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更年期に良い食べ物と漢方
更年期に出やすい症状は精神的症状です。
肝が高ぶる、という言葉に表されるように「肝」と関係があり、イライラ、のぼせやすい、ドキドキするなどです。
更年期を上手に乗り切るためには「肝」の働きを調節する漢方や食べ物が大事です。
さらに「心」は血流を良くし、睡眠をよくする働きがあるので、「心」の働きが落ちると、不眠や目が覚めやすい、記憶力が落ちる、憂うつなどの症状が関係します。
また「腎」も関係してきます。「腎精」と言ってホルモン系や足腰の骨、脳の働きなど老化と関係のある臓器です。
以上「肝・心・腎」の働きが少しずつ衰えてきて、個人差がありますが様々な症状が出て来るのです。
そんな時期に手助けしてくれるのがナツメ・スッポン・蓮の実などです。
●心の症状を安定させるものは精白していない小麦・ゆり根・蓮の実(蓮子)があり、漢方生薬として用いられ効果が出ています。
●例えば、甘麦大棗湯には蜂蜜で炒めた甘草・小麦・ナツメが配合されています。
とても甘くて、飲むとホッと心が落ち着きます。とくに煎じ薬はおいしいです。
夜泣きの赤ちゃんや子育てに疲れたお母さんが二人で飲んで良くなった例もあります。
甘いものは心を緩やかにする働きがありますものね。
●小麦は精白していないものが漢方生薬として用いられるのは驚きです。
こんな物にも心を落ち着かせる働きがあるのです。
ですからパンを買うときには精製してないパンを買いたいですね。
●慢性の膀胱炎に用いる清心連子飲の蓮子は蓮の実です。甘納豆になっています。
●ナツメは鉄分と葉酸が多く、不眠やイライラにもよく、女性や妊娠希望の方、妊産婦の方の必需品です。
甘くておいしい蜜棗や砂糖を使っていない「健康なつめ」がウエマツ薬局オンラインショップや店内で売られています。
効果を出すには毎日とることがポイントです。
お米と一緒に炊き込むと美味しく簡単です。
作り方:お米を研いで1合につき3個くらいポンポンと入れて塩、酒不要、普通に炊く。
お茶碗一杯につき1個くらい入り、ご飯の艶が良くなり、香りもよく家族皆さんで食べられます。
飽きないので植松は毎日ずっと頂いています。
●ゆり根はユリ科のユリの球根の鱗茎です。お正月に出てきますね。
甘くてほっこりしています。きんとんにしたり甘く煮てそのまま、おせち料理に出したりします。
●ゆり根は潤す働きと心を落ち着かせる働きがあるので、乾燥肌の赤ちゃんにお茶として飲ませていくと喜んで飲んで半年くらいでしっとりしてきます。
かゆみによるイライラにも良いのでしょう。(写真は我が家のカサブランカ)
●「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という言葉は美人のことを形容しているといわれています。
これらすべては女性に使われる漢方生薬です。
生理痛や子宮筋腫、子宮内膜症やヒステリーなどに使います。
ですから私は密かに女性を美しくする三種の神器と思っています。
文責:植松光子 薬剤師 中国政府認定国際中医師
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本物の漢方医は優しい
中国の漢方医は偉くなればなるほど優しい、というのが長年接してきた私の感想です。
50代くらいのバリバリの医師たちは日本と変わりませんが、名医、人間国宝と言われる方ほど優しく、患者さんに慕われるようです。
私は20年来お父様を人間国宝に持つ、路京華先生に師事しています。
中国北京の路先生のクリニックに研修に行った時のことです。
5歳くらいの女の子が診察室で突然スカートの端をもって踊り始めたのです。
先生にお会いしてうれしい!というのです。
長くアレルギーで通ってきているとのことです。
先生が「あなたは将来何になりたいの?」と聞きましたら、なんと
「漢方医になりたいの」とかわいい声で返事をするではありませんか。
