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膀胱炎と漢方
膀胱炎がよく起きるのは、冬寒い時と梅雨時です。
冷えると抵抗力が落ち、体についている弱い菌がモゾモゾと動き始め、頻尿や排尿痛、血尿、残尿感など不快な症状が起きます。
以前は予防として「清潔にしましょう」とよく言われました。
失礼だと思いませんか? 昔と違って今は清潔すぎるくらいです。
さすがに今は言われなくなりました。
冷えて抵抗力が弱くなったか、あるいは冷えだけではありません。
肉体的、精神的な疲れからも起きます。
中医学では心と膀胱は関係があるといいます。
緊張するとトイレが近くなりますよね。
治し方は血尿が出ているときは止血作用のある阿膠(ロバの皮・コラーゲンが多い)が入っている猪苓湯。
痛みがあるときは五淋散や竜胆瀉肝湯。
検査して菌がいないのに膀胱炎の症状が続く人で舌が乾燥して赤い人がいます。
不眠や考え過ぎで「心の火」が燃えて水分を消耗して粘膜が乾燥し、痛みを起こしている場合があります。
このような時、抗生物質は使わないで心の火を冷ましてくれる「清心連子飲」が喜ばれます。
膀胱炎を繰り返す慢性の人の中には、このようなタイプの方が多いです。
とくに高齢の女性に多いです。
長年再発を繰り返し、苦しんだ方が、抵抗力をつける漢方薬で次第に回数が減り、すっかり治った例もあります。
このような人には蓮の実、ササのエキス(笹の葉の芯は心に通じるからです)きのこ、蓮根が良いです。
写真:正常な舌。
写真:乾燥した舌
文責:植松光子 薬剤師 中国政府認定国際中医師