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女性の抜け毛、薄毛、円形脱毛症の対策、3 ~中医学養生法~
前述のように髪のトラブルは体内の健康状態「気血」と密接な関係があります。
中でも「肝」と「腎」と関係します。
血液の貯蔵庫である「肝」が影響を受け、血液の不足や血行不良を招いて脱毛や薄毛になります。
また「髪は腎の華(はな)」ともいい、生命エネルギーの源である「腎」の「精」が充実していれば
つやつやした髪の毛でいられます。
20代から30代の女性の髪の毛はたっぷりとつやがあります。
しかし、加齢や体調不良があると髪の毛も元気がなくなります。
したがって体内の不調がないかチェックして、体質を整えるとつやつやして元気な髪の毛になります。
そのためには以下で述べる漢方薬や健康食品、食物をとり、円形脱毛症の項で述べた養生法をしましょう。
また亜鉛などの微量ミネラルも大事です。
* * *タイプ別養生法* * *
☆イライラは髪トラブルの元・・・「ストレスタイプ」
過度のストレスが「肝」を傷つけ、髪の栄養不足に
主な症状;脱毛、白髪、ストレス過多、憂鬱、イライラ、頭痛、生理痛、月経前症候群、胸、脇の張った痛み、舌の色が暗い。
過度なストレスが「肝」を傷つけ、髪の栄養不足になっています。
薬膳;セロリ、トマト、イカ、薄荷、菊の花(香菊花(しゃんきっか))、ジャスミン茶、ハマナスの花茶
☆脂っぽい頭皮が気になる「湿熱」タイプ
身体に溜まった汚れが脱毛や薄毛を引き起こす、
主な症状;脱毛、頭皮が脂っぽくかゆい、顔が赤い、口臭が強い、口が渇く、便秘、軟便や下痢、舌の色が赤い、舌のコケが厚い
薬膳;わかめ、昆布、ひじき、サンザシ、ハトムギ
☆細くつやのない髪に・・「気血不足」
「気」「血」の不足が、頭皮や、髪の元気を失う原因に。
主な症状;若白髪、脱毛、髪が細く弱い、髪が乾燥してつやがない、疲労感、息切れ、
食欲不振、動悸、不眠、不安、物忘れ、舌の色が淡い。
薬膳;なつめ、ホウレンソウ、卵、干しぶどう、にんじん、きくらげ
☆加齢による髪の衰え「肝・腎の弱り」タイプ
親子関係の「肝」と「腎」は一緒に補うと効果的
主な症状;脱毛、生え際の脱毛、髪のボリュームが少ない、髪のこしがない、白髪の慢性化、
ひざ腰の弱り、舌の色が淡い、舌のコケがすくない
薬膳;桑の実、松の実、ゴマ、黒豆、黒ゴマ、山芋、カシューナッツ
☆アトピー性皮膚炎に見られる「血熱」タイプ
既述のようにアトピーの人には多く円形脱毛が見られます。皮膚が赤く熱を持っているタイプです。
アトピーは免疫過剰で自分の皮膚を攻撃するので赤く腫れてくるのですが、同じように自分の髪の毛も攻撃し毛が抜けます。
薬膳;きゅうり、とまと、すいか、ハトムギ、菊の花(香菊花(しゃんきっか))など
あなたに合った漢方薬をお出し致します。ご相談、お待ちしております。
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女性の抜け毛、薄毛、円形脱毛症の対策・2
≪円形脱毛症≫
アメリカの「円形脱毛症患者の会」のパンフレットにはこう書いてあります。
「円形脱毛症は命にかかわる病気ではないが人生が変わってしまう病気である」と。
円形脱毛症が生じる原因について最近の研究で確定的になったのは、
自分の体の成分を「異物」と認識して攻撃して破壊してしまう「自己免疫疾患」です。
アトピー性皮膚炎の患者さんが円形脱毛症を発症しやすいことも以前から知られていました。
国立小児病院を受診した円形脱毛症の子供のうち56%がアトピー性皮膚炎にかかっていた、というレポートがあります。
*ステロイド治療
円形脱毛症がアトピーとおなじ自己免疫疾患なので初期や急性期はステロイドの軟膏や内服も効果があります。
ただし、これもアトピーと同じでステロイドをやめればまた脱毛が始まることもあります。
したがって次に述べるように体質をよくすることが再発予防になります。
*「気血」の巡りがよくなればストレス性の円形脱毛の90%は改善する
中医学では「髪は血の余り」と考えられています。
全身に栄養を送る血液が十分余ってめぐっていれば、髪の毛は元気です。
しかしお産や、栄養状態が悪かったり、過度のダイエットやストレスで「血」が余らなくなると
つやがなくなり、薄毛、脱毛の原因となる、と考えます。
特に円形脱毛は自己免疫疾患ですので、自律神経のバランスが崩れたときに発症しやすいのです。
交感神経が緊張して活性酸素を出して体の弱いところ、皮膚や毛髪を攻撃することから起きます。
では自律神経がバランスを崩すときはどんな時でしょう?
