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梅雨時の不調対策2・内湿
中医学では湿気が多い時期の体調不良を「湿邪(しつじゃ)」と結びつけて考えます。
湿邪は外から入ってくる「外湿(がいしつ)」と、
体内から生じる「内湿(ないしつ)」に分かれます。
内湿は、おもに胃腸の機能が低下することで身体の内側から生じるものですが、
外湿の存在とも深い関わりがあります。
胃腸は、食べ物を消化、吸収して栄養や水分を全身に運ぶと同時に、
体内の水分代謝を管理する大切な役割をしています。
この機能が低下すると、外から入ってきた湿を取り除くことができず、
胃腸の機能がさらに弱くなって内湿が生じるのです。
身体に内湿がたまると、胃腸にかかわるさまざまな症状が現れます。
まず、胃腸は四肢や筋肉と関わりが深いため、
胃腸が弱くなることで倦怠感、疲労感が強く現れます。
また、胃腸の機能が低下するため、食欲がない、
少ししか食べられないなど、食欲不振に悩まされることも。
いつもと同じものを食べていても、梅雨時は消化しにくいことがあります。
水分代謝が悪く、栄養分が消化、吸収されずにそのまま排出されてしまうため、
下痢や軟便になりやすいのも特徴です。
軟便などの症状が現れれば、それは胃腸が弱っているサインです。
症状がひどくなる前に、早めの対策をしましょう。
そのほか、湿邪の影響で胃腸が弱くなると、顔色は黄色くつやがなくなり、
舌は腫れぼったくなるなどの症状が見られることもあります。
内湿の影響で弱った胃腸を回復するには、
胃腸の機能を健やかに保つよう補いながら、湿邪を取り除いていきます。
「食の養生」に記載した、3種類の食材を、バランスよく食事に摂り入れてみてください。
*気になる症状
胃もたれ、下痢・軟便、食欲不振、身体の倦怠感
*食養生
この時期は食材をなるべく加熱しましょう。
例えば豆腐なら冷奴ではなく、湯豆腐などにするのがおすすめ。
・胃腸を元気にする食材:いんげん豆、山芋、大豆製品、蓮の実、栗
・胃腸を温める食材:山椒の実、フェンネル、生姜、ニンニク、キムチ
・湿を取り除く食材:はと麦茶、とうもろこし、小豆、鯵
*梅雨だからこそ、毎日を楽しく♪
雨の日が続くと、外出もおっくうになりますが、
そんな季節だからこそ、毎日を楽しく過ごす工夫をしたいですね。
読書や映画をみたり、部屋の模様替えをしたりして
気分転換ができるといいですね。
梅雨はうつ状態になりやすい時期でもあります。
食事や生活のちょっとした心がけで、心身ともに元気な梅雨を過ごしましょう。
参考:漢方の知恵袋
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梅雨時の不調を改善しよう。
毎年、梅雨時になんとなく身体の重さやだるさを感じる。
食欲がなくなる、など不調に悩まされませんか。
梅雨時は天気と同じように体調もすっきりしないことが多いものです。
中医学では、このような湿気が多い時期の体調不良を
「湿邪(しつじゃ)」と結びつけて考えます。
湿邪は外から入ってくる「外湿(がいしつ)」と、
体内から生じる「内湿(ないしつ)」に分かれ、
いずれも身体にさまざまな不調を引き起こす原因となっています。
身体のだるさや鈍い痛み、水分の停滞によるむくみ、
胃の不調といった症状が現れますが、
その症状は治りにくく、ズルズルと長引くこともあり、注意が必要です。
毎日の食事を少し工夫して湿邪を退治しましょう。
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春から夏の肌トラブル対策2 ジュクジュク
梅雨から夏にかけては湿気が多くなり、「湿邪(しつじゃ)」となって
皮膚の症状を悪化させる大きな原因になります。
体内の水分調節をする胃腸の機能が低下していると、
「湿邪」が身体に入り込んでも、余分な水分をうまく排泄することができません。
そのため身体の汚れである「湿」が皮膚に溜まり、肌トラブルを引き起こします。
*気になる症状
ジュクジュクした症状、下半身に症状が出やすい、
慢性化しやすい、食欲不振、口の中がネバネバする、軟便
*食養生
味の薄いもの、利水作用(身体の中から余分な水分を排泄する)の
あるものを中心に選びましょう。
甘いものの食べ過ぎに注意してください。
ハトムギ、どくだみ、おおばこ、とうがん、小豆、もやし、緑豆、春雨 など
※緑豆:オンラインショップ
*漢方薬など
湿熱をとる漢方薬
タール入り軟膏など
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咳と喘息・6 虚弱
咳や喘息の症状が慢性化すると、身体全体が疲労してしまいます。
生命エネルギーの源である「腎」や、食べ物を消化吸収する
「胃腸」の機能も弱くなるため、「肺」の栄養や潤いも
不足しがちになり、症状もなかなか改善できません。
高齢者、虚弱体質の人などは、基本的な体力を養うために
胃腸、腎の機能を高めることも大切です。
しっかり栄養を摂ることで肺にも栄養と潤いを与え、
健やかな状態に整えましょう。
*気になる症状
長期化した咳、喘息、夜間の咳が強い、息切れ、疲労感、
汗が出る、かぜを引きやすい、食欲不振、舌の色が淡い
*食養生
肺・脾胃・腎を補い、身体を養う食材を:
白きくらげ、蜂蜜、レモン、くるみ、百合根、
山芋、かぼちゃ、クコの実 など
クコの実:オンラインショップ
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咳と喘息・5 痰湿
身体に溜まった「痰湿(たんしつ)」(体内の余分な水分や汚れ)は、
「肺」のトラブルを引き起こす原因の一つです。
食事の不摂生などが原因で「胃腸」の機能が低下すると、
痰湿が溜まりやすくなり、咳や喘息の原因となります。
太り気味の人、暴飲暴食などで胃腸が弱っている人などは、
まず身体に溜まった痰湿を取り除き、胃腸の機能を高めるよう心がけましょう。
*気になる症状
咳、喘息、痰が多い、胸苦しい、悪心、
食欲不振、舌の苔が厚い
*食養生
余分な水分や汚れを取り除き、気の流れをスムーズに:
杏仁、銀杏、くらげ、海苔、桔梗の根 など
写真:杏仁豆腐
杏仁は痰や咳に良いだけでなく、腸を潤し、
便秘にも良いです。
杏仁:オンラインショップ