日本からの研修生も一同びっくりしてしまいました。
なんと賢い子でしょう。
きっと今まで路京華先生の診察を受けていて子供心に感じることがあったのでしょう。
中国では名医と言われる方ほど優しく威張らないような印象を私は受けます。また長生きされます。
この路京華先生のお父様、路志正先生は現在102歳。現役で診療をされています。
夜は漢方の古典を今も勉強されているそうです。4年前は万里の長城に登られています。
(写真:漢方の人間国宝 路志正先生と。先生の書)
ご一緒に会食をしましたが、しっかりと召し上がり、感心したことは六分目くらい召し上がったところでそれ以上は勧められても絶対に召し上がらないことでした。
円卓の中華料理ですから、周りがいろいろお勧めするのですが、お箸をお付けになりませんでした。
しっかりと食事の節制を守られているお姿に感銘しました。
漢方の基本は養生です。
文化大革命で辛い思いをされたようですが、養生を守って長生きされているお姿に漢方の真髄を見る気がします。
文責:植松光子 薬剤師 中国政府認定国際中医師
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50歳から”きれい”と元気を保つ漢方
1:閉経を漢方的に考えると・・・
そろそろ閉経という場合、一般的には生理の量は減ってきます。
生理の周期が短くなる方も多いようです。
女性に大事なのは「肝」と「血」です。
「肝」は血を貯蔵し、気血の流れを調節します。
「血」は心身に栄養と潤いを与え、「精」すなわちホルモンを運び整えます。
女性の体は7年で変化します。
2000年前の漢方の養生書の黄帝内経(こうていだいけい)には7×7 49歳で閉経が近づき終わり、と書いてあります。
2000年前はそこで人生は終わったのです。
鮭が卵を産み終えたら命が尽きるように、女性も寿命が終わったのです。
怒らないでくださいね。
でも現代はそこから新しい人生が始まるのです。
2:生理がなくなるとは・・・
生理がなくなる、ということは女性ホルモンがほとんど尽きたということです。
閉経して3年後の日本人女性のコレステロール値は、統計によると平均22上がるそうです。
高血圧、高コレステロール血症、糖尿病などの生活習慣病は40代の男性には見られますが、女性にはほとんど見られないのは女性ホルモンが健康を守ってくれているからです。
閉経すると、そういった女性ホルモンが守ってくれなくなります。
3:閉経後に出やすい症状
女性の美しさ、健康を守ってくれる女性ホルモンが減ると
美容:しわ、しみ、抜け毛、髪の毛の乾燥など
健康:疲れ、めまい、頭痛、肩こり、膝や腰の痛み、血圧の上昇など
心:くよくよする、眠れない、早く眼が覚める
自律神経:カーっとのぼせる、ひえのぼせ、汗が多くハンカチが手放せない、夏でも足首が冷える、便秘と下痢の繰り返しなど
運動機能:膝・腰の痛みなど
眼・耳・鼻・口:目が疲れる、目が乾く、耳鳴り、舌が痛む・
など、あげればきりがありません。
4:未病は漢方と養生で治そう
このように病気まで行かなくても体調がすぐれない状態を漢方、中医学では未病(みびょう)と言います。
しかし、この段階で食養生をして、早く寝て、漢方薬のお茶や漢方薬を飲めば元の健康な体に戻る可能性があります。
漢方薬はこの段階が良く効き目を発するので漢方の専門家に相談されると人生が明るくなります。
以上、述べましたようにプチ更年期の40歳ごろから始まった体調の変化は、50歳を過ぎますとさらに症状が強くなり、がっかりするかもしれません。
5:元気で楽しい50代
しかし実際は、50代は生理がなくなると出血によるエネルギーの損失や煩わしさから解放され、気分的にはのびのびとした年代です。
体力はまだあり、肌や髪の毛もつやがある。
子供たちは成長し、自分の時間を取れるようになってきた。
夫は仕事が充実している。両親はまだ元気。
女性自身の自分の仕事は長年のキャリアが行かせて充実している。
貯金も貯まってきた。など、良いこともあるのではないかしら?
