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アトピー性皮膚炎:ステロイド軟膏を苦しまずにやめられる方法
●ステロイド剤は使いたくない、でも使わずにはいられない
脱ステロイドを苦しまずに成功させることは「やめる方向」で行くこと。
そして同時に丈夫な肌と体質をよくする漢方薬を併用していくとほとんどの人がやめられます。
完全にやめられなくても減らしていくことができています。
その方法をこれからお伝えしましょう。
●ウエマツ薬局の漢方でよくなった方の声を聞くと
ウエマツ薬局に来店され、よくなった方の「喜びの声」を読むと、
今までの葛藤が切々と書かれていて胸がつまります。
初めはステロイド軟膏がよく効いていたのに効かなくなった。
そこで初めてステロイド軟膏に疑問を持った。治すものではない。
副作用も心配。痒みで眠れない。
ステロイド軟膏を使っているから治らないのだ、と思い込んできっぱりステロイド軟膏をやめ、
ひどいリバウンドで夜も眠れない、学校や仕事にも行けなくなった人も多くいます。
●ステロイド軟膏を苦しまずに楽にやめられるには
ズバリ、漢方薬と併用していくことです。すぐやめないこと。
ただしやめる方向で行くことです。
ステロイド軟膏は毎日症状を見ながら少しずつ減らしていきます。
漢方薬は飲んだ日から効くわけではありません。血液の寿命は120日といいます。
漢方薬が効くまでそれくらい考えたほうが気も楽です。
しかし食事と睡眠に気を付けてウエマツ薬局の漢方煎じ薬を飲めばもう少し早く効くと思います。
以前脱ステロイド軟膏で全身赤くなり、ガビガビになり、髪の毛もすっかり抜けてしまった30代の女性が来店されました。
でも漢方の煎じ薬だけできれいになり、髪の毛もすっかりきれいに生えそろいました。
その時からもう10年近く経ちました。今でもひどい再発はなく、きれいなまっしろな肌です。
でも疲れると時々小さな水泡が指に出たりしますので、今も毎日漢方薬を少しずつ飲んでいます。
●ステロイド軟膏の減らしかた
漢方薬を飲み始めて一か月間はステロイド軟膏を減らさないこと。
そのあと症状がよくなってきたら毎日2回の使用を1回にして一か月様子を見る。
次に一日1回を一日おき、よくなってきたら二日おき、三日おきといった具合です。
次第に七日に一回くらい30日に1回くらいにほとんどの方は減らしていけています。
ほとんどの方が最後は完全にステロイド軟膏はやめられています。
●すんなりステロイド軟膏が減らしていけるでしょうか?
アトピー性皮膚炎のアトピーはギリシャ語で「不思議な」という意味です。
しっかり漢方薬を飲んでいても、睡眠や食事がきちんと出来なかったり、
くよくよ心配ばかりしていると治す力が発揮できず、治りが悪くなります。
一直線に治っていくのではなく、波型に治っていきます。
慣れてくると真っ赤な顔になっても「大波ね」と笑いながら来店されたお嬢さんもいます。
痒みを抑えるためにステロイド剤ほど効果のある薬は多くはありません。
無理をしないで我慢できない時はステロイド軟膏を使いましょう。
皮膚が丈夫になっていくと痒みも軽くなり、いつの間にかステロイド軟膏を使う場所が減っている自分に驚くことでしょう。
●気を付けること
ステロイド軟膏が七日に1回くらいになると、中には痒くなっても我慢して塗るのをやめてしまう人がいます。
痒くなる、ということはまだアトピー性皮膚炎が治っていない、ということです。
最近の皮膚科学会の標準治療法は「痒みが納まってもステロイド軟膏はすぐにはやめない。
一か月に1回くらい使っていた方がよい」という見解です。
それくらいの使用頻度では副作用はほとんど出ません。
我慢して使わないでいると治っていないのでまた悪化することがあります。
でも大丈夫。漢方を飲んでいると免疫力がついて悪化しなくなるのです。
そこが漢方を飲むのと飲まない人の違いです。
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アトピーにサウナっていいの?
アトピーにサウナっていいの?
