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自然の中で育まれる、最高に贅沢なお食事
山菜が、これほど香りが高く美味しい物とは思いませんでした。
漢方相談のお客様で、アトピーの男の子のおばあさんが摘んで下さった、
新鮮な採りたての、山ウドをお母さんが届けてくださいました。
新潟の山奥清流の流れているところにお住まいで
そこのウドを摘んですぐに、持たせてくださったそうです。
男の子も5年近く漢方薬を飲んで、随分よくなりました。
おばあさんのお気持ちを思うと、ありがたく胸がいっぱいになりました。
早速濃い緑があふれるような山ウドを調理しました。
茎を切ると、パアーっと何とも言えない香気が立ち昇りました。
ウドは味噌と豚肉と相性が良いようなので、
ウドの白い茎の部分をそれで炒めました。
次に硬い皮の所は毛をつけたまま、細く切ってきんぴらに、
先の穂の柔らかいところは細かく刻んでさっと炒め、
七分づきの炊き立ての白いご飯に混ぜました。濃い緑が食欲をそそりました。
硬そうな皮やひげ根も気にならず、口に広がる香りとともに、得も言われぬ美味しさでした。
この方には先月はこごみとふきのとう、よもぎの、つきたてのおもちも頂きました。
お母さんは新潟の山の中の清流の近くで育ったそうです。
ご家族は玄米菜食で、初めてアトピーで13歳の男の子が来店された時に
玄米菜食だとお聞きして、お子さんにそっと「美味しい?」と聞きましたら
「美味しい」と答えました。
アトピーは本当にひどく、ステロイド軟こうは絶対使いたくない、ということで
どのくらい治るか私は心配しましたが、漢方薬を飲み始め、
みるみるよくなっていき、びっくりしました。
普通かなりひどいアトピーの場合は漢方薬の効き目はなかなか出ないことが多く、
食事の指導に大変な思いをします。
しかし、このご家族は徹底的な玄米菜食なので、功を奏したのだと思います。
若い人の場合、玄米菜食を徹底するのは難しいものです。
私も実は玄米菜食を続けるのは美味しさの点で
現代の贅沢な食生活に慣れた人間には難しいだろうと考えていました。
しかし今回こんなに素晴らしい山菜を味わって考えが変わりました。
この山菜を新潟から川越まで、車で採り立てを届けてくださった
ご両親のお肌を見ると、お二人とも見事にツヤツヤです。
こんなにおいしい山菜だからこそ長年続けてこられたのでしょう。
「最高に贅沢なお食事」は豊かな自然の中で育まれるものなのでしょう。