新しい趣味を探すのもいいですね。
体調を整えて十分毎日を楽しみましょう。
文責:植松光子 薬剤師 中国政府認定国際中医師(日本人女性で初めて)
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膀胱炎と漢方
膀胱炎がよく起きるのは、冬寒い時と梅雨時です。
冷えると抵抗力が落ち、体についている弱い菌がモゾモゾと動き始め、頻尿や排尿痛、血尿、残尿感など不快な症状が起きます。
以前は予防として「清潔にしましょう」とよく言われました。
失礼だと思いませんか? 昔と違って今は清潔すぎるくらいです。
さすがに今は言われなくなりました。
冷えて抵抗力が弱くなったか、あるいは冷えだけではありません。
肉体的、精神的な疲れからも起きます。
中医学では心と膀胱は関係があるといいます。
緊張するとトイレが近くなりますよね。
治し方は血尿が出ているときは止血作用のある阿膠(ロバの皮・コラーゲンが多い)が入っている猪苓湯。
痛みがあるときは五淋散や竜胆瀉肝湯。
検査して菌がいないのに膀胱炎の症状が続く人で舌が乾燥して赤い人がいます。
不眠や考え過ぎで「心の火」が燃えて水分を消耗して粘膜が乾燥し、痛みを起こしている場合があります。
このような時、抗生物質は使わないで心の火を冷ましてくれる「清心連子飲」が喜ばれます。
膀胱炎を繰り返す慢性の人の中には、このようなタイプの方が多いです。
とくに高齢の女性に多いです。
長年再発を繰り返し、苦しんだ方が、抵抗力をつける漢方薬で次第に回数が減り、すっかり治った例もあります。
このような人には蓮の実、ササのエキス(笹の葉の芯は心に通じるからです)きのこ、蓮根が良いです。
写真:正常な舌。
写真:乾燥した舌
文責:植松光子 薬剤師 中国政府認定国際中医師
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更年期を元気に過ごす漢方の知恵
女性の体は7の倍数で変化をします。
7×6=42歳ごろからそろそろ更年期の症状が出てきます。
生理は早くなったり、遅くなったり。
皺が出始め、髪の毛も抜けやすくなり、艶が減り、乾燥してきます。
腰痛が起きたりもします。
更年期症候群で多いのは自律神経のアンバランス
鬱になりやすい・頭痛・肩こり・寝つきが悪い・のぼせ・冷えのぼせ・ドキドキするなど今までなかった症状が出てきます。
半面これらの症状が全く出なかった人もいます。
一概には言えませんが、熱中する仕事や趣味がある人にそういう傾向があるようです。
更年期に関係のある五臓
肝腎かなめという言葉があります。
「肝」「腎」が大事なのです。中医学で言う「肝」とは二つ働きがあります。
一つは「血」の貯蔵庫、もう一つは「気」や「血」の流れをよくすることです。
ところが更年期になり、「肝」の血が少なくなると、気の流れも悪くなり滞るので上記の症状が出てくるのです。
更年期をうまく切り抜けるのには「肝」の働きを助けることが大事です。
普段から「血」を補う婦宝当帰膠(※)などをしっかり飲んでいくとよいでしょう。
植松光子 記
※婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)
トウキをはじめ、センキュウ、オウギなどを加えた処方でこれら9種類の生薬を原料とするシロップ剤です。
効能・効果
更年期障害による下記疾患:冷え症、貧血、生理不順、生理痛、腹痛、腰痛、肩こり、頭痛、めまい、のぼせ、耳鳴り
(こちらの商品はインターネット等による通信販売はしておりませんのでご了承ください。)
文責:植松光子 薬剤師 中国政府認定国際中医師(日本人女性で初めて)
世界中医薬連合会皮膚科理事(日本人薬剤師で初めて)