それはストレスがかかった時になりやすいのです。
円形脱毛の患者さんのそれまでの生活状態を聞きますと残業が続いたり、
転居、寝不足、家族の病気、試験勉強など精神的、肉体的なストレスがかかっていて、
あるとき、ふと発症するのです。
そのため脱毛症を予防するのには日ごろから規則正しい生活をすることです。
早く寝ること。昼は交感神経が緊張して活性酸素を多く出しています。
寝るとリラックス神経の副交感神経が働き「気血」の巡りをよくし、髪に栄養を与えます。
午後10時から11時には寝たいものです。
また、お酒の飲みすぎ、辛いもの、添加物の多いもの、たばこはやめましょう。
ニコチンは血管を収縮し髪に栄養が行かなくなります。
野菜、豆腐、納豆などを中心にした和食を朝からしっかりとりましょう。
円形脱毛には体質別の漢方薬や健康食品があります。
また鍼灸や漢方生薬の入った育毛剤、マッサージなどの併用で90%の方が改善されています。
ただし病気が原因の場合はその疾患を治療することが大事です・
注意:急激な脱毛、大量の脱毛の場合はすぐに専門医にかかりましょう。
***次回は、「薄毛、抜け毛の中医学養生法」です。***
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女性の抜け毛、薄毛、円形脱毛症の対策・1
これまで皮膚科学のなかで毛髪科学の研究は遅れをとっていました。
なぜなら抜け毛は命にかかわる病気ではなかったからです。
しかしいまや毛髪科学は皮膚科学の最先端を走っています。
この10年ほどの間に「なぜ髪の毛が抜けるのか」という謎が解き明かされ、円形脱毛症などのメカニズムがわかってきました。
薄毛、抜け毛を気にしている人で「自分を外見的に魅力的ではない」と感じている人は52%
「髪が完全に生えているときに比べて自信がなくなった」と言う人は40%というデータがあります。
多くの方が髪の毛で悩んでいることがわかります。
髪の毛の伸び
髪の毛は1日に0.3mmから0.4mmぐらい伸びていきます。
伸びる速度は頭頂部がもっとも速く、次いで側頭部というように部位によって違うため、
きれいに刈っても日がたつと不揃いになってくるのです。
個人差もありますが、平均して1か月で1cm前後、1年で12cm前後伸びる計算です。
様々な原因でヘアサイクルが乱れると成長期が短くなるため、髪の毛が十分に成長しません。
ヘアサイクルの仕組み
髪の毛は成長期、退行期、休止期、を繰り返します。
成長期とは毛細血管からとりいれた栄養をもとに毛球部で毛が製造されている状態。
およそ2年から6年で、通常は髪の毛全体の90%ぐらいが成長期の段階にあります。
毛母細胞の分裂が急激に衰えてくるのが退行期で期間はおよそ2週間。
つぎにやってくるのが休止期です。休止期には細胞分裂が止まり、毛の製造、伸びも完全にストップします。
休止期は三か月くらいつづきそのあとにまた成長期がきますが、この時に古い毛が抜けていきます。
このように成長期、退行期、休止期とつづく一連の流れがヘアサイクルです。
人は一生の間に15回くらいヘアサイクルを繰り返します。
一日では100本くらいの抜け毛は異常ではありません。
抜けた髪の毛と同じ数だけまた髪の毛は生えてきます。
年齢を重ねると退行期や休止期の毛が増えてきます。
また様々な原因でヘアサイクルが乱れると成長期が短くなるため、髪の毛が十分に成長しません。