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「医食同源の考え方を今後も意識したい」薬学部実習生感想文・98
ウエマツ薬局に実習に来られた、薬学部5年生の感想文をご紹介します。
*漢方に今まで興味を持っていましたか?
はい。D.S.などで買える市販の医薬品(イブプロフェンなど)とは成分が全く異なるのに、
様々な疾患、悩みに対応できる漢方医薬品の詳細が気になるから。
大学にて履修した生薬学もとても楽しく学びました。
*実際に今回体験して感じたこと。
また、将来漢方の仕事をやってみたいと思いましたか?
〈1日目〉
体は気、血、津液で構成されていること、食べ物には、酸、苦、甘、辛、鹹という五味、
熱・温/平/寒・涼の五性があることなど学びました。
西洋医学とは異なった視点から医学が発達していること、
「口に入れるもの=体にとって何らかの作用があるもの(=薬になる)」
という考え方が新鮮で面白かったです。
対症療法ではなく、未然に病気にかかるのを防ぐ身体を作るという観念が
普段私たちが意識するべきであるが、漠然としていて取り組みにくかったものであり、
中医学の知識を取り入れることによってそれをしやすくしているのが、画期的で良いと思いました。
〈2日目〉
「医食同源」=病気を治療することと、良い食事をすることは健康を保つことにつながる、
同じ源である、という考え方を基本にした診療をたくさん見学させて頂きました。
患者がどんな家族構成で、どんな生活をしていて、今どのような悩みがあるのか、
個人個人の人生を聞きとり、身体の不調をどのように治療していくのか、
本人と相談しながら決定するのが、納得感も生まれるし、前向きに治療できるので良いなと感じました。
医食同源の考え方は健康に生きていくためにとても大切な考え方だと思ったので
今後の自分の生活もそれを意識しようと思います。
貴重な体験をさせて頂きました。本当にありがとうございました。
2024年10月18日 城西大学薬学部薬学科 K.K
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漢方と養生でアトピーの再発予防
日本薬剤師会学術大会が大宮スーパーアリーナとソニックシティで9月23日に行われました。
その際ウエマツ薬局植松光子も
「アトピー性皮膚炎の再発予防は漢方と養生で」をテーマに発表しました。
皮膚病治療で有名な中国雲南中医薬大学の調査によるとアトピー性皮膚炎の再発率は80%です。
ステロイド軟膏で抑えて、赤みが消えてもやめればまた赤くなり、ステロイド軟膏では治らない、ときっぱりとやめてしまって、ひどいリバウンドで苦しんでいる方が多くいらっしゃいます。
調剤薬局で研修している薬学生が
「アトピー性皮膚炎の患者さんが来なくなったのは治ったからだと思っていた」と言いました。
来なくなったのはもちろん治った方もいると思いますが、とステロイド軟膏では治らないから、と他の治療に走る人もいるのです。
アトピー難民ともいわれています。
ステロイド軟膏をやめても悪くならないためには、漢方と養生をステロイド軟膏と併用して皮膚を丈夫にしていけばいいのです。
ステロイド軟膏もそのうちに使わなくてもよくなっていきます。
先日も15年前に2回来店されただけで、アトピー性皮膚炎のため真っ赤だった顔が漢方できれいになり良くなり、それ以来一回も再発していない、という方が本当に久しぶりに来店されました。
「その時教えていただいた食事をずっと守ってきたので再発しなかったのでしょう。
本当に感謝しています」
と言われ、うれしく思いました。
ストレスがあっても悪化しない体質作りと食養生・寝る時間・皮膚症状にあった漢方薬で体調を整えていけば再発は防げると思っています。
大会に参加された多くの方が私の発表に興味を持ってくださいました。
私の考えが世に広く行き渡り、多くのアトピー性皮膚炎で苦しむかたの一助になればうれしいです。
このブログを読まれたかたも、このような方法があることをほかの方に教えてください。
中医学(現代中国漢方)では「皮膚は内臓の鏡」と言います。内臓の弱りが皮膚に出てくるのです。
体質を大きく分けますと
*イライラタイプ・・不眠・イライラしやすい → 結果:ストレス、環境の変化で悪化、再発しやすい
*胃腸タイプ・・下痢・便秘・胃弱 → 結果:皮膚が弱い・お菓子や酒で再発しやすい
このような体質を考慮しながら漢方薬を飲んでもらいますと20年、30年経っても再発しにくいのです。
