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皮膚と大腸の意外な関係
中医学では皮膚と大腸の病気は治し方が同じ
潰瘍性大腸炎とアトピーが同時に改善!!
クローン病と痒疹が同時に改善!!
中医学では皮膚と大腸は関係がある、と考えます。
このHPで「痒疹がよくなり生きているのが楽しくなりました。」
を書かれたかたは頑固な痒疹で夜も眠れない状態と同時にクローン病という小腸や大腸に炎症がおこり、
血便や下痢を起こす難しい病気もありました。
内臓全体を言い表すのによく「五臓六腑」という言葉を使いますね。
皮膚は呼吸していますので「肺」の一部と考えます。
五臓それぞれに関係した「腑」があり、「胆、小腸、胃、大腸、膀胱、三焦」をいいます。
「肺」は「大腸」と関係があると、古代の人は考えました。
最近の大学病院の研究でもアトピー性皮膚炎の患者は皆、小腸の粘膜上皮がビランしており、
又絨毛(じゅうもう)の萎縮が見られる、と発表されています。
2000年前と現代の最新の研究が一致する、と言うことに驚きます。
クローン病は腕や脚の皮膚の結節の炎症(結節性紅斑)も起こしますので、
腸と皮膚の関係は十分考えられます。
痒疹は文字の通り「痒い湿疹」で痒みは強く辛い病気です。
原因は明らかではありませんが、一種のアレルギー症状と考えられます。
結節や丘疹状態で盛りあがっており、掻くと悪化し、さらに痒みはひどくなります。
この方はからだの外と中に難しい病気をかかえて、夜もほとんど眠れず、食欲もなく、
生きて行くのも辛い、とおっしゃっていました。
中医学では症状から「皮膚と大腸の湿熱」と考え、皮膚と血便、下痢に効く漢方薬をだしました。
痒疹はかなり早く改善し始め、同時に血便はなくなり、腹痛もなくなっていきました。
このように違う病気を同じ方針で治す方法を「異病同治(いびょうどうじ)」といいます。
現在は「湿熱」はなくなり、もともと胃腸が弱い体質「脾虚」なので
胃腸を丈夫にする漢方を飲んでもらっています。
漢方は治す順番が大事です。
初めは家に入って来た「湿熱」の「邪」=泥棒:をやっつける漢方薬
次は泥棒が入らないようガタついた家「虚」を治す漢方で丈夫な家になり、再発を防いでいます。
潰瘍性大腸炎とアトピーの関係も同じです。
潰瘍性大腸炎も難しい病気ですが希望を持って治していきましょう!
<来店当時(2010年2月19日)のお写真>
<2010年7月31日>
<2011年3月19日>
写真は来店時と5ヵ月後、1年1ヵ月後のものです。ご本人了解済み
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アトピーで眠れない方に・・・
アトピーの方で眠れない、と訴える人は少なくありません。
眠れない方は大きく分けて二つあります。
1:痒みで眠れない人。
2:アトピーになる前から眠れない人。
1:痒みで眠れない人はアトピーが良くなっていけば自然に眠れるようになります。
かゆみを取るのには皮膚が真っ赤な血熱タイプには血の熱を取る赤芍、牡丹皮など。
じくじく汁が出る湿熱タイプには竜胆、馬歯莧(ばしけん)、ヨクイニンなど。
赤みが急に出て、自然に消える風熱タイプには金銀花、連翹など。
乾燥して痒く、血熱風燥タイプは潤して熱を取る玄参、知母、石膏など。
これらの生薬を含む方剤を飲んでいると次第にアトピーも、かゆみも収まってきます。
この時蓮子心(れんししん)をいっしょに飲むと気持ちを穏やかにして寝つきをよくする手助けになります。
蓮根でおなじみの蓮ですが、根だけでなく実も漢方薬や食用として用いられます。
蓮の実の中心にある緑色の胚芽を蓮子心といいます。すっきりした苦味です。
<本草綱目>には「少しの苦味は心を清らかに保つ」と書かれています。
蓮子心にはアルカロイド、ルチン、フラボノイド等が含まれ、降圧作用があります。
中医学的には精神安定作用、いらいらして眠れない、夢が多い、口内炎、吹き出物、
口臭、便秘などに有効です。
痒くて眠れない、いらいらして眠れない、というのは心火(しんか)といい、
心の火が燃えているのです。
「治らない、治らない」といらいらしていると治りは遅くなります。
蓮子心は気持ちを穏やかにして寝つきをよくします。
心の持ち方は大事です。
前向きの気持ちが治りを早くしてくれます。
あまり良くなっていない、とこちらが思っても、本人が
「とても良くなった」とおっしゃる方は治りやすいのです。
ところが「良くなってきましたね」といいますと
「でも、こっちはまだ治りません」とすぐ打ち消す人がいます。
よくなってきたことを認めず、悪いところばかり探す人は治りにくいのです。
良くなってきた、と思うとリラックス神経である副交感神経が働き、血流がよくなり、
治す力が強くなります。
同時に感謝する心が大事です。感謝の気持ちを持つと心が清らかになり、辛さは軽くなります。
いつも自分が感謝の気持ちを持っているか、あるいは治らないことを他人のせいにしていないか、振り返って見てください。
実際店頭でも前向きの方は治りが早くびっくりすることが多々あります。
