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脳梗塞の予防・4 体質別のケア(イライラ)
《イライラしがちな人は》
体内の「気(エネルギー)」は「血」と一緒に体内を巡り、
血流をサポートしています。
一方、気の巡りは「肝」の働きによってスムーズに保たれています。
そのため、過剰なストレスなどで肝がダメージを受けると、
気の流れが悪くなり、血流も滞りがちになってしまいます。
この状態が長期化すると、「瘀血(おけつ)」を招いてしまうのです。
このタイプは高血圧が引き金で、脳梗塞を起こしてしまう心配もあります。
イライラやストレスをうまく発散して、気持ちを穏やかに保つよう心がけましょう。
*気になる症状
ストレスで痛みが出やすい(頭痛・胸痛など)
肩こり・精神不安・不眠
イライラ・憂鬱・胸部の不快感
喉の詰まり・口の苦味、乾き
ゲップが多い・ガスが溜まりやすい
*食養生
~ストレスを発散させ、肝を整える
酢・セロリ・菊花・ミント
ジャスミン・緑茶・そば・金針菜
香草類・羅布麻茶 など
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耳鳴り・難聴対策4(瘀血タイプ)
《慢性化に注意、瘀血(おけつ)タイプ》
*動脈硬化症、慢性頭痛などの人はこのタイプを参考に。
「血(けつ)」は全身を巡って栄養や潤いを届ける物質。
そのため、ドロドロ血や血管のつまりなどで
「瘀血(血行不良)」が発生すると、
耳にも十分な栄養が行き届かず、
耳鳴りなどの不調が起こりやすくなります。
このタイプは耳鳴りが慢性化して
聴力が落ちていることも多いので注意が必要。
瘀血の要因となる食生活の乱れ、身体の冷えなどを改善し、
血流をスムーズに保つよう心がけましょう。
*主な症状
耳の症状:慢性的な耳鳴り、聴力の低下、めまい
その他の症状:頭痛、胸痛、健忘、しびれ、顔色の黒ずみ、シミが多い
*食養生
~血管を健やかに保ち、サラサラ血流に
黒豆・なす・小豆・玉ねぎ・にんにく・紅花
わかめ・ひじき・サンザシ・酢・青魚 など
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アミロイド苔癬が漢方できれいに
アトピーや皮膚炎のある方で、手や足に黒くて硬いブツブツができて、
お医者さんに「アミロイド苔癬」と言われたことはありませんか?
アミロイドとは、ナイロンに似た繊維状の異常蛋白質のことで、アミロイド苔癬はそのアミロイドが手足や背中などに数mm程度の丘疹(ぶつぶつ)となって出来、かゆみがありザラザラしています。
原因は、掻き壊しなどの刺激が継続して起きたタンパク質変性による皮膚の変形です。
搔きむしることによって増え、主に手の届く範囲に多くできます。
実は、治療方法はこれこそ、漢方のお得意とするところなのです。
西洋医学では強力なステロイド軟こうか高額なデュピクセント注射が使われるそうです。
しかし、色素沈着は消えないそうです。また医師に一生治らない、と言われた患者さんもいます。
写真上:2019年4月1日
写真下:2020年3月3日
漢方ではこの黒い点は「瘀血(おけつ)」と言います。
瘀血とは血の流れが悪くなり滞っている状態です。
血の流れが悪くなる原因は体質と食事、寝るのが遅いことが大きく影響します。
アミロイド苔癬は主にアトピーや皮膚病の人が発症しやく、この人たちの体質は主に
「乾燥体質」や皮膚が赤く熱を持っている「血熱(けつねつ)体質」です。
長い間その状態が続くと、血は濃くなってドロドロしてきます。
そこを掻きむしるのでタンパク質が固くなるのではないか、と思われます。
瘀血を改善するのには食事と睡眠時間、漢方薬でできます。
漢方薬は瘀血をとり、かゆみをとる処方が有効です。
ただし症状はひどいので大量の生薬の入った煎じ薬なら効果が出ます。
漢方の効き目は分量に比例します。中国ではこのような症状の人には1日100gくらい使います。
日本ではそれほど多くは使いませんが、はじめはたくさん使ったほうが早く改善されます。
よくなったら減らしていけば最終的には無理のない金額で出来ます。
さらに、うれしい副効果があります。
瘀血をとる漢方薬は飲むことで全身に効きますので、
