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アトピーの赤みの原因と対処法
しばらく落ち着いていたアトピーが、突然真っ赤になった、
なんで? と絶望感を感じる方もいますよね。
そこで、その原因と対処法をお伝えします。
*中医学で考えるアトピーの赤みの原因
漢方(中医学)では、赤くなるのは「熱を持っている状態」と考えます。
体の中が熱くなるから皮膚も赤くなり、痒くなるのです。
熱くするもの
1. 食べ物
辛い物・脂っこい物・甘い物・食べ過ぎ
酒類・コーヒー・たばこ・添加物3. ストレス
4. 女性特有のもの…ホルモンや育児の関係
5. 季節の関係
アトピーはとても複雑な病気で、様々なことがアトピーの悪化に関係しています。。
*アトピーの赤みを抑える中医学的対処法
対策は、養生7割、薬3割といいます。自分で治す気構えが大事です。
前記の「体を熱くする食べ物」を出来るだけ食べないことです。
好みには「習慣」も関係します。少しずつ改善していくといいですね。
「アトピーが良くなり、カレーを3日間続けて食べたら、真っ赤になった。
でも熱をとる葉物野菜を3日間食べていたら良くなった」という方もいます。
食事の影響は大きいです。
私が中国の皮膚科の人間国宝 老中医(漢方医のこと)の下で研修をしていた時、
老中医からの食べ物に関する注意は一言だけ、「おいしいものは全部だめ」でした。
また、「身土不二(しんどふじ)」という言葉があります。
その土地の人間と風土は切っても切れない関係がある。
その土地でできたものを食べていれば健康な体を作ることができるという意味です。
和食が多かった昔から比べると、今は各国の洋食が増えました。
外国から来たおいしいものは、その土地の人の体質に合わず、
アレルギーを起こしやすいといわれています。
アトピーの赤みは体にこもった「熱」が原因です。
その原因が何かを考え、「熱」を作らない方法を心がけましょう。
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松居一代さんの息子のアトピーを治した、中国の漢方医の思い出 その1
松居一代さんの息子さんが、中国の漢方の先生に治してもらった
という話は有名ですが、私はその先生について
2年間本場中国の漢方の皮膚科を直接学びました。
その先生は北京中医薬大学付属病院の副院長で、
皮膚科医として有名な秦漢琨先生です。
ちょうどその頃、先生は北京中医薬大学日本校の設立準備のため、
日本にいらしていました。
中医学(漢方)を熱心に学んでいる薬剤師がいる、
ということで紹介されて埼玉県川越市にある私の店に指導にいらしてくださいました。
日本語が全くお出来にならないのに、おひとりで都内からいらして、
東上線の新河岸駅で私の名刺を通行人に見せて
道を尋ねていらっしゃるお姿が鮮明にまぶたに焼き付いています。
日本語は「かゆいい~?」と「お通じは~?」の二つだけ。
皮膚病と言うのは、皮膚を見ますから、
それだけで中医診断ができる、というわけです。
痒みはアトピーの特徴です。ニキビやほかの皮膚病と区別できます。
便通は中医学(漢方)では大事な体質のチェック法です。
便秘があれば体の中に「熱」がこもっています。
「熱」がこもっているので皮膚が赤く、乾燥するのです。
この「痒い」と便通が皮膚病の鑑別のポイントなのです。
秦先生は全身細かく見てくださり、言葉が通じなくても慈愛のこもった診察は、
その時診てもらった男性の患者さんが「あの先生元気?会いたいなあ」
と後あとまで、おっしゃるくらいでした。
皮膚の難病の尋常性乾癬や慢性じんましんなどが
みるみるうちによくなる姿を見て、私も中医学の皮膚科のすごさを感じました。
アトピーはさすがにすぐ、というわけにはいきませんでしたが
ステロイドの副作用と慢性で肌が赤く、てかてかしてかゆみの取れない人たちも
だんだん良くなり、その後20年後にお会いした方も、悪くなってはいない、と喜んでいました。
先生の処方の特徴は胃腸をいたわる処方で、
消化の漢方生薬をどの人にも使っていたのが印象に残っています。
皮膚病は食べ物が大事です、と同時にそれを消化して
血にして、丈夫な皮膚を作ることが大事なのです。
松居さんの息子さんは始め中国にいる漢方医に診てもらい、
その後その漢方医の大学の教官である秦 漢琨に診てもらいすっかりよくなったようです。
しかし秦先生は有名になってしまい、毎晩11時ころまで往診され体調を崩されました。
薬剤師 中国政府認定国際中医師 植松 光子 2014年1月23日