2:アトピーになる前から眠れない人は神経の敏感な人が多く、
このような人は肝鬱気滞と言っていらいらしやすく、胸やおなかが張る、生理不順などもあります。
蓮子心の粉末をお茶に混ぜて寝る前に飲むと独特の風味がおいしく、
あるいは漢方薬と一緒に飲んでもいいでしょう。
気が弱くうつっぽい人、冷える人には元気にして寝つきをよくする漢方薬がいいでしょう。
眠れない時は自律訓練法をお勧めします。(イラスト参照)
大体すぐ眠れます。
1:布団の中で両手の手のひらを上向きにして足は肩幅に開き、全身の力を抜きます。目をつぶって
2:右手に意識を集中して「右手がだんだん温かくなる、温かくなる、温かくなる、」と頭の中で唱えます。
3:左手に意識を集中して「左手がだんだん温かくなる、温かくなる、温かくなる、」と頭の中で唱えます。
4:両手に意識を集中して「両手がだんだん温かくなる、温かくなる、温かくなる、」と頭の中で唱えます。
5:右手に意識を集中して「右手がだんだん重くなる、重くなる、重くなる、」と頭の中で唱えます。
6: 左手に意識を集中して「左手がだんだん重くなる、重くなる、重くなる、」と頭の中で唱えます。
7:両手に意識を集中して「両手がだんだん重くなる、重くなる、重くなる、」と頭の中で唱えます。
8:眠れなかったら以上を繰り返します。
2~3回繰り返すうちに大抵は眠れます。
痒くてねむれなかったら、お気に入りのかゆみ止めを塗りましょう。
精神安定のある食べ物
蓮の実、なつめ、玄米、青梗菜、ユリ根、りゅうがん、あさり、あんきも、
いわし、かき、しじみ、ジャスミン茶、緑茶
実を甘く煮た蓮の実の甘納豆はさっぱりしておいしいものです。
りゅうがんは龍眼と書き、ライチに似た果物です。
百合根の粉末が販売されています。どちらも甘くておいしく、心も肌も潤します。
ナツメを使ったこころのほっとする薬膳
中国では「開口笑(かいこうしょう)」というお菓子です。笑った口のように見えます。
「笑う門には福来たる」笑うことは病気を早く治します。
とても簡単でおいしい薬膳スイーツです。是非作って見て下さい。
【材料】(4人分)
- 蜜なつめ(甘く煮たなつめ) 20個
- 白玉粉 40g
- 松の実 20個
【作り方】
1. 松の実はフライパンできつね色になるまで炒める。
2. 白玉粉に水を入れ耳たぶほどの硬さに練り、20等分にする。
3. 2の白玉粉で1の松の実を包む。
4. 筒状の蜜なつめの一片を縦に切って開き、2を包む。
5. 包んだ蜜なつめを10分ほど蒸す。
* 出来たてでも、冷やして食べても美味しいです *
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本当のアトピー
自分で勝手にアトピー性皮膚炎だと思っていませんか?
お医者さんも「アトピー性皮膚炎」という診断を簡単に言わないよう気をつけているそうです。
「アトピー性皮膚炎」といわれて難しい病気だと悲観するからです。
そのために「アトピー性皮膚炎」とはどのように定義されているか以下に書いて見ました。
参考にしてください。
当てはまってもがっかりしないで「よし、がんばるぞ!きっと治してみせる」という気構えが大事です。
体質、症状に合った漢方薬を根気よく飲めばきれいになりますよ。
アトピー性皮膚炎の定義
アトピー性皮膚炎は悪化したり、落ち着いたりを繰り返す、かゆみのある湿疹を主な病変とする
疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ。
*アトピー素因とは
(1)家族歴、既往歴に気管支喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎、
アトピー性皮膚炎のどれか、あるいは複数の疾患がある。
(2)IgE(免疫グロブリン)抗体を産生しやすい素因
以上参考:日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎の定義・診断基準」
*アトピー性皮膚炎の診断の基準
(1)かゆみがあること
(2)赤味、ぶつぶつ、かさかさ、じくじく、ごわごわなどの症状がある。
(3)左右対称にある。たとえば両肘内側、両肩、額の両脇、両足膝内側、両足首など。
(4)症状に波がある、よくなったり悪くなったりを繰り返す。
(5)年齢による特徴がある。
幼児:頭や首、あご、ほおに出やすい
小児:関節に出やすい
思春期、成人:上半身に出やすい
あせもや、蕁麻疹などは当てはまらないことが分かります。
また左右対称ということは体の中から来ていることがよくわかります。
ですから軟膏治療や温泉、スキンケアーだけでは根本治療にはならないこともよくわかりますね。
アトピー性皮膚炎の肌の細胞は壊れた石垣のようです。
隙間から水分が蒸発して乾燥し、外から紫外線や、ほこり、花粉、汗などの刺激が
もろに肌の内側に入っていくのでかゆくなります。
きちんと積まれた頑丈な石垣にするには中から作り直す必要があります。
漢方薬でよくなるのは皮膚の中から丈夫になるからです。
さあ、すぐにあなたの症状にあった漢方薬を飲んで明るい毎日にしましょう!
