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理解されにくい月経痛、月経の悩み(2)
副題:月経時の激しい運動、プールでの冷えは月経痛、子宮内膜症の原因になるかもしれません。
●逆流の原因
それではその逆流とはどのようにおきるのでしょうか?
これに関して定説はありませんが、月経の時の激しい運動も引き金になるのではないか?という説があり、植松がツイッターに載せたところ、大きな反響がありました。
その多くは
★体育の授業の水泳の時間に、コンクリートの床に座って見学をさせられ、冷えて月経痛がひどくなった。
★水泳の授業を休むことを許可されず、タンポンを付けて水泳をさせられた。
★水泳を休む代わりに運動場を10周走らされた等々。
★また高校のクラブは名高い強豪校だったが、当時の部員の半数は不妊症で、当時のメンバーが集まると監督を恨む発言が出る。
★体育の授業を休みたかったが、男性の先生なので言い出しにくかった。
などのコメントが多く寄せられました。
体育の授業のことだけでなく、通常の学校生活、部活の上で不満に思っていることが数多く述べられ、いかに多くの女性が辛い思いを抱えているか、改めて考えさせられました。
また「中高生女子における月経痛の程度」NHK首都圏ナビ
(日本子宮内膜症啓発会議、平成28年度スポーツ庁委託事業「子供の体力向上課題プロジェクトより引用)
によると、月経痛があると答えた生徒のうち
勉強・体育が辛い15%、
鎮痛剤を飲んで我慢している35%。
実に半数以上が日常生活に支障をきたしています。
これらは月経困難症と呼ばれ、子宮内膜症などの病気の原因になっている可能性があるといいます。
●月経痛のある女子の子宮内膜症発症率は2.6倍
海外の研究では、月経痛のある女性が将来子宮内膜症を発症する確率は、月経痛のない女性の2.6倍である、という報告があります。
●漢方の考え
漢方の考え方は女性の月経期間の体をとても大事にします。
特に初潮から1,2年、水泳は絶対によくありません。
月経時は血液が減ることで冷えや寒さが侵入し、さらに水泳で冷えて、寒さが深くとどまると、血の循環を悪くさせて血流が滞ります。
そして瘀血(おけつ)の状態になると、様々な病気の元となります。
(注;瘀血とは中医学用語 鬱血や血行障害などで血の流れの滞り、またはそれによって起きる様々な症状や疾病を指す言葉)
子宮内膜症もその一つです。続きは次回
川越市薬剤師会広報紙「やげん」令和4年6月 投稿
投稿 薬剤師 国際中医師 植松光子
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痛みがないのが正しい生理
生理の時に下腹部が痛い、というのは当たり前のことではないんです。
痛みがないのが正常な生理です。
生理痛の原因は主に冷えとストレスです。
漢方では冷えると血が凍る、といいます。
またストレスも血を凍らせる、といいます。
また、生理の時に、血の塊が出ることはありませんか?
一般に若い人、健康な人はあまり出ません。
これは冷えている証拠です。
自分は健康だと思っていても、体の中の血流が悪くなっている証拠なのです。
また、生理痛は将来、子宮内膜症になる恐れがあります。
子宮内膜症はひどい生理痛を引き起こし、内膜に卵が着床しにくくなるので、
赤ちゃんができなくなる恐れもあります。
鎮痛剤で痛みを抑えるのではなくて、痛みが起きないようにすることが大事です。
冷え対策に女性は下半身を特によく温めると良いですよ。
冷え取り靴下もおすすめです。
入浴時以外に毎日靴下を重ね履きするものです。
絹5本指→ウール5本指→絹先丸→ウール先丸の順番で靴下をはきます。
これはハードルが高い、と思いの方は下半身を冷やさないように、
工夫してみて下さいね。
また、生理痛はすでに子宮の病気になっているサインかも知れません。
気になる方は早めに受診してくださいね。
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生理の時の激しい運動
先日、ツイッターで生理の時の運動について投稿したところ、
プールの授業は座って見学だったが、コンクリートの上で冷えた。
子供の頃体育を生理で休むと、代わりにグラウンドを10周走らされた。
というコメントもあり、とても心配になりました。
生理の時、激しい運動をすると、血が逆流して卵管から体内に漏れることがあります。(※)
それは子宮内膜の細胞ですので鼻や胃、腎臓などに定着して生理の度に出血を起こします。
怖い子宮内膜症です。
学校の先生や、スポーツ関係の方にお願いします。
生理の時は温かい教室などで静かに休ませるよう、女性の体を大事にする為にお願いします。
高校時代、部活動で激しい運動していた女性から聞いた話です。
その時の卒業生半分が不妊症だそうです。
監督を恨んでいる、とも言っていました。
監督は女性の生理の事は知らなかったのでしよう。
どの指導者も女性の体のことをもっと勉強する必要があります。
※子宮内膜症の原因 逆流説
月経血の1部が卵管を通じてお腹の中に逆流をします。
月経血中にある剥がれた子宮の内膜組織や細胞も、一緒に骨板の中に運ばれて、
骨盤内の臓器や組織にくっつくことで、子宮内膜症になると言われています。
これが現在の最も有力な原因仮説です。
日本内分泌学会HPより⇒子宮内膜症
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瘀血(おけつ)が招く不調や病気
「瘀血(おけつ)」になるとどんな不調が起こるのでしょう?
※瘀血とは⇒瘀血って何?
肩こり、頭痛、生理痛、子宮筋腫、子宮内膜症
関節痛、物忘れ、シミ、顔色が悪い、高血圧
など思い当たりませんか?
瘀血がひどくなると、糖尿病、動脈硬化、不整脈や
心疾患、脳血管疾患などの重い病気につながることもあります。
症状の特徴は
痛み・しこり・黒ずみ(しみ)です。
改善法は次回お伝えしますね。
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生理痛の原因を改善しましょう。
痛みは体の中からの異常を知らせるサインです。
生理痛の原因をしっかり治せば、ほとんどの痛みは良くなります。
中医学では瘀血(おけつ)も痛みの原因と考えます。
瘀血の原因は、主に冷えと緊張やがんばりすぎ、ストレスからくる「気の滞り」です。
その結果、子宮内膜症などが発症します。
ですから、子宮内膜症のある人の生理痛は、瘀血を取る薬を使って軽くすることができます。
子宮の内膜は、お花を育てる畑の土のようなものです。
畑の土が固まっていたり、石ころがあると根を張ることができませんね。
生理の時に大きな塊があったり、月経血が暗紅色でネバネバしているのは、
よい内膜とは言えません。
瘀血を改善し、塊やネバネバの月経血がきれいになってくると、
ひどい生理痛もいつの間にか軽くなります。