水)を消耗し陽(火)を抑えられなくなってしまいます。
イライラやほてりを伴うこのタイプの不眠は、このように陰陽のバランスが悪くなることが原因です。
<対処法>
体内の熱を下げ、陽気を静める養生をしましょう。
<使われる漢方薬>
天王補心丹(てんのうほしんたん)、柴胡加竜骨牡蛎湯 (さいこかりゅうこつぼれいとう)
など
<おすすめ食材> 苦味のあるもの、涼性のものを選び、体内の熱を落ち着かせましょう。
竹の子、ふき、れんこん、クチナシ、苦瓜、のり、わかめ など

④消化不良・ムカムカタイプ
<主な症状>
・寝つきが悪い ・胃の膨満感、むかつき、痛み ・ゲップが多い
暴飲暴食などで胃が傷つくと、胃の機能が低下して消化不良を起こします。
食物が胃に長く停滞するため、胃が重く、ムカムカして眠れなくなるのです。
<対処法>
消化機能を回復させることで不眠は改善できますが、胃の不調が慢性化すると熟睡できない状態が続いてしまうため、早めの対応を心がけましょう。
<使われる漢方薬>
温胆湯(うんたんとう) など
<おすすめ食材> 消化を促し、胃の消化機能を回復するものを。
山楂子、麦芽、大根、しその実、粟 など

  • 生活養生のポイント

    ・日中は身体を動かし、夜は安静。
    生活リズムを整える。
    ・早起きを心がけ、夜は遅くても12時までに寝るようにしましょう。
    ・夕食後はカフェインを控え、ホットミルクなどでリラックス。
    ・暴飲暴食や遅すぎる夕食は不眠をまねきます。
    ・寝る前にぬるめのお湯で入浴し、身体を温めると眠りやすくなります。
    ・心配ごと、イライラは不眠のもと、リラックスを心がけましょう。
    参考:イスクラ産業発行・チャイナビュー

頭痛

  • 原因

    ・風邪や湿気など外から入ってくる邪気の影響や、どろどろ血や水分代謝の低下、ストレス、風邪などが原因。

中医学では頭痛は場所によって原因を考えます。
額など前頭部は主に風邪や冷たい風に当たった時に起こります。
側頭部の痛みは主にストレスからです。
よく漫画でこめかみに梅干しを張ってイライラっとした絵がありますね。「気滞」によるものです。
後頭部の痛みは高血圧など循環器系の原因、瘀血が考えられらます。
ハンマーで殴られたような強い痛みはあったら、危険です。
すぐに救急車で病院に行きましょう。
弱いしくしくした痛みが続くときは体質が虚弱な「元気不足」です。

  • 治し方

    ・血流が悪い「瘀血タイプ」の場合 ・気が滞る「ストレスタイプ」の場合 ・「かぜタイプ」の場合 ・元気不足の「虚弱タイプ」の場合

~ タイプ別・頭痛の治し方~

①血流が悪い「瘀血(おけつ)タイプ」
バランスの良い食事、質の良い睡眠など。
血液をサラサラにする習慣を心がけましょう。

②気が滞る「ストレスタイプ」
ストレスを発散し、「肝」を健やかに保つようにしましょう。

③季節の変わり目に要注意「かぜタイプ」
のどの痛み、咳などは風邪の初期症状。
早めの対応を心がけましょう。

④元気不足の「虚弱タイプ」
元気のもととなる「気」や体の働きを支える栄養素の「血」は脳にとっても大切。
日ごろの食事でしっかり栄養をとり、元気で健康な身体づくりを心がけましょう。

  • 食生活のポイント

    冷たい風や風邪によるものは、生姜のはちみつドリンクやとうがらしなど入った暖かいスープや料理を取りましょう。
    葛湯はよく効きます。

    ストレスがあるときは金柑ドリンクなどかんきつ類は気分を軽くしてくれます。
    瘀血の時はにらやパセリ、黒砂糖をとり、酢の料理を毎日取りましょう。

  • 生活養生のポイント

    毎日30分から60分は歩いて頭に酸素を行くようにしましょう。
    一番酸素が行くのは早寝早起きです。
    食べるより寝ることが一番です。
    10時には寝るようにすると疲れ知らずです。

