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ドーピング、漢方薬は大丈夫?
薬剤師の飯沼です。
今年は東京オリンピック・パラリンピックがとても楽しみな1年ですね。
実はこの前の休日、スポーツファーマシストという資格の更新のため、
e-ラーニングで講習と試験を受けました。
スポーツファーマシストとは、最新のアンチ・ドーピング規則に
関する知識を有する薬剤師のことです。
ドーピングというと、特殊なものを摂取するというイメージで、
あまり身近に感じないと思いますが、風邪薬や血圧の薬など一般的に使われている薬や
サプリメントでもスポーツ大会では禁止という扱いになっているものがあります。
そんなうっかりドーピングを防ぐため、情報提供、教育活動を行うのが
スポーツファーマシストの仕事です。
漢方薬も実は注意が必要で、たとえば興奮薬として禁止されている
エフェドリンは、葛根湯などに含まれる生薬の麻黄から抽出される成分なので
ドーピングにひっかかってしまいます。
他にも禁止物質を含む生薬で、よく漢方薬などに使われるものとして、
半夏やホミカ、鹿茸(ロクジョウ)などがあげられます。
その他の漢方薬も
「すべての含有物質が明らかになっているわけではなく、
禁止物質が完全に入っていないと保証することができない」
という点で、スポーツファーマシストとしては絶対に大丈夫とは言えないのが現状です。
健康食品もすべての含有成分が記載されているとは限らないので注意が必要です。
トップレベルのアスリートとなると、いつでもドーピング検査を受けられるような
システムの申請義務があったり、薬やサプリメントに対して
かなり神経を使って注意する必要があり、公正なスポーツのためには大変な裏側があることを感じます。
そんなアスリートの方々が健康のためにも不用意に避けることなく、
薬を適切に使用できるよう、薬を提供する側にも情報発信したりするなど、
活動を続けていきたいと思います。
写真は日当たりの良い店内で咲いていた蘭の花です。