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  • ある若い女性薬剤師の物語・5

    2014年2月7日

    これは彗星のように輝やきながら飛び去った彼女の人生の軌跡をたどる物語です。

    その5 結婚そして料理

     

    勉強と仕事に夢中の彼女に、周囲は結婚を心配し始めました。

    まず料理の勉強も、と言っても関心のない彼女は見向きもしません。

    やっと彼ができ、彼が出来たら料理の勉強を始めるかしら、

    と思っていたのに、やはりしません。

     

    結婚が決まったらさすがにするかしら、と思っていましたが、

    結婚式も決まったのにやる気もなさそうです。

     

    ある日曜日、漢方の勉強会と料理教室の日程が重なり、

    「どうしようかなあ」という彼女に家族は一斉に「料理教室!」と叫びました。

     

     

     

     

     

     

     

     

    今の人たちが結婚をしたがらない理由の一つに、

    家に帰ればいつでも料理が出来ている、という恵まれた環境があります。

     

    しかし結婚し、家庭と仕事を両立させるには、手早く料理ができなければなりません。

    その点を親は心配するのです。

    彼女は婚約をしたと思ったら、あっという間に29歳で結婚。

     

    そして楽しかったイタリアへの新婚旅行から新居に帰ってきて

    料理のない空っぽの冷蔵庫に現実に引き戻されたのでしょう。

    帰国のあいさつの電話で開口一番

     

    「おかあさーん、料理は作らなければ食べられないよね」

    この言葉には家じゅう笑ってしまいました(*^.^*)。

     

    それからは両家で料理作戦。

    連れ合いのお母さんからはレシピと材料が送られてくる。

    我が家でも夫が娘からの電話を受けて

    「拍子木切りって、おまえ、拍子木みたいに切るんだよ」などと教えている。

     

    毎日両家で「ちゃんと食べているだろうか」と心配しているうちに

    二人から両家に食事の招待。

    どんなものが出るだろうかと心配していたら、9品目の野菜たっぷりのおいしい料理。

     

    彼の食通のお父さんが「焼き豚は少し下味が足りないけど、合格」

    実は、彼が結婚してから料理が趣味になって

    休みの日はたっぷり作っておいてくれている、と言うことでした。

    やはり結婚はお互いに足りない面を補う、といいますがよく言ったものです。

     

    **次回は「その6、育児と仕事」です。**

  • 婚活妊活ビンボーは怖くない。その12

    2014年1月23日 , ,

    *夫の父も二男坊

    私がビンボー生活は当たり前、

    と思ったのは夫の父も影響しています。

     

    夫の父は栃木県の村長の二男。

    村長だった祖父は銅像もあるくらいですから、

    人望もあり、村に尽くした人だったでしょう。

     

    しかし義父は長男ではないので、家は継ぐことはできず、

    東京に出てきて早稲田実業学校に入り、そこの給仕をしながら苦学したそうです。

     

    沖電気工業に入社、そして結婚。

    4人の子供全員を、サラリーマンをしながら大学に行かせてくれました。

     

    ボーナスはすべて学費に回ってしまいました。

    夫の母は教育が大事、と一生懸命子供たちを教育し、よい学校にあげてくれました。

     

    結婚に関しても、のんびりしていた夫に、

    大事な娘さんを待たせては駄目だ、とお金がなくてしぶっていた夫の尻を叩き、

    結婚させてくれました。

     

    お金がないのは、よくわかっていて夫の母は

    「新婚旅行のお金あるの?」と心配してくれましたが、

    ないからといって親が出す事はありませんでした。

    当時はどこの親もそうだったと思います。

     

    最近の人は新婚旅行に行かない人もいます。

    私の経験では生活費を考えない内に行ってきた方がいいと思います。

    なんと言っても、人生で一番楽しい思い出が出来ますから(^-^)/

     

    写真『夫の両親と。娘たちはお揃いの洋服を着て。』

    義父は数年後、がんで亡くなる時も泰然自若としていて、

    不安な気持ちや苦しい様子を見せず、

    私は人が亡くなる時にこんなに静かな気持ちで亡くなることが出来るのか、と思いました。

     

    もう危ない、という知らせで、私の父が静岡から出てきて病室に見舞いに行った時にも

    「やあ!退院したら一緒にゴルフをやりましょう!」

    と言ったので、私の父はびっくりしていました。

     

    自分で勝手に退院計画を建て、

    「30日になったら退院だよ」などと言って楽しみにしているので

    家族は不思議がっていました。

     

    こんな誠実で、一生懸命家族のために働き、生きてきた義父を見ていて、

    私は彼も義父のように誠実な結婚生活を作っていくだろう、と思い、

    結婚してお金がない生活が続いても不安は全く感じませんでした。

    次回をお楽しみに!

     

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