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人は忘れる動物
「人は忘れる動物である」といいます。
我が家の夫はいつも「幸せだなぁ」と言っています。
しかし、今までの人生で何度もすっからかんになったことを
すっかり忘れているようです(いえ、まだ認知症ではありません)。
今コロナで大変な思いをしている方も多いことでしょう。
しかし、いつかそんな大変だったことが、
忘れるときが来るかもしれません。
(写真:散歩道で)
約30年前、夫が48歳の時に、突然会社を辞めました。
再就職した会社では給料を払いたくないので
追い出すために嫌がらせを受け、1年で辞めました。
それから私が行っていた漢方専門の学校、日本中医学院に入り
漢方の勉強を始め、中医学に夢中になり、人生がすっかり変わりました。
3年間学校に行っている間は無収入でした。
私は2人の子供の学費を稼ぐのに死に物狂いでした。
夫は卒業した日本中医学院の経営が危うくなったので、
新しく経営を任され、借金だらけの学校に私財をなげうち
経営再建に奔走し、立派に立て直しをしました。
もともと貯金はほとんどなかったので、さらになくなりましたが、
私は健康でさえいれば働けるから、と健康に気を付け働いてきました。
今、二人とも76歳で元気で働ける幸せを噛み締めています。
当時のことを話しましたら、夫は全く覚えていないのです。
人間はあまりに辛いと忘れてしまうという習性があるようです。
だから生きていけるのです。
今非常に困難な立場にある皆さん、健康でさえいれば
困難があっても切り抜けられます。
コロナウイルスにかからないよう、十分予防と健康に気を付けてお過ごしください。
新しい生活が広がることでしょう。
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「睡眠、舌診など総合的に判断する東洋医学」薬学部実習生感想文・55
ウエマツ薬局に実習に来られた、
薬学部5年生の感想文をご紹介します。
*漢方に今まで興味を持っていましたか?
いいえ。大学ではほとんど講義がなかったため
*実際に今回体験して感じたこと。
また、将来漢方の仕事をやってみたいと思いましたか?
東洋医学における「腎」はたんなる腎臓という意味だけでなく、
他の臓器との関連性をもっており、全体的に治療していく考え方が面白いと感じました。
問診時にも、例えば鼻水が主状だとしても、食事のバランスや睡眠の状況、
舌診等で確認し、総合的に判断し治療方針を決定しています。
問題点がピンポイントで分からない反面、
話をしながら症状を解決していく姿勢が参考になりました。
形は違えど、今回の実習で学んだことは今後の人生に役立つと考えています。
2020年3月31日 明治薬科大学薬学部薬学科 D.K
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スピードおかゆの作り方
胃腸の調子が気になる時、風邪気味の時
お粥は治す力を高めます。
新型肺炎が流行ってる今、免疫力を高めましょう。
ご飯いっぱいに水3杯を加えて、ミキサーで軽く混ぜます。
ご飯粒がまだ 残っているくらいで止めてから、
火にかけトロッとしたら、出しの素を振りかけて出来上がり。
中医営養学講座が、4月から開きます。楽しいですよ。
詳しくはこちら→
中医営養薬膳学講座のご案内
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季節の養生~冬の養生編~
薬剤師の飯沼です。
写真は私が休日に良く訪れる図書館の近くの公園です。
市街地の公園でも木々の紅葉や落ち葉で色づく季節になりましたね。
今回は冬の養生についてまた改めて書こうと思います。
冬の養生のポイントはなんといっても身体を冷やさないように
寒さから守ること!
中国の古典には
「夜は早く寝、朝は日が昇ってから起き、
心の落ち着きを保ち、衣類で保温を心がけて、
腎の機能を滋養していく。
これが良い冬の養生方法である。」
と記載があります。
寒さは寒邪といい、陽気を傷つけ気血の巡りをはばむため、
手足などの末端の冷えや、下半身の腰や膝の症状が出やすくなります。
丁度この前の漢方講演会でも、仝(トン)先生が「腎」は「冷え」が敵となるため
特に腰回りを温めるようにとお話されていました。
今は色々と素敵なデザインのハラマキもあるので
マフラーや手袋、帽子など共にお気に入りの防寒グッズを
そろえるのもいいですね。
また体の熱の多くは筋肉が生み出していると言われています。
室内でもできる柔軟体操や筋肉トレーニングをこの機会にじっくりと行って、
寒さに負けない体づくりに励んでみるのもおすすめです。
温かい様々なホットドリンクを楽しめるのもこの時期ならではですね。
ぜひ色々と工夫して楽しくこれからの寒い季節を乗り越えましょう。
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私にとって幻の味
人は美味しいものを一度味わうと忘れられないものです。
以前目黒の小料理屋さんでいただいた、お吸い物の味は忘れられません。
一口飲んだら「ガン❗️」と頭を叩かれたような気がしました。
鰹節の味はしません。
ただうまいと言うだけです。
私にとって幻の味です。
その味を再現したいといつも思っていました。
今日は私の公休日。
風邪引きの孫の大学生のためにその幻の昆布ダシを作ってみました。
水1リットルに日高昆布20センチを入れて沸騰したら、すぐに火を弱めて20分。
旨みの逃げない80度に保つ、と以前料理の先生に教わりましたが、
ガス火ではなかなか難しい温度です。
すぐに熱くなってしまいます。
家ではIHヒーターなので、その「とろ火」に設定すると、いい具合でした。
昆布を取り出し、そこにたっぷりの鰹節を入れて
また沸騰させてすぐ火を消し、出来上がり。
大量の昆布は柔らかいうちにすぐに1cm角に切って佃煮風に。
これもまたおいしい。
出来上がっただし汁は琥珀色に透き通ってきれいです。
早速かき玉汁を作り、生姜の絞り汁を入れて食卓へ。
大学生の孫が風邪をひいているので味がわかるかしら?と思いましたが
「うまいっ!」と、一言。
「昆布の味も鰹節の味もしなくて、うまみだけあるね」といっぱしのことをいいます。
その言葉を聞いて私は密かにほくそみました。
「幻の味が再現できた!」
最後までお読み下さいましてありがとうございます。