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アトピーの赤味、腫れによい薬膳「あずきがゆ」
お正月で疲れた胃腸をいたわるおかゆと、肌の赤みにもよいあずきの組み合わせは絶妙です。
あずきは解毒作用と利尿作用があるのでアトピーの赤みと腫れに効果的ですが、
おしることなると砂糖をたくさん使いますから、アトピーには「ちょっと・・・」と考えてしまいます。
しかしこの小豆粥はあずきの自然な甘みが生かされたよいものです。
実はこの小豆粥は、私の住んでいる川越の旧家では毎年正月15日に食べる風習があります。
正月で食べ過ぎた胃腸を休め、体内にたまった毒素を取る、といった意味があったのでしょう。
おもちは食べ過ぎるとアトピーやにきびにはよいものではありません。
もち米がうるち米(普通の米)に比べて温性なので身体に熱をこもらせるのです。
1回1~2個ならよいでしょう。
あずきがゆ
作り方
小豆のゆで汁に米をいれておかゆを炊く。
二人分米半カップ、ゆで汁と水で米の12倍くらいにする。1時間くらい煮る。
炊き上がったおかゆにさきほどゆでた小豆を加え塩、少々で味を調える。
(小豆は浸しておかなくてもよい)
焼いたもちをのせて出来上がり。
小松菜のおひたしや、白菜付けと一緒にめしあがれば胃もさっぱりします。
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アトピーの方にお勧め、梅雨時の薬膳「梅紫蘇ご飯」
*梅紫蘇ご飯*
アトピー性皮膚炎の人は、やせている人や下痢しやすい、便秘がちなど胃腸の弱い人が多く見られます。
食べたものが血になり、肉となり、元気な肌を作ります。まず食欲が出る食事が大事です。
暑い夏はただでも食欲が落ちやすいもの。
私はちょっと食欲がないとき、よくこんなご飯を作ります。さっぱりしておいしい簡単薬膳です。
炊き立てのご飯に梅干と刻んだゴマを混ぜ、仕上げに紫蘇を刻んでのせるだけ。
梅は大きな南高梅があればgood! 種ごとご飯にまぜます。茶碗2杯に一個くらい。
皮が堅ければ包丁で刻んで種も一緒に混ぜます。
「梅干!」と聞いただけで唾液が出てくるでしょ。唾液は消化酵素がたっぷり。
食欲を出して消化を助ける大事なものです。
のどが渇いているから、といって冷たい飲み物を食事と一緒に飲んでいては唾液は出ません。
種はしゃぶってください。もっと唾液が出てきます。
ゴマを香ばしく炒ってからざっくりと包丁で切り、ごはんに混ぜます。
ゴマは脂肪油が多く肌を潤します。
腸を潤すので便秘にもよく、髪の毛をつややかにし、ゴマの根の煎じ汁はかゆみに効果があります。
ゴマは白、黒好みで。
紫蘇を糸のように細く切ってからご飯に乗せて、香りを楽しみながら召し上がってください。
紫蘇の葉は軽い風邪を追い出し、憂鬱な気分をよくし、カニ、鯖などのじんま疹やかゆみに効果があります。
青紫蘇、赤紫蘇どちらでも。赤紫蘇は漢方薬です。
お米は胚芽米や雑穀米がミネラルやビタミンが多く、しかも美味しいので是非毎日食べたいものです。
いかがでしょう? 簡単で美味しいアトピー性皮膚炎によい立派な薬膳の出来上がりです。
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アトピーが治っても漢方を続ける
治っても漢方薬を飲み続けてきれいな赤ちゃんに恵まれる
「どうせ何をやっても治らないよ」と言いながらお姉さんに引きずられるように20歳の男性が店に入ってきました。
今までいろいろな方法をやってみたがアトピーは良くならない、漢方も飲みたくない、ということでした。
しかし彼のお姉さんもアトピーがひどく、一年中腕に包帯をまいていたのが当薬局で漢方薬を飲んでよくなり、無事結婚式をすまされたので弟を引っ張ってきたのでした。
