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自衛隊機イラン上空派遣の要請で痩せ衰えた自衛隊員
2003年イラク戦争中、フセイン大統領がイラン上空を飛ぶ飛行機を
無差別に攻撃する、と宣言したことがありました。
当時、200人くらいの在留邦人が命の危険にさらされ、
自衛隊機が救助に飛ぶことになりました。
その時、私の薬局の近所に住んでいた自衛隊員の話です。
真っ青な顔で痩せ衰え、ふらふらと店に入ってきたかと思うと、
またふらふらと出ていくのです。
以前の彼は明るく人懐こく、ダイエットしたい、
と漢方薬を飲んでいたことがあるくらい、よく太っていました。
その彼は、自分がその飛行機に乗るかもしれない、
自分の乗った飛行機が撃たれるかもしれない
と想像しただけで、食事がのどを通らなくなり、
眠れなくなり、体重が10kgも減ってしまった。
体も冷えて、寒くて仕方がない。
下痢も毎日して、しかも大腸から出血が始まり(下血)止まらない。
と言うのです。
その頃、昭和天皇が亡くなる前に下血が止まらず話題になったことがあります。
それくらい、体力が落ちた人に出る症状なのです。
太って明るく、元気だった彼の苦悩が思いやられました。
私は滅多に出さない漢方の処方の「黄土湯」を飲んでもらいましたら、
見事に効いて、下血がとまりました。
そして、自衛隊機も飛ばなくてもよくなり、彼も元気になりました。
当時の法律では飛ぶことが出来ず、結局自衛隊機は飛ばなくても、
無事安全に他の方法で、在留邦人も日本に帰国できました。
「集団的自衛権の行使を認めた閣議決定」により
武力行使ができるようになった現在、
だれでもが、このような心身のストレスにかかりうる、ということです。
あなたにも、あなたの子供にも起きるかもしれません。
今の日本人に、このようなストレスに対応できる心身の強さがあるでしょうか?
しかし、集団的自衛権が認められた以上、
多くの血が流されることを覚悟しなければなりません。
2014.7.8植松光子