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勘九郎と七之助のものすごい努力
先日、10月大歌舞伎を見てきました。
驚いたのは勘九郎と七之助の演技が、抜群にうまくなったことです。
花道の暖簾の奥から聞こえてくる勘九郎の声が
父親の勘三郎にそっくりでびっくりしました。
勘三郎が亡くなってからの二人は年々うまくなり、
今回の「寺子屋」では鬼気迫る感じでした。
また「鰯売り、恋の引網」では
自信のない鰯売りの愛嬌が勘三郎そっくりでした。
父親が亡くなってからの二人がどれほど努力したか、
血を吐く思いで精進したであろうとうかがわせる舞台でした。
人間土壇場になればどんなことでもできる、と深く感じ入り、
又自分自身にもまだまだ努力する余地がある、
と思わせられたよい夜でした。
劇場の外へ出たら、皆既月食で暗くなった月が明るく輝き始め、
夜の銀座を照らしていました。
植松光子
写真説明:庭のかたばみ。歌舞伎の紋にも使われている。