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夏バテしない漢方的養生法
猛暑です。
今年の夏を元気に乗り切る一番のこつは胃腸を大事に、ということです。
冷房のきいた部屋にいる時は、子供も大人も体温以下の温度の飲み物を飲む習慣をやめましょう。
胃腸の消化酵素は体温と同じ温度、37℃くらいで働きます。
味噌や酒と同じ酵素ですから、温度が低いと働きません。
せっかく食べた食事は消化しないで下痢便、軟便となって出て行ってしまいます。
この状態が一か月も続くと夏バテ状態となり、食欲もおちてしまいます。
例えていえば、1日1000円分食べた食事の1割100円が消化しないとすると、一か月で3000円、1年でなんと3万円トイレへ流してしまったと同じです。
暑いのは身体で胃腸ではありません。
試しにクーラーをつけている部屋であなたの胃を触ってみてください。
冷えていませんか?
暑い時期、冷たいものはおいしく感じます。でもそれは喉が感じるだけなのです。
ゆっくり口と喉で味わってから胃に流すとよいでしょう。
まず氷水、かき氷はやめましょう。
アイスやアイスキャンデーは炎天下から帰った時だけ。
食事の時は冷たい飲み物はやめましょう。熱いみそ汁などをつけましょう。
大人も冷たいビールの一気飲みで下痢した経験はおありでしょう。
もったいないですよ。おいしいごちそうが栄養にならないのですから。
習慣ですのですぐに直すのは難しいでしょうが、大人も子供も気を付けていけば冷たいものは欲しくなくなり、そのころあなたも家族ももっと健康に元気になっているでしょう。
文責:植松光子 薬剤師 中国政府認定国際中医師
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耳鳴りは天使の警報
2018年、中国広州中医薬大学付属病院で耳鼻科の劉教授に耳鳴りの講義を聞いて感銘を受けました。
先生は、次の話をアメリカ中で講演をして回られたそうです。
耳鳴りは「天使の警報」。身体は音の形で警報を出しているのです。
耳鳴りそのものは人体にとって害はないのです。
耳鳴りの大きな原因は三つ。
暴飲暴食、睡眠不足、ストレスで胃腸の働きが弱められた結果なのです。
調べると、耳の周りの血流が悪くなっていたり、細胞が死んでいることがあります。
胃腸は身体を整える中心です。
栄養がしっかり巡っていれば体の上にある七つの穴:耳・目・鼻・口の機能はよく働きます。
そして、使われたカスは下の穴、肛門、尿道から出ていきます。
当たり前ですが、大事なことです。
ところが、生活習慣がよくない、暴飲暴食、睡眠不足、頑張りすぎると半健康な状態になったり、
おいしい物の食べ過ぎで胃腸に負担がかかり、胃がもたれたり、ゲフゲフしたり、
下痢っぽくなったり、体に汚い余分なものが溜まってきます。
そうしますと血液は汚れ、栄養は回らなくなり、七つの穴二つの穴の細胞の働きは落ちます。
ストレスが強いときの耳鳴りは大きな音でキーンということが多いようです。
老化によるものは血流が弱いせいか、ジージーとセミが鳴くような音が多いです。
どんな耳鳴りも直接耳鳴りを消すことはできません。毎日気にしないこと。
人体は大自然が作った傑作です。
どのように正しく使って体の機能をよくするかを勉強する必要があります。
●どうやって眠るか・・・寝る時間が大事です。
。眠れるようにすることが大事です。漢方薬も役に立ちます。
●どうやって食べるか・・消化しにくいものは避ける。
。冷たいもの、サラダ、刺身は少なめに。温かいものと一緒に食べる。
●どうやって運動するか・・・
●どうやって楽しくすごすか・・・
ご自分で研究しましょう。
体調が良くなればいつの間に消えています。
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生姜は体調に合わせて摂りましょう。
「しょうが」で冷え症改善、など聞いたことがありますが、
「しょうが」は生と加熱したものとでは、効能が変わることをご存知ですか?
「生のしょうが」は、ジンゲロールという薬効成分が多く含まれますが、
加熱するとショウガオールに変化します。
風邪の初期などに、しょうが湯を飲んで、寒さを追い出したり、
食欲増進、食中毒予防などが「生しょうが」の薬効としてあります。
炒め物などに入れた「加熱したしょうが」は、
体の中心からじんわり温めてくれるので、
冷え性を根本から改善してくれます。
胃腸の血流も良くなるので慢性的な胃腸の弱りにもおすすめです。
漢方薬でも、生姜(しょうきょう)と乾姜(かんきょう)があり、
症状に合わせて使い分けています。
生姜(しょうきょう)
生しょうがを乾燥させたもの。
葛根湯などに入っている。
乾姜(かんきょう)
生しょうがを湯通し又は蒸したもの。
小青竜湯などに入っている。
「しょうが」は、すりおろしたり、千切りにしたりして使いやすい量を
ラップなどにくるんで冷凍しておくと使いやすいですよ。
暑い夏に冷房で冷えている方、ぜひ取り入れてみて下さいね。
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紫蘇で梅雨時もスッキリ♪
紫蘇はれっきとした漢方薬です。
昔、中国に華佗(かだ)という漢方の名医がいました。
ある時、華佗が歩いていると道に倒れた人がいて、人が騒いでいました。
華佗は「そこに生えている紫の草を煎じて飲ませなさい」と教えました。
その通りしましたら、その病人は元気に蘇ったので、
人々はその紫の草を紫蘇と名付けたそうです。
紫蘇は漢方に使う時は紫の紫蘇を使います。
しかし、料理に使うときは、梅干し以外は青紫蘇を使いますね。
青紫蘇の保存法はご存知かもしれませんが、
コップに水を少し入れて紫蘇の茎を浸しておくと長持ちします。
時々水を取り替えて下さいね。
紫蘇の葉は、胃が気持ち悪い時、食欲がない時、
だるい時にとると、楽になります。
また、紫蘇は香りが良いので「憂さを晴らす」働きがあります。
梅雨時の憂鬱や気分の憂鬱を晴らします。
紫の紫蘇の葉を乾燥させて、手で揉んで保存しておきます。
茶漉しに入れて熱湯を注ぐと、香り高い紫蘇茶になります。
ぜひ試してみてくださいね。