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マタタビは漢方薬
数年前の春のこと。
店で期限切れになった、マタタビの粉末を庭にばらまいたら、
その春の夜に、妖しげに庭で舞う猫たちの群れ。
月夜の闇を背景に、なまめかしく幻想的でしばらく見とれていた位です。
マタタビは人間の強壮剤であり、猫の強壮剤でもあります。
その昔、旅人が疲れた時に、マタタビの粉末を舐め、
また旅をしたので「またたび」と名付けたとか。
猫は植物のマタタビを与えると、体にこすりつけるなどの
特有な反応をすることが知られていますが、岩手大学などの研究グループは、
猫に作用する物質をマタタビから同定したと発表しました。
この物質は蚊を寄せつけないこともわかり、
マタタビをこすりつける反応は、猫が蚊を避けるよう進化してきた結果
なのではないかとしています。
1月21日のNHKニュースより
その成分は「ネペタラクトール」。
マタタビはマタタビ科マタタビ属の
虫えい果で漢方薬です。漢方薬局で売っています。
他の漢方薬の発見も同様です。
人間の祖先がいかに生き延びるか、知恵を働かせて
その形や匂い、生えている場所、季節等を考えて、どういうことに効くのだろうか、
何千年という長い月日をかけて獲得したものです。
それを、現代の最新技術が分析して、何故効くのか、
再度確認できるのも興味深いことです。
マタタビを、猫に与えるときは多すぎないよう充分気をつけてください。