「体を温めて汗をだしてデドックスに良さそうだ、サウナに入ってもいいですか?」
とアトピーのかたからよく聞かれます。
答えはNOです。かえって悪化することが多いです。
体の外からサウナで急激に暖め、焼くような熱さは皮膚に刺激を与え、悪化する人が多くいます。
しかし、運動して体の中から出す汗はデドックスになります。
アトピーがひどい時は汗がしみて痒くなる場合があるので、アトピーが軽くなったら運動するのがオススメです。
運動をして汗をかくと、肌は丈夫になり、アトピーがよくなることが多いです。
学生時代に、運動で汗をかいていた時は、アトピーが軽かった、と言われる方は多いのですがその通りです。
運動で汗をかくと、かき傷が多い人は、一時的にはしみてかゆくなります。
その時は濡れたタオルで軽く汗をぬぐうか、ジネンミストなど持っていて振りかけるとよいです。
漢方薬を飲んで皮膚が丈夫になってくるとしみなくなるので、それもアトピーが良くなった目安です。
※ジネンミストは当店でとりあつかっております。お気軽に声をかけてください。
国際中医師 薬剤師 植松 光子
写真「タンポポ(アトピーの赤いときに用いるのはタンポポの根):森林公園で撮影」
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アトピーの原因はなに?
その1 「アトピー」の意味はご存じでしたか?
「アトピー」とはギリシャ語で「奇妙な」という意味のatopiaに由来し、家系内に出る異常な過敏反応として1923年に名づけられました。
また中国語では「四弯風(しわんふう)」と言います。
4つの湾曲した場所(肘、膝)にできる風(痒みのこと)の意味で、すでに数100年前の本に書かれています。
その2 奇妙な病気アトピー性皮膚炎
本当に奇妙な病気です。かゆみの原因がわからないのですから。
また悪化や再発の原因もわからないのです。
単なる痒み、例えば虫刺されでしたら、ストレスで痒みがひどくなることはありません。
体の中から痒みが沸き起こって、1000匹の蚊に刺されたような痒みだと患者さんは話してくれます。
その3 アトピー性皮膚炎の特徴
痒みを伴う発疹が繰り返し出現。発疹は顔や首、肘や膝の窪みに現れやすく、ひどくなると全身に広がることもあります。
約80%の患者さんは5歳までに症状が現れます。
アトピー体質という遺伝的な要素は、気管支喘息、アレルギー性鼻炎などにかかりやすい傾向があります。
その4 原因は皮膚にではなく体の中にある
近年は「免疫力」とよく言うようになってきました。「免疫力」とは「疫(病気)を免れる力」のことです。
ウイルスや病原菌、がん細胞などから体を守ってくれる力です。
しかし免疫の働きに異常が起こると体に害を与えない物質に対しても過剰に反応し、体を攻撃し、その結果身体を守るはずの免疫が逆に身体を傷つけてしまうのです。
アレルギー疾患であるアトピーもその一つです。
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春から夏へ、アトピーの方にアドバイス
アトピーの方は、春や梅雨時に悪化する、など苦手な季節がありますよね。
今年の花粉の時期は症状が悪化した人が増えましたが、今は少し落ち着いている印象です。
ただ、これから湿度が高くなると、ジュクジュクとした水疱の症状も出てきて、1番悪化しやすくなる季節です。
そこで、悪化しないためのアドバイスをお伝えします。
①食べすぎない!
食べすぎると熱がこもります。
外が暑く、体の中も熱くなると悪化します。
②11時までには寝ましょう!
寝ると肝臓が働き解毒の力がUPします。
③37度以下の飲み物は控える!
暑くて冷たいものばかり飲んでいると、胃が冷えて消化の力が弱り、丈夫な皮膚が作れません。
④ストレスをためない!
ストレスは体の気を悪くし、免疫力が低下します。
体を動かしたり、香りのいいお茶を飲んだりしてリラックスして、心を休めましょう。
漢方薬を飲んで体質改善するのもいいです。
症状や予算に合った漢方をお出しします。
ぜひ相談にいらして下さいね。
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植松光子のアレルギー遍歴:その4 【長生き基本メニュー】
私も母の手料理で皮膚炎を再発することなく過ごすことができるようになり、
料理に関心を持つようになりました。
母の料理のメニューは単純です。
長生き基本メニュー
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●朝はご飯とみそ汁、納豆に卵 ぬか漬け、小魚の佃煮。
●昼はパンと牛乳、肉野菜炒め、
●夜はご飯と魚、野菜の煮物などと食後のフルーツ。
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●三時には父がサイホンで入れる香り高いコーヒーとおせんべいなど。
基本は主食の穀物、蛋白質、野菜です。
蛋白質は、朝は豆腐、昼は肉類、夜は魚と決まっていました。
このような食生活を50年続けて父は長生きし、母は私が知る限り風邪一つひかず病気にもならず、
この1月私がそばで本を読んでいて気が付かないうちに息を引き取っていました。
享年100歳でした。
写真:母85歳