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生理痛や不妊の原因の一つ、怖いドロドロ血、瘀血をとる方法
①冷やさない
身体が温かいと、血の流れがよくなります。酵素が働くからです。
例えば、南国の果物に含まれるたんぱく分解酵素プロテアーゼが肉を柔らかくするように、
人の体内でも多くの酵素が働いて血液を流れやすくし、血の塊を溶かしてくれます。
その酵素は体温と同じ37度から38度でないと十分に働きません。
血をサラサラにする酵素は血の塊を溶かし、スムーズに経血を外へ押し出してくれます。
子宮内膜をはがす体内の酵素もよく働いて、痛みもなくはがれます。
しかし冷えると酵素がうまく働かず、身体はホルモンの命令で無理にはがそうとするので、
きれいにはがれず子宮の傷が深くなります。
子宮の傷が深くなると着床しにくくなり、妊娠できない可能性があります。
●冷え対策:
体温以下のものは絶対飲まないようにしましょう。とくに生理中は厳禁です。
胃の下は子宮だからです。
中国のお母さんは娘が生理中冷たいものをとると「死んじゃいますよ‼」と大きな声で怒るそうです。
「首」という字がつくところを温めましょう。首、手首、足首。
寝るときは肩を冷やさないよう、肩にバスタオルなど掛けて隙間風を防ぎましょう。
特に冷える人は靴下の重ね履きもよいです。
靴下は、足首はゆるゆるで、肌に当たるところは絹、外側はウールで空気の層を作ると
厚い靴下を履くより柔らかな温かさで体が温まります。
夜寝る時も真冬は靴下の二枚重ねが熟睡できます。
②運動
毎日運動を。速足で歩き、血流を良くしましょう。
③大きな声で笑う。
「わっはっは」と笑うと横隔膜が動くので、その周りの胃腸、肺、肝臓、子宮すべてが動き、血流がよくなります。
④ストレスを溜めない
赤ちゃんが欲しい、と考え過ぎるとそれがストレスになります。
私が10年来研修に行っている中国南京の不妊症の漢方、人間国宝の夏 桂成先生は、
訪れる患者さん全員に「心を静かに」とおっしゃっています。
⑤早く寝る
中医学では、昼は「陽」、夜は「陰」と考えます。
「陰」の時間は身体に水分や栄養を与える時間です。
子宮の内膜は乾燥すると固く柔軟性を失い、ねばねばして月経血として膣から出るときに
痛みを起こしやすいのです。夜は早く寝て身体に水分や栄養を蓄えることが重要です。
文責 薬剤師 国際中医師 植松光子
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生理痛・内膜症を治して妊娠しよう。~「気・血・水」の流れ~
命を支える栄養「気・血・水」は、不眠やお腹の張り、肌荒れだけでなく、生理痛、内膜症、不妊にも大きく関わっています。
気・血・水とは? 流れが悪いとどうなるかなどお伝えします。
①気の流れ
「気」とは体の力のもとであり、エネルギーです。気は食べ物から絶えず作られています。
「気」が不足すると疲れやすく、冷えやすくなります。
「気」が停滞するとストレスが溜まり、胸やお腹が張ってガスが溜まりやすくなります。
生理も早く来たり、遅くなったりします。基礎体温もガタガタしてよい卵ができにくくなります。
②水の流れ
「水」とは身体のすべての水分のことを言います。体内の水分だけでなく、汗や、唾液なども含みます。
全身を巡って潤し、一部は血液になります。
年齢とともに体内の水分は減ってくるので、眼や皮膚は乾燥し、口は渇き、体はほてり、
基礎体温の周期は早くなり、低温期は体温が高くなりがちです。
③血の流れ
「血」の源は食物です。栄養物質を全身に送り滋養と潤いを与えます。
血が少ないと、肌や髪はカサカサします。また「血」は心身を安定させる働きがあります。
不足すると不安状態になり、眠りも浅くなります。
生理の量も減り、子宮内膜が薄くなるので卵は着床しにくくなります。
④血を滞らせるとどうなる
血の流れが停滞すると全身の血液はドロドロしてきます。
経血も粘っこくなり、暗い赤や紫に近い色になります。
経血に塊が混じるようになり、痛みも伴うようになります。
経血は子宮内膜がはがれたものです。経血を見れば内膜の状態がわかります。
「気」と「水」の流れが悪いと「血」も停滞し「瘀血(おけつ)」となります。
「瘀血」になると、血の流れが悪いので、血はドロドロして粘っこくなり、
経血は暗い色になり、進むと紫色になり、固まります。
それは経血の塊やチョコレート嚢腫などです。
子宮の出口が狭い場合も経血が膣を出るときに痛みを感じることがあります。
ドロドロ血「瘀血(おけつ)」がサラサラなきれいな赤い血になると生理痛は軽くなり、妊娠しやすくなります。
~次回は瘀血をとる方法をお伝えします~
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理解されにくい月経痛、月経の悩み(3)
副題:月経時の激しい運動、プールでの冷えは月経痛、子宮内膜症の原因になるかもしれません。
冷え→月経痛→子宮内膜症→不妊症の遠因
月経時、水泳などで冷えると血流が滞り、様々な病気の元となります。
子宮内膜症もその一つです。
子宮内膜症の人は月経の時に大きな血塊が出ることがあります。
この血塊が瘀血(おけつ)です。
また、冷えないようにする、氷水や冷たいものを飲まないというのも常識です。
子宮内膜症の痛みは冷えからも引き起こされます。