全身かき傷だらけで赤黒く斑点になっているので、かゆみを取り血行をよくし、
炎症をとる成分が入った漢方エキスを飲んでもらいました。
しだいに赤みは取れ皮膚がきれいになり、2、3年飲んでいるうちすっかりきれいになりました。
ステロイド軟膏は当初使っていましたが使わなくてもよくなりました。
若い彼があるとき私に
「もし結婚して子供が生まれたらこんなに辛い思いを子供にさせたくない、どうしたらいいだろうか」
と言われました。
私は「アトピーが遺伝するかどうかはわかっていないが、なるべく皮膚を良い状態に保つことが大事だ」
というようなことを言いました。
すっかり肌は良くなっていたのですが彼は何か心に響くものがあったのでしょう。
ずっと漢方薬をきちんと飲みつづけ結婚しました。
あるとき「先生、ほら、こんなにきれいな子供が生まれました!」と真っ白なきれいな肌の赤ちゃんを
抱いてうれしそうに見せに来てくれました。
彼が27歳のときでした。漢方薬を飲んで7年目のことでした。
その後も漢方薬を飲んで、また2年後二人目のきれいな赤ちゃんを見せに来ました。
その後はたまに指がかゆい、と漢方薬を買いに来ることがありましたが、
飲むと2、3週間ですぐ治ってしまい最近は見えなくなりました。
まとめ:
かれこれ10年近く飲んだわけですが難病といわれるアトピーも漢方薬を飲みつづければ
完治に近くなることも出来る症例です。
アレルギー体質は遺伝しやすく、しかも現代の環境とも相まって高い確率で発症しています。
漢方薬を飲みつづければ必ず遺伝しない、とは言いきれません。
しかしこの例のように少なくとも親の体を良い状態にたもっておく、ということは大事ではないでしょうか。
どくだみ(ジュウヤク、十薬)
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アトピーがリバウンドの後、急に好転
ステロイドのリバウンドに苦しんだ後、突然治り始めて医師もびっくり
1996年3月初来店、19歳のA子さんは赤ちゃんのときからアトピーで
12歳からステロイドが含有されたセレスタミンを飲みつづけており、
全身に強いステロイド軟こうのデルモベートを塗っていました。
それでも顔と目の周りが赤く腫れていました。
漢方薬は赤みを取り血の熱を取る処方の煎じ薬を出しました。
しかし漢方薬を飲み始めて直ぐステロイドの軟膏と飲み薬を止めてしまったので
リバウンドを引き起こし真っ赤に顔と足は腫れあがり、ジクジク汚い汁が出始めていました。
お母さんから「成人式の着物を作ってやりたいがこれではとても式にでられるかどうか・・」
と泣かれてしまいました。
そこで熱をよく取る「石膏」を大量に入れた煎じ薬を飲んで翌日から腫れは引き始めました。
成人式にもどうにか出られましたが頭のかゆみとふけがひどくなり、
頭髪を自分でぬくようになり、地肌が見えるほどでした。
病院からは弱いステロイドのアルメタ軟膏とリンデロンVGローションが出され、
医師から「あんなにひどかったのにこの軟膏でよく落ち着いたなあ」と言われました。
しかし5月蒸し暑くなってからまた悪化し、本人の意思で断食道場に10日間入院。
断食をやっている間は落ち着いていたのですが普通食に戻ったとたん悪化し、
頭髪をまたかなりぬいてしまいました。
ところが年が明けて1999年2月、急に良くなってきて、夜も眠れるようになり、頭髪も生えてきました。
初来店時、真っ赤だった顔が真っ白にきれいになり、笑顔で写真を撮りました。
ステロイド軟こうも使わなくても悪くならなくなりました。
A子さんの腕
1998年9月25日 少し落ち着いたころ
まとめ:
A子さんのアトピーには大分私も苦労しました。
2001年5月現在もまったく再発せず顔と腕、足は真っ白です。
ステロイド軟膏をやめてもリバウンドなし。
これもあきらめずに根気よく漢方薬を飲んで免疫力がついたからだと思います。