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冷えのぼせ5 腎の虚弱
「腎」は五臓六腑の働きを支える基本であり、
体内の陰陽の根本でもあります。
そのため、腎の機能が低下すると
臓器全体の働きが落ち、
体を温める「陽気」(エネルギー)も不足して、
「冷え」が起こりやすくなります。
また、陰の要素(潤いなど)も不足しがちになるため、
身体の余分な「熱」を冷ますことができず、
ほてりやのぼせの症状が現れることもあります。
こうした腎の虚弱による「冷えのぼせ」は、
陰陽のバランスが崩れていることで症状が強く出やすくなります。
加齢とともに腎の機能は衰えるため、
更年期以降の人は積極的に養生をしましょう。
体をしっかり温める、睡眠を十分にとるなど、
日頃のケアで腎の働きを健やかに保ちましょう。
*気になる症状
特に手足の冷えが強い冷えのぼせ、
入浴後もすぐ冷える、めまい、耳鳴り、難聴、
ドライアイ、物忘れ、腰痛、腰がだるい、
夜間頻尿、むくみ、舌の色が淡い、舌苔が白い
*食養生
腎の働きを整え陽気を養う、温性・腎に作用する黒の食材:
くるみ、松の実、山芋、肉桂(ニッキ)、海老、羊肉、黒ごま、
桑の実、にら、スッポン など
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冷えのぼせ4 胃腸虚弱
体内の「気」(エネルギー)や「血(けつ)」は、体を温める大切な要素です。
そのため食事の栄養から気血を生み出す胃腸の働きが弱くなると、
体内の気血が不足して「冷え」を招きやすくなります。
一方、胃腸の機能が低下して消化不良を起こすと、食物が停滞して
体内に「湿熱(しつねつ)」が発生することもあります。
結果、冷えと熱が混在して「冷えのぼせ」が起こるのです。
*気になる症状
疲労で冷えのぼせの症状が強くなる、疲労感、顔色が白い、
めまい、食欲不振、お腹の張り、軟便・下痢、
舌の色が淡い、舌苔が白い、汗がダラダラ出る
*食養生
胃腸を養い、気血を充実させる、温性・甘味の食材:
米、しょうが、シナモン、山椒の実、枸杞の実、ほうれん草、
いんげん豆、鶏肉、卵、豆腐、ねぎ、フェンネル、なつめ、
きのこ類、にんじん、かぼちゃ、鮭、黒糖 など。
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冷えのぼせ3 ストレス
ストレスで肝の機能が低下すると、気の巡りが滞りがちになります。
すると、気のエネルギーが停滞して体内に「熱」が発生し、
ほてりやのぼせの症状につながります。
また、気は「血」の流れをサポートしているため、
気の巡りが停滞すると血流の悪化も招きます。
結果、手足の先まで十分な血が巡らず、「冷え」を起こしてしまうのです。
こうした熱と冷えの混在が、「冷えのぼせ」を招く要因となります。
*気になる症状
ストレスで冷えのぼせの症状が強くなる、頭痛、
肩こり、イライラ、怒りっぽい、緊張しやすい、
胸苦しい、のどの閉塞感、口の渇き、
舌辺(舌の両脇)が紅い、舌苔が薄く黄色い
*食養生
気の巡りを整え肝の熱を取る、涼性で香りの良いもの:
ミント、ちんぴ(乾燥したみかんの皮)、金針菜、
春菊、竹の子、そば、ジャスミン、菊、ウコン、
黒きくらげ、三つ葉、コリアンダー
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冷えのぼせ2 血行不良
「血」は体内を巡って体を温めているため、
寒さで血流が悪化すると「冷え」を招くことにつながります。
一方、温かい血の流れが停滞すると、
余分な「熱」がこもることもあります。
血行不良による「冷えのぼせ」は、こうした
血の特徴によって冷えと熱が混在した状態です。
熱は上へと昇る性質があるため、顔や頭部にほてりが生じ、
反対に、手足の先には十分な血が巡らず、冷えを招いてしまうのです。
養生の基本は、体をしっかり温めて血行促進する事です。
*気になる症状
暖房で冷えのぼせの症状が強くなる、手足の強い冷え、しびれ、
痛みの症状(頭痛、関節痛、生理痛など)、
顔色が蒼白、または暗い、皮膚のしみ・くすみ、
舌の色が暗い・瘀点がある、舌苔が白い
*食養生
体を温め血行を良くする、温性で血に作用する黒の食材:
紅花、らっきょう、玉ねぎ、黒きくらげ、いわし、さんま、
納豆、紅茶、よもぎ、ウコン、適量の酒(紹興酒、赤ワイン) など
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冷えのぼせ1
手足は冷たいのに、顔はほてって熱い。
そんな「冷えのぼせ」の症状は更年期の不調と
思われがちですが、実際は年齢を問わず現れる症状です。
中医学では、冷えのぼせは主に
身体の冷えから起こると考えます。
その要因は、血行不良、ストレス、胃腸の虚弱など。
こうした体内の不調が冷えと熱の混在を起こし、
冷えのぼせにつながるのです。
冷えのぼせ自体は病気ではありませんが、
放っておくと不眠、イライラ、肩こり、めまい、
頭痛といったさまざまな不調につながる心配もあります。
日頃のケアで体質を健やかに整え、
まずは“冷えない身体づくり”を目指しましょう。
人の体を陰陽で捉えると、上半身は「陽」、
下半身は「陰」にあたると中医学では考えます。
体内に発生した「熱」は陽にあたるので上半身に、
「冷え」は陰なので下半身に溜まりやすくなります。
これを「上熱下寒(じょうねつげかん)」といいます。
そのため、熱と冷えが体内に混在すると、
顔や頭部がほてり、手足の先や下半身が冷える
「冷えのぼせ」の症状が起こるのです。
体内の不調を整え、冷えのぼせを起こす要因を
根本から改善していきましょう。