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アトピー性皮膚炎と中医学で考える五臓の関係
中医学では内臓を機能的に五臓六腑に分けて考えます。
五臓は、「肝」「心」「脾」「肺」「腎」で、それらがお互いに関連して
身体が維持されていると考えます。
中医学では人は小さな宇宙で、臓器、器官は繋がりあって生命を営むと考え、
身体全体をみて治療します。
便秘になるとニキビができたりします。
体に熱がこもると皮膚も赤くなる。
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熱がこもると腸は乾燥し、便は固くなり、便秘になる。
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便秘になると腸内に毒素が増える。
腸には免疫細胞の約70%がいると言われ、
便秘になると免疫力が落ちる。
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アトピーも悪化し、皮膚も赤くなる。
このような時にこもった熱をとる漢方薬を飲むと
皮膚の赤みも薄くなり、便秘も治り、皮膚のつやもよくなります。
漢方的な視点で患者さんを木に例えると、
木の幹は栄養の通り道で「肝」と関係します。まず、血流をきれいにすることが大切。
木の葉まで、水分が届かないと葉が枯れてしまうように、
血が汚れると隅々の細胞まで酸素が行き渡らず、新陳代謝が低下します。
そして、木を丈夫にするために必要なのは強い根です。
根は土から栄養を吸収するので五臓でいえば「脾=胃腸」です。
根を養うのは土で、良質の土が元気な木を育てます。
人間も同じで良い食べ物をとれば、丈夫な身体を作ることができます。
丈夫な皮膚作りには「脾」に入る食べ物が一番のポイントです。
「医食同源」「薬食同源」という言葉がありますが、病気を治すのも食事を
するのも生命を養い健康を保つためのもので、その本質は同じです。
バランスのよい食事を適量摂ることが、丈夫な皮膚作りには大切です。
体に良い食べ物、例えば日本に昔からある和食、特に野菜を毎食しっかり摂るといいですよ。
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中医学で考えるアトピー性皮膚炎の原因「熱」とは?
アトピー性皮膚炎の患者さんの体質は?
アトピー性皮膚炎は現代の難病と言われ、多くの方が夜も眠れないほど苦しんでいます。
「アトピー性皮膚炎とは、よくなったり、悪くなったりを繰り返しながら、
慢性に経過し、身体のあちこちに痒みを伴った湿疹が出る病気」です。
日本人の3人に1人はアトピー性皮膚炎にかかりやすい体質を持っています。
この体質は、遺伝によるものなので、家族は同じ遺伝因子を持つことになります。
アトピー性皮膚炎は、環境・遺伝・食べ物・体質・自律神経のアンバランスなどが
複雑にからみあって作られた病気と言えるでしょう。
しかし、まだ原因はよくわかっていません。
その中でも、アトピー性皮膚炎の患者さんの多くは、免疫異常を起こしやすい
体質を持っています。免疫異常とはある物質に対して、免疫細胞が反応して、
敵ではないのに身体が「敵だ!」と感知して免疫過剰の症状が出ることです。
花粉症の場合は、花粉症でない人なら何も感じない花粉を花粉症の人は免疫細胞が
「敵だ!」とキャッチして、くしゃみや大量の鼻水で追い出そうとするのです。
アトピー性皮膚炎の方の親には、花粉症の方が多くみられます。
やはりアレルギー体質が遺伝するということがわかります。
アトピー性皮膚炎の人は、原因となるものに対して免疫過剰反応を起こし、皮膚炎が悪化するのです。
中医学の考えでいう「熱」を持っていませんか?
身体にこもった熱が血を熱くし、身体の表面にまで熱症状が出て赤くなることを
「熱」と言います。免疫過剰の反応のひとつは、中医学の考えでいうと「熱」に
関係があります。その「熱」の原因になるものについては前回お話ししました。
中医皮膚科でいう「熱」とは主に血の熱「血熱(けつねつ)」や
汚い水がたまった「湿熱(しつねつ)」などがあります。
風邪をひいて微熱なら熱っぽいだけで顔は赤くなることは少ないですが、
40度の高熱なら顔は赤くなります。アトピー性皮膚炎で皮膚が赤いということは、
いかに身体の中に「血熱」がこもっているかお分かりになるでしょう。
漢方薬は内科などで処方される薬に比べて、たくさんの量を飲まないと
効果が出にくいものです。よくなってきて、赤みが治まってきたら量を減らし、
徐々に体質改善の処方に変えていくと肌は潤い艶やかになります。
皆さん、どの方もとてもきれいになり、びっくりさせられます。
それがアトピー漢方相談の一番の喜びです。
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アトピーの赤みの原因と対処法
しばらく落ち着いていたアトピーが、突然真っ赤になった、
なんで? と絶望感を感じる方もいますよね。
そこで、その原因と対処法をお伝えします。
*中医学で考えるアトピーの赤みの原因
漢方(中医学)では、赤くなるのは「熱を持っている状態」と考えます。
体の中が熱くなるから皮膚も赤くなり、痒くなるのです。
熱くするもの
1. 食べ物
辛い物・脂っこい物・甘い物・食べ過ぎ
酒類・コーヒー・たばこ・添加物3. ストレス
4. 女性特有のもの…ホルモンや育児の関係
5. 季節の関係
アトピーはとても複雑な病気で、様々なことがアトピーの悪化に関係しています。。
*アトピーの赤みを抑える中医学的対処法
対策は、養生7割、薬3割といいます。自分で治す気構えが大事です。
前記の「体を熱くする食べ物」を出来るだけ食べないことです。