子宮が冷えると血流が悪くなり、酵素の働きが低下するので、子宮内膜が月経の際にスムーズにはがれず、深い傷を作る原因になります。
細胞が深く傷つけば出血も多くなり過多月経となります。
その出血を止めようと子宮はさらに収縮力を強めます。
それが月経痛の原因です。
以上からも分かるように月経の際、プールに入ったり、冷たいコンクリートの床に座ることは月経痛の原因となり、子宮内膜症の引き金になりかねません。
さらに不妊症の遠因ともなるでしょう。
月経は女性特有でありますが、痛みや量の多少は女性同士でも他人のことはわかりません。
ましてや男性にとってはよくわからない領域です。
また「月経のことを口にするのは恥ずかしい」という心理が働きます。
月経で体育の授業を休みたい、と伝えることも遠慮しがちです。
そこで今私にできること。
一つはツイッターで月経について多くのことをつぶやき、啓蒙していくこと。
もう一つは学校薬剤師の先生方にお願いしたいことがございます。
多くの女子生徒が月経痛や月経の量が多く不安な思いで通学していること、
男子生徒にも月経のことを理解してもらうことなどを、担当校の先生方や生徒に話をしていただきたいのです。
どうぞよろしくお願い致します。
川越市薬剤師会広報紙「やげん」令和4年6月 投稿
投稿 薬剤師 国際中医師 植松光子
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理解されにくい月経痛、月経の悩み(2)
副題:月経時の激しい運動、プールでの冷えは月経痛、子宮内膜症の原因になるかもしれません。
●逆流の原因
それではその逆流とはどのようにおきるのでしょうか?
これに関して定説はありませんが、月経の時の激しい運動も引き金になるのではないか?という説があり、植松がツイッターに載せたところ、大きな反響がありました。
その多くは
★体育の授業の水泳の時間に、コンクリートの床に座って見学をさせられ、冷えて月経痛がひどくなった。
★水泳の授業を休むことを許可されず、タンポンを付けて水泳をさせられた。
★水泳を休む代わりに運動場を10周走らされた等々。
★また高校のクラブは名高い強豪校だったが、当時の部員の半数は不妊症で、当時のメンバーが集まると監督を恨む発言が出る。
★体育の授業を休みたかったが、男性の先生なので言い出しにくかった。
などのコメントが多く寄せられました。
体育の授業のことだけでなく、通常の学校生活、部活の上で不満に思っていることが数多く述べられ、いかに多くの女性が辛い思いを抱えているか、改めて考えさせられました。
また「中高生女子における月経痛の程度」NHK首都圏ナビ
(日本子宮内膜症啓発会議、平成28年度スポーツ庁委託事業「子供の体力向上課題プロジェクトより引用)
によると、月経痛があると答えた生徒のうち
勉強・体育が辛い15%、
鎮痛剤を飲んで我慢している35%。
実に半数以上が日常生活に支障をきたしています。
これらは月経困難症と呼ばれ、子宮内膜症などの病気の原因になっている可能性があるといいます。
●月経痛のある女子の子宮内膜症発症率は2.6倍
海外の研究では、月経痛のある女性が将来子宮内膜症を発症する確率は、月経痛のない女性の2.6倍である、という報告があります。
●漢方の考え
漢方の考え方は女性の月経期間の体をとても大事にします。
特に初潮から1,2年、水泳は絶対によくありません。
月経時は血液が減ることで冷えや寒さが侵入し、さらに水泳で冷えて、寒さが深くとどまると、血の循環を悪くさせて血流が滞ります。
そして瘀血(おけつ)の状態になると、様々な病気の元となります。
(注;瘀血とは中医学用語 鬱血や血行障害などで血の流れの滞り、またはそれによって起きる様々な症状や疾病を指す言葉)
子宮内膜症もその一つです。続きは次回
川越市薬剤師会広報紙「やげん」令和4年6月 投稿
投稿 薬剤師 国際中医師 植松光子
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理解されにくい月経痛、月経の悩み(1)
副題:月経時の激しい運動、プールでの冷えは月経痛、子宮内膜症の原因になるかもしれません。
●子宮内膜症の原因は月経血の逆流?
今、多くの女性を悩ませている子宮内膜症。
激しい痛みを伴い、社会生活などQOLの低下を招き、不妊症の原因にもなっています。
子宮内膜症の原因の一つに「逆流説」があります。
月経血の大部分は、膣を通じて体外に排出されますが、一部は卵管を通じてお腹の中(骨盤内)に逆流します。
月経血中に存在する剥脱した子宮内膜組織や細胞が、この逆流月経血とともに、骨盤内の臓器や組織に付着し育つことで、子宮内膜症になるといわれています。
これを月経逆流説と言い、現在の最も有力な内膜症の原因仮説です。
(以上日本内分泌学会 HPより)
卵巣内で発生し、古い血液が溜まればチョコレート嚢胞となり、出所のない月経血は激しい痛みを引き起こし、がん化することもあります。
また肺の周り尿管、腸管などに付着すれば、それぞれ月経期間に血痰、血尿、血便を起こすことが知られてきました。
注;「月経」は医学用語です。今は「生理」と表記するのが一般的です。
それではその逆流とはどのようにおきるのでしょうか?
続きは次回にて。
川越市薬剤師会 広報紙「やげん」令和4年6月 投稿より
投稿 薬剤師 国際中医師 植松光子