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貧血・2 体内の栄養不足
豊富な栄養素を持つ「血(けつ)」は、全身を巡って
臓器や細胞に栄養を届けています。
中医学では、これを血の「栄養機能」といいますが、
血が不足してこの働きが低下すると、
臓器や細胞に栄養が届かず、
疲労や立ちくらみ、動悸、息切れなどの症状が現れます。
また、血には身体を温める働きもあるため、
冷えを感じることも。
緑黄色野菜や黒色の食材を積極的に摂って、
足りない血を補いましょう。
*気になる症状
顔色が白い、めまい、立ちくらみ、疲れやすい、息切れ、動悸、
記憶力の低下、月経不順、月経量が少なく色が薄い、
脱毛、若白髪、冷え性、舌の色が淡い
*食養生
なつめ、クコの実、落花生(薄皮も一緒に)、にんじん、ほうれん草、
黒ごま、黒砂糖、レバー、鶏肉、豚肉、鮭、ぶどう、大豆、きなこ
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貧血・1 めまい、たちくらみ、疲労感
貧血は、10人に1人はいるといわれるほど身近な症状です。
あなたも立ちくらみやめまいなどを経験したことがあるのではないでしょうか?
貧血は、軽い場合でもさまざまな臓器に影響することがあります。
一般的な貧血は鉄分の不足による鉄欠乏症貧血で、
疲れやすい、めまいや立ちくらみがする、
少し動いただけでも息切れする、といった症状がみられます。
中医学では、このような状態を、
「血」が不足して全身に十分行き渡らなくなる状態、
「血虚(けっきょ)」と考えます。
血は、身体を巡って栄養・潤い・酸素などを届ける、
身体を温める、精神を安定させる、といった働きしています。
そのため、血が不足すると全身の臓器や細胞に影響し、
疲労やめまい、息切れ、冷えといったさまざまな症状が現れるのです。
貧血と血虚は一見同じような症状ですが、
中医学では検査の数値ではなく、
症状や身体の状態から判断することが特徴です。
そのため、たとえ検査値が正常でも、顔や唇の血色が悪い、
皮膚が乾燥している、髪のツヤがない、精神の不安定、
といった症状があれば、血虚の状態と考えます。
現代女性は、血虚の状態が多く当てはまると言われています。
特に重い症状でなくても、血虚の状態は
月経痛や脱毛、肌の乾燥などのトラブルにつながります。
早めに対処するよう心がけましょう。
中医学には「女子は血を以(もっ)て本となす」という言葉があるほど、
女性にとって「血(けつ)」は大切なものです。
毎日の食事は、貧血予防の大切なポイントです。
自分にあった食養生で血不足の改善をしましょう。
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「根本から治す、未病など、おもしろい」薬学部実習生感想文・80
ウエマツ薬局に実習に来られた、薬学部5年生の感想文をご紹介します。
*漢方に今まで興味を持っていましたか?
はい。証などの考え方がおもしろいと思ったため。
*実際に今回体験して感じたこと。
また、将来漢方の仕事をやってみたいと思いましたか?
西洋医学のように、ピンポイントを決めて治す治療とは違って、
中医学の全体のバランスや体質にはたらきかけて根本から治す治療法がおもしろいと感じました。
また、未病の時点から介入できるという点もおもしろいと感じました。
滋陰降火湯など、まだまだ知らなかった漢方に触れ、もっと勉強をしようと思いました。
今回実習をして、将来、漢方のお仕事をすることに興味が湧きました。
様々な知識を身に付けて適切に漢方を扱える薬剤師になりたいと思いました。
2023年4月4日 明治薬科大学薬学部薬学科 H.N
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ストレス対策3 気虚(ききょ):倦怠感、冷え
体内の「気」は、心身の元気を保つエネルギー源。
“臓器の働きをサポートする”、“身体を温める”、
“病気を防ぐ”といった役割があり、気力や精神力の源でもあります。
そのため、食事の不摂生や病気の消耗、胃腸不調などが原因で
体内の気が不足すると、心身ともに元気のない状態に。
結果、ストレスへの対応力も弱くなり、ダメージを受けやすくなってしまうのです。
気は胃腸が消化吸収する栄養から生み出されるため、
気になる症状がある人は、まず胃腸の働きを良くする心がけを。
しっかり食事を摂って気を十分に養い、ストレスに負けない、
元気な身体をつくりましょう。
*気になる症状
気力がない、倦怠感が強い、元気がない、ストレスに弱い、
息切れ、疲れやすい、食欲不振、冷え性、朝が起きにくい、
朝からだるい、声が弱い、舌の色が淡く肥大気味
*食養生
豆腐、湯葉などの大豆製品、米、小麦、いんげん豆、
豚肉、牛肉、羊肉、かぼちゃ、じゃがいも、
山芋、くるみ、栗 など
*暮らしの養生
・“春は早起き”が基本。遅く寝た翌日も、朝は早起きを心がけましょう。
・散歩に出かけるなど適度な運動を。太陽の光を浴びましょう。
・深い深呼吸をしましょう。イライラを鎮める効果があります。
・ジャスミンティーや菊花茶で気持ちをリラックスさせましょう。
・良質な睡眠をとりましょう。
・身体の疲労もストレスの大敵。ゆとりを持って過ごすよう心がけて。
・ “笑う”ことを意識して。楽しいおしゃべりもストレス発散につながります。
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ストレス対策2 気滞(きたい):イライラ、胃痛
「肝」はストレスをコントロールする反面、ストレスのダメージを受けやすい臓器です。
過剰なストレスを受けるとその機能が低下し、「気」の巡りが悪くなってしまいます。
体内の「気」(エネルギー)は、滞りなく動いて全身を巡っていることが大切です。
そのため、気の流れが停滞すると、イライラや憂うつ、
胃痛、胃もたれといった心身のさまざまな不調につながるのです。
このタイプは、体調や情緒が安定していないと、
ストレスの影響を強く受けてしまうことが特徴。
香りの良いお茶でリラックスしたり、身体を動かしたり、
ストレスをこまめに発散するよう心がけましょう。
*気になる症状
憂うつ、イライラ、怒りっぽい、情緒不安定、
情緒の状態によってストレスの影響が強くなる、
胸が重い、胃もたれ、胃痛、排便不調(下痢や便秘)、
月経不順、月経前の精神症状が重い
*食養生
香りの良いお茶や苦みのある食材を:
陳皮(乾燥したみかんの皮)、ハマナスの花、
菊花、カモミール、ジャスミン、ミント、春菊、せり、
竹の子、たらの芽、クレソン、ウコン など
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