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「良いものを感じる心」
有名画家の贋作が話題になっています。
私は、もちろん鑑定力はありませんが、良いものは、長く飾っていて飽きない、
良くないものは、すぐ飽きてしまうというのが、私の基準です。
こんな経験があります。
日中友好会館で、日中の書道展がありました。
何気なく入り、正面に飾ってあった千字文を見たとき、
何故かわからないのですが、頭をガンと叩かれたような気がして、
涙がポロポロ出て来ました。
書家のお名前は、「小林斗盦(とあん)」と書いてあります。
私は、聞いたことがないお名前ですので、受付の方に
「小林斗盦さんて、どういう方ですか?」とお聞きしましたら、
すぐ近くに立っていらっしゃる、小柄な高齢の男性を
「この方ですよ。」と紹介して下さいました。
ニコニコして、お顔の艶やかな上品な男性でした。
その後、1年ほどして新聞を見て、驚きました。
その方は、篆刻(てんこく)の第一人者で、なんと文化勲章をいただいたのです。
私は、書の上手下手もよく分かりませんが
書の展覧会では、千字文をよく見かけていました。
今まで見ていた千字文の中で、一番心を打たれたのでした。
たくさんの字を少しも乱れず、神経を集中して書くことは大変なことです。
しかも、その人の人格と人生が現れます。
お名前を知らなくても、「良いものは良いと人は感じるものだなぁ。」とその時思いました。
皆さんも、そんな風に感激した経験が、おありでしょう。
最後までお読み下さり、ありがとうございます。
よい一日をお過ごし下さい。
中国 四川省で購入 「気」が集まると言う青城の景色
78歳 呉 正峯書