めまい

病院にかかっても原因がはっきりしない・・・。
そんなめまいを抱えている方は積極的に体質改善を。
めまいにつながる身体の不調を整えて、不快な症状を根本から予防・改善しましょう。
中医学の考え方で選んだ漢方薬はよく効きます。
あきらめないで飲んでみてください。
明るい人生が開けますよ。
体質や症状、期間によって2週間で改善される人もいれば、長くかかる人もいます。
よく相談して納得して飲まれることが改善のコツです。

めまいのタイプ

大きく分けて3つのタイプです。
・くらっとするめまい(虚弱タイプ)
・ふわふわのめまい(瘀血タイプ・肝の不調タイプ)
・ぐるぐるのめまい(痰湿タイプ)


くらっとするめまい (高齢者に多い虚弱タイプ)

くらっとする立ちくらみのようなめまいは、特に高齢者に多く、虚弱体質や貧血の人などにもみられます。
このタイプは体内の「気」「血」が不足気味で、エネルギーや栄養、潤いが全身に十分行き渡りません。
その結果、脳や耳の栄養不足、全身の虚弱などを招き、めまいをおこしてしまうのです。
*食生活のポイント
血を養い、腎・脾胃の働きを良くする。
・枸杞の実 ・桑の実 ・くるみ ・黒ごま ・黒豆 ・黒砂糖 ・なつめ ・杜仲茶 
・山芋 ・納豆 ・大豆製品 ・人参 ・ほうれん草 ・レバー ・鮭 ・鯛 など
*生薬:当帰(とうき)・黄耆(おうぎ)・白朮(びゃくじゅつ)など


ふわふわのめまい

1:瘀血(おけつ)タイプ
慢性的な高血圧や脳血管疾患、長期にわたるストレスなどを抱えていると、「瘀血(血行障害)」を招きやすくなります。
血行が悪くなると脳にも十分な「血」が巡らなくなるため、めまいを起こしやすくなるのです。
*食生活のポイント
サラサラ血で血流を良くする食材を。
・サンザシ ・紅花 ・玉ねぎ ・らっきょう ・サフラン ・ひじき ・かつお節
・いわし ・さば ・小豆 など
*生薬:丹参(たんじん)・紅花(こうか)・川芎(せんきゅう)など

2:肝の不調タイプ
五臓の「肝」には、全身の「気」「血」の流れをコントロールする、ストレスを発散させる、自律神経を調整するといった働きがあります。
ところが、過度なストレスや睡眠不足、過労などが続くと、こうした肝の機能が低下してしまうことに。
その結果、気・血の流れが停滞し、血圧の変動、自律神経の乱れなどを招いてめまいを起こしてしまうのです。
*食生活のポイント
涼性の食材で熱を冷まし、酸味で肝を養う。
・菊花 ・セロリ ・トマト ・レモン ・柿の葉茶 ・ハブ茶 ・そば ・緑茶
・酢 など
*生薬:柴胡(さいこ)・竜胆(りゅうたん)・釣藤(ちょうとう)など


ぐるぐるのめまい(水分代謝が悪い痰湿タイプ)

ぐるぐると回るような回転性のめまいは、内耳にある三半規管の障害から起こることが多いタイプ。
三半規管の内部はリンパ液で満たされているため、中医学では、体内に「痰湿(余分な水分や汚れ)」が溜まると、その状態に影響がでて、めまいが起こると考えます。
*食生活のポイント
利尿作用のある食材を積極的に。
・杏仁 ・くらげ ・大根 ・梨 ・枇杷 ・冬瓜 ・きゅうり ・春雨 ・もやし
・緑豆 ・はと麦 ・陳皮(みかんの皮) など
*生薬:半夏(はんげ)・白朮(びゃくじゅつ)・天麻(てんま)など

  • 生活養生のポイント

    ・ウォーキング、ラジオ体操、ヨガなどの有酸素運動を習慣に。
    ・日常の楽しみを見つけて、上手にストレス発散を。
    ・食事は薄味、減塩を意識して。
    酸味を使うのもおすすめです。
    ・アルコールは1日1合程度を目安に。
    ・睡眠はとても大事です。
    心身の疲労をきちんと回復しましょう。
    ・植物性乳酸菌や食物繊維を積極的に摂り、排便をスムーズに。

  • めまいが起こった時の対処法

    特にぐるぐると回るようなめまいの場合は、体を動かすほど症状が悪化するので、慌てずに安静にすることが重要です。
    ただし、脳出血や脳梗塞、不整脈による脳貧血が疑われる場合は、早急にかかりつけ医、もしくは専門医を受診するようにしましょう。
    参考:イスクラ産業発行・チャイナビュー

症例