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代表 植松捷之が世界中医学会連合会の世界大会で受賞しました
世界中医薬連合会の世界大会がこの度フィリピンで行われました。
その際、夫植松捷之が国際中医師試験の普及に功績があった、ということで受賞しました。
今までの苦労を傍で見ていた妻として、とてもうれしいことです。
コンピューターの総合商社を突然やめて、私と一緒に北京中医薬大学日本校(現日本中医学院)に入りました。
48歳の時です。
それ以来中医学にのめりこみ、夢中で勉強していました。
同窓会会長になったときにその学校の経営が不振となり、同窓生からどうしても継続してほしい、と頼まれ理事長になったのが苦労の始まり。
広告代も支払われていなかったので生徒募集の広告が出来ず、1年目の生徒たった8人のうち4人は私の知り合い。
しかしそれから20年、人間味あふれる講師陣に恵まれ、気功や薬膳、中医学の講座は充実しています。
通学とオンラインで中医学の学べる社会人学校は日本ではここ日本中医学院だけです。
学長は中国本校の前学長。北京中医薬大学本校で卒業研修が出来ます。
夫は中国からは絶大の信頼を得るようになりました。
「植松は悪いことのできない日本人だ」と。
人間国宝路 志正先生に私が北京でお会いした折
「自分の覚えている日本人は矢数先生と植松だ。よく中医学に貢献してくれている」
と98歳の老中医がおっしゃってくださったのには感激しました。
中医学に魅せられ、日本のために中医学の発展に貢献している姿には、自分の夫ながら尊敬しています。
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長年の功績が認められ、世界中医薬学会連合会皮膚科部門で表彰され、理事に再任しました
●私は、2019年に日本人女性薬剤師として初めて、世界中医薬学会連合会皮膚科部門で表彰され、理事に選ばれ、さらにこの度再任されました。
当日「アトピー性皮膚炎を再発させないために」の研究発表も致しました。
マイベストプロ 掲載コラムを参照してください。
コラム:アトピー性皮膚炎の痒みを取り、再発させないために現在中医学(中国医学のことでその一部を日本では漢方と言っています)は世界中に広まっています。
中医学を教える中医薬大学は欧米やアジアなど多くの国にあり、日本には20年の歴史のある「日本中医学院」があります。
●植松も30数年にわたり、毎年数回その中医薬大学の名医について勉強してきました。
中には漢方の人間国宝になられた方もいらっしゃいます。
北京中医学大学の内科、南京中医薬大学では婦人科、雲南中医薬大学では皮膚科など。
不妊症の神様と言われる南京中医薬大学の夏先生のところでは20年にわたり研修してきました。
先生は赤ちゃんができないと悩む患者さん全員に「心を静かに」におっしゃっていました。
●皮膚科では中国有数の雲南中医薬大学の附属病院の葉院長は、毎年研修に行く私のバイオレットヘアを覚えていてくださっています。
ある年の研修の時に、私は疲れて風邪気味となり、夜の歓迎会を失礼してホテルの部屋で休んでいました。
そうしましたら通訳の先生と一緒に熱いお粥をもってきてくださったのには飛び上がるほど驚き、感激しました。
多くの外国人研修生の一人である私に、です。
(写真:雲南中医薬大学附属病院にて)
そのお粥はまさに薬膳粥で、熱々の鶏肉のスープの出しが利いており、キノコ、鶏肉、ゆり根などが入っていて、それは美味しく、体と心が暖まりました。
そして、ゆっくり休めて、翌日からの研修には元気に出ることができました。
●このような長年の研修の結果、私なりの日本人に合った漢方薬を考え、多くの皮膚病の患者さんに成果を上げられるようになりました。
それが今回の世界中医薬連合学会連合会での理事任命につながったのではないか、と私なりに考えております。
●さらにうれしかったことはお客様からそのお祝いにと立派な蘭の花を贈って頂いたことです。
思いがけないことで、本当にうれしいことでした。
お客さまの辛い症状を治すことは仕事として当然のことです。
中医学では症状がどこから来ているか、全身の関係をよく観察し、季節との関係もよく見て、来店されるごとにきめ細かく処方を調節します。
その時は自分の持っているすべての力をフル回転します。
その結果よくなっていく姿を見ることは最大の喜びです。
そのように日々過ごしている自分にとって、このようにお客さまが私の受賞を我がことのように喜んでくださることは、何よりの励みとなります。
誠にありがとうございます。
国際中医師 薬剤師 植松光子