好みには「習慣」も関係します。少しずつ改善していくといいですね。
「アトピーが良くなり、カレーを3日間続けて食べたら、真っ赤になった。
でも熱をとる葉物野菜を3日間食べていたら良くなった」という方もいます。
食事の影響は大きいです。
私が中国の皮膚科の人間国宝 老中医(漢方医のこと)の下で研修をしていた時、
老中医からの食べ物に関する注意は一言だけ、「おいしいものは全部だめ」でした。
また、「身土不二(しんどふじ)」という言葉があります。
その土地の人間と風土は切っても切れない関係がある。
その土地でできたものを食べていれば健康な体を作ることができるという意味です。
和食が多かった昔から比べると、今は各国の洋食が増えました。
外国から来たおいしいものは、その土地の人の体質に合わず、
アレルギーを起こしやすいといわれています。
アトピーの赤みは体にこもった「熱」が原因です。
その原因が何かを考え、「熱」を作らない方法を心がけましょう。
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薬膳スイーツのサービスも再開
漢方薬膳サロン ウエマツ薬局 代表植松光子です。
コロナウイルスの嵐もどうにか静かになり、今までお休みしていた、薬膳スイーツの
サービスも再開しました。
漢方薬を準備している間に二階のサロンで、薬膳茶と一緒に召し上がっていただきます。
サービスですのでほんの一口ですが、皆さんホッとされるらしく、とても喜んでくださいます。
昔植松が、中国成都の千年の歴史のある同仁堂薬局(薬膳発祥の地)で薬膳を学び、
衝撃を受けて日本へ帰ってきました。
それ以来薬膳にのめりこみ、料理は下手なのに、ちょこちょこ作り始めたのがきっかけです。
代々の栄養士さんや今いる大山たちと作ったメニューはなんと300種類以上になりました。
特に大山は「中医食養学会」に行って学び、メニューをよく考えて作ってくれます。
その中で人気投票をして選ばれた40種類のスイーツをのせたスイーツ本も出版しました。
一日にその40種類のスイーツを作り、プロの写真家に撮影してもらいました。
間違えそうで目が回りそうでした。
料理家の服部幸應先生が絶賛してくださった本がその「どうせ食べるなら美のもと薬膳スイーツ」です。
今は本の中のニキビやアトピー、美肌によい「緑豆ぜんざい」を作ってお出ししています。
緑豆は解毒作用と便通をよくする働きがあります。本も緑豆も「Amazon本」やウエマツ薬局で購入できます。
是非ウエマツ薬局にお出かけください。お待ちしています。
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死者の日をご存じですか?
こんにちは。ウエマツ薬局の長山亜耶です。
朝晩が寒くなってきて、毎朝布団から出るのに気合が必要になってきました(+_+)
先日、ディズニー大好きな娘と『リメンバー・ミー』という映画を観ました。
メキシコに伝わる “死者の日” をテーマにした家族愛の物語です。
お話の内容も好きなのですが、個人的にはとても映像が綺麗なので飽きずに何度も見ています。
調べてみると “死者の日” は、11月のメキシコの代表的なお祭りであり、
世界中でツアーも組まれているそう。
ブログのネタとして、時期的にぴったり!
そんなわけで今回はメキシコの “死者の日” について少しお話してみようと思います(^^♪
そもそも日本では聞きなれないですよね。
“死者の日”……?ナニソレ?と思う方もいらっしゃるのでは?(゜゜)
調べてみると、毎年10月31日から11月2日までの3日間、亡くなった人たちの魂が
戻ってくるという信仰に基づいて行われるメキシコのイベントで、日本のお盆と同じ感覚だそう。
しかし日本とは対照的に、カラフルな装飾でド派手に街を彩るのがメキシコ流。
死者に想いをよせつつも、とにかく明るく祝おうという考え方のようです。
いかにもラテンですよね(笑)
街中のお店では、非常に色とりどりなお供え物が売られており、
オフレンダと呼ばれる祭壇をおいしい食べ物や花飾りで装飾し、
賑やかな音楽を流して故人の魂を歓迎します。
そうすることで亡くなった故人の魂が立ち寄り、死者の日のお祭りに
人間も参加できると信じられているそうです。
メキシコでは、『死があるからこそ生があり、悔いなくハッピーに今を生きる』
という考え方が深く根付いているからこそ、「死」に対して楽観的でいられるのでしょうね!(^^)!
日本人も大いに参考にしたい考え方であり、何かとても深いなぁと思います。
映画にも出てきますが、この時期になるとマリーゴールドの花が沢山見られます。
昔から「死者の世界より、死者を祭壇まで呼んでくれる」という言い伝えがあり、
“死者の日”を象徴する花のため街の至る場所がオレンジに染まり、街中いい香りで包まれます。
日本では仏壇やお墓を飾りお盆を迎えよう!と考える人はそうそういないでしょうから、
さすが地球の裏側、文化が違うなぁ・・・・・・と画像を見ているだけで
海外旅行に行きたい欲が増しました(笑)
話は変わりますが、薬膳ではマリーゴールドは出てきませんが、
ハーブとしてマリーゴールドは使用されています。
歴史は古く、古代エジプトでは若返りの妙薬とされており、止血剤や傷の治療薬に利用したり、
サフランの代用品として料理の着色に用いられたりもしました。
今ではハーブティーとして、広く親しまれているようです。
とくにマリーゴールドにはルテインという成分が多く含まれ、それを摂取することにより、
視力低下や緑内障・加齢黄斑変性症といった目の疾患の予防に役立つと言われています。
好きな映画を調べていたら、メキシコのお祭り事情やマリーゴールドの
マメ知識まで知ることが出来ました。
早くコロナが終息して、気軽に海外に行けるような世の中になりますように・・・・・・!