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アトピーの赤みの原因は「熱」
赤い発疹は、清熱涼血法で熱を冷ます
このホームページをご覧になって大阪や福井など遠いところから突然こられるかたが増えています。
ごなたも良くなっていくのでとてもうれしく思っています。やはりアトピーには漢方が一番です。
それも「見立て」が大事です。一人でも良くなっていただくよう私も一生懸命勉強しています。
アトピーで一番辛いのは赤い発疹と痒みです。
赤い発疹は体に熱がこもっていることを表し、急性期の症状で、にきびやじんましんでも見られます。
赤い発疹は例えて言うと火事です。まず火を静めなければなりません。
漢方のやり方は熱い血の熱をさます「清熱涼血法」を用います。
漢方では「血熱」という独特の考えがあり、次のような症状が見られます。
(1)皮膚に赤い発疹がある
(2) 鼻血、血尿、血便。月経が早く、量が多く、色も鮮やか。
(3)目の充血、口が渇き冷たい物を欲しがる。便秘、赤いにきびや吹き出物が出来やすい。
皮膚病だけでなく上記の症状には「清熱涼血」の作用を持つ牡丹皮、クチナシの実などの配合された
漢方薬で体のバランスを取り健康にします。
アトピーの人の舌の色は真っ赤な人がいます。
このような人は皮膚表面の赤みが取れても体内に「熱」が篭もっていることを示し、
赤みが収まっても再発することがありますから用心のためしっかり漢方薬を続けたほうが安心です。
舌の色がきれいなピンクになってくると体内の熱も収まってきています。
写真の赤ちゃんは真っ赤に顔がはれとてもだるそうです。
体温計の熱が平熱でも「熱」がこもっていることがお分かりと思います。
お母さんが漢方薬でアトピーが治っているので、
医師にステロイド軟こうの継続使用を勧められましたが長く使っていいのか疑問に思い、
漢方薬のエキスと漢方の軟膏とクリームでこんなにきれいな真っ白な肌になりました。
半年近くなりますがいちども再発していません。
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アトピー肌の乾燥とほてり
乾燥の原因のひとつは「熱」
アトピーの方がよく訴えられる症状に「乾燥」と「ほてり」があります。
「乾燥」も「ほてり」もどちらも不快な症状です。
まずその原因を考えなければいけません。
原因には大きく分けるとふたつあります。
一つは胃腸の消化能力が悪くて栄養が肌に行き渡らなく乾燥する「虚」のタイプ。
逆に体に悪いものがたまり、熱がこもって乾燥する「邪」のタイプの二つがあります。
「邪」のタイプの一つの原因はまず「体内にこもった熱」です。
洗濯物がストーブのそばで乾くように「熱」があると乾燥します。
長い間皮膚に炎症があることによって、血液が熱をもち「瘀血」となってどろどろしてきます。
肌はごわごわ、かさかさして「苔癬化(たいせんか)」という慢性の炎症の状態になります。
「熱」があるのでほてってきます。ステロイドを長期使っていてもほてりがきます。
中成薬(エキス剤、錠剤)の「涼血清営顆粒」を気長に飲むと「血熱」はおさまっていき、
乾燥もいつの間にかおさまり、つやつやした肌になっていきます。
また多少潤す成分もあったほうがいいので私はよく「瀉火補腎丸」や「荊芥連翹湯」
「当帰飲子」「石膏」も併用します。
「当帰飲子」だけでは「熱」をとる力はないので「熱」をとる漢方薬を併用します。
必ず皮膚をよく見てもらって「熱」をとる漢方薬と「潤す」漢方薬の割合も見ながら出してもらうことが大事です。
「舌」の色は真赤な人が多いようです。
ただし「乾燥」は長い間の「熱」によるものなのですぐ治すのは無理です。
日本では粉薬では潤す漢方薬は少ないのでとても困っています。
今私の属する研究会で開発中です。完成したらお知らせします。
生薬では「麦門冬」「沙参」「玄参」「知母」「石膏」などがありますので煎じ薬に自分で加えて煎じるといいでしょう。
あせらず飲んでいけばよくなります
入浴後はものすごい勢いで乾燥していきます。
出たら一分以内に「瑞花露(すいかろ)クリーム」や「アリメントクリーム」などを塗りましょう。
ひどいときはこれらを塗ってから入り、出てからもぬるといいです。
手も水を使って水分が残っていると蒸発するときに手の水分が奪われます。
よくよく水分を拭き取って「瑞花露クリーム」や「ビューティシャンハンドクリーム」をすぐ塗りましょう。
顔にはしわや色素沈着によい沙棘(サージ)が入った「セ・サージクリーム」の上に「アリメントクリーム」を塗るといいでしょう。