生理痛、子宮内膜症、冷え、シミ、頭痛、肩こりなどの瘀血による症状もよくなって喜ばれます。
舌の裏の静脈、舌下静脈も瘀血のある人は膨れてこぶのようなものが見えますが、次第に細くなっていきます。
通常は舌の半分くらいしか長さはなく細いです。
瘀血がとれるとアミロイド苔癬も消え、さらにお顔や全身の肌がきれいにあか抜けていくことが漢方ならではの素晴らしい効果です。
(写真:瘀血の人の舌下静脈)
早く改善するのには、まず掻かない工夫をしましょう。
かゆみはひどいときは難しいですが、夜は綿の包帯を全体に巻いて寝ると少しは良いです。
かゆみ止めを飲むのも良いです。ウエマツ薬局自家製剤GT軟膏もかゆみに良いです。
また同じくウエマツ薬局自家製剤紫雲膏も瘀血によい紫根と当帰が配合されているので良いです。
写真:紫雲膏(しうんこう)
夜11時に寝ていると、その時間は肝胆が働いて解毒をしてくれます。
そして「陰」と言って体に潤いを保ってくれる時間でもあります。
「寝るのも仕事」と朝からその時間に眠れるよう、一日のスケジュールを調節しておくと良いです。
仕事などで無理な方は眠れる時間に少しずつでも眠ると良いです。
食事は辛い物、揚げ物、お酒、たばこはやめましょう。
中国の皮膚科の名医はただ一言「美味しいものは全部だめ」とおっしゃいます。
何故でしょう?
おいしいものはカロリー(熱量)が多く、砂糖、油、添加物でおいしくしてあるからです。
やはり素朴な野菜、豆腐類、米類を中心に、食べすぎないよう気を付けていくと治りを早くします。
漢方3割養生7割と言います。
あなたに合った漢方薬を飲むためには直接漢方専門家に見てもらうことが大事です。
皮膚と舌をよく見てあなたに合った漢方薬を選ぶことができますから。
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瘀血(おけつ)が招く不調や病気
「瘀血(おけつ)」になるとどんな不調が起こるのでしょう?
※瘀血とは⇒瘀血って何?
肩こり、頭痛、生理痛、子宮筋腫、子宮内膜症
関節痛、物忘れ、シミ、顔色が悪い、高血圧
など思い当たりませんか?
瘀血がひどくなると、糖尿病、動脈硬化、不整脈や
心疾患、脳血管疾患などの重い病気につながることもあります。
症状の特徴は
痛み・しこり・黒ずみ(しみ)です。
改善法は次回お伝えしますね。
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かおりんの養生茶Labo2020その➁ 秋の養生茶編
薬剤師の飯沼です。
いつの間にか朝晩が涼しいと感じる日も多くなり、秋らしい気候になりましたね。
さて、今回は【かおりんの養生茶Labo2020その➁】、秋の養生茶編です。
昨年ウエマツ薬局で行われた、中医営養薬膳学講座で試飲していただいた
季節の養生茶の特徴と皆様の感想をご紹介したいと思います。
9月の養生茶 枇杷葉薄荷茶(びわようはっかちゃ)
まだ暑さが残る秋の前半にあわせて、
「すっきりうるおす秋のお茶」というテーマで作成しました。
蜜で炒めた枇杷葉に、爽やかな香りが特徴の薄荷を合わせた養生茶です。
中医学では蜜で炒めることを蜜炒といい、
肺を潤し、咳を鎮める作用が強くなると言われています。
養生茶として初めて試作し、採用した個人的にも思い入れの強いお茶で、
【スッキリして残暑によいです】と感想をいただいたファンが多い養生茶です。
10月の養生茶 玉竹菊花茶(ぎょくちくきくかちゃ)
だんだんと乾燥が気になる秋の後半に
「まったりうるおす秋のお茶」というテーマで作成しました。
肌の乾燥や口の渇きをうるおす玉竹に、
イライラや頭痛を落ち着け、
目の炎症をとる菊花を組み合わせた養生茶です。
おすすめはクコの実を浮かべてゆっくり楽しむ飲み方です。
菊の香りがほのかにして、さっぱりしたお茶に甘さも加わり、
しばらく置くとぷっくり膨らむクコの実もおいしいです。
クコの実も目に良いので秋の夜長の読書のおともにお勧めです。
ちなみに講座では茶剤が見えるようにガラスのポットで淹れていましたが、
朝忙しいときなどは、写真のようにパックを茶海(またはピッチャー)にいれ、
お湯を注いで蒸らすという、簡便な形で活用しています。
毎朝、季節やその時の体調に合わせて選ぶのも結構楽しいですよ。
写真:枇杷葉薄荷茶