-
女性の抜け毛、薄毛、円形脱毛症の対策・2
≪円形脱毛症≫
アメリカの「円形脱毛症患者の会」のパンフレットにはこう書いてあります。
「円形脱毛症は命にかかわる病気ではないが人生が変わってしまう病気である」と。
円形脱毛症が生じる原因について最近の研究で確定的になったのは、
自分の体の成分を「異物」と認識して攻撃して破壊してしまう「自己免疫疾患」です。
アトピー性皮膚炎の患者さんが円形脱毛症を発症しやすいことも以前から知られていました。
国立小児病院を受診した円形脱毛症の子供のうち56%がアトピー性皮膚炎にかかっていた、というレポートがあります。
*ステロイド治療
円形脱毛症がアトピーとおなじ自己免疫疾患なので初期や急性期はステロイドの軟膏や内服も効果があります。
ただし、これもアトピーと同じでステロイドをやめればまた脱毛が始まることもあります。
したがって次に述べるように体質をよくすることが再発予防になります。
*「気血」の巡りがよくなればストレス性の円形脱毛の90%は改善する
中医学では「髪は血の余り」と考えられています。
全身に栄養を送る血液が十分余ってめぐっていれば、髪の毛は元気です。
しかしお産や、栄養状態が悪かったり、過度のダイエットやストレスで「血」が余らなくなると
つやがなくなり、薄毛、脱毛の原因となる、と考えます。
特に円形脱毛は自己免疫疾患ですので、自律神経のバランスが崩れたときに発症しやすいのです。
交感神経が緊張して活性酸素を出して体の弱いところ、皮膚や毛髪を攻撃することから起きます。
では自律神経がバランスを崩すときはどんな時でしょう?
それはストレスがかかった時になりやすいのです。
円形脱毛の患者さんのそれまでの生活状態を聞きますと残業が続いたり、
転居、寝不足、家族の病気、試験勉強など精神的、肉体的なストレスがかかっていて、
あるとき、ふと発症するのです。
そのため脱毛症を予防するのには日ごろから規則正しい生活をすることです。
早く寝ること。昼は交感神経が緊張して活性酸素を多く出しています。
寝るとリラックス神経の副交感神経が働き「気血」の巡りをよくし、髪に栄養を与えます。
午後10時から11時には寝たいものです。
また、お酒の飲みすぎ、辛いもの、添加物の多いもの、たばこはやめましょう。
ニコチンは血管を収縮し髪に栄養が行かなくなります。
野菜、豆腐、納豆などを中心にした和食を朝からしっかりとりましょう。
円形脱毛には体質別の漢方薬や健康食品があります。
また鍼灸や漢方生薬の入った育毛剤、マッサージなどの併用で90%の方が改善されています。
ただし病気が原因の場合はその疾患を治療することが大事です・
注意:急激な脱毛、大量の脱毛の場合はすぐに専門医にかかりましょう。
***次回は、「薄毛、抜け毛の中医学養生法」です。***
-
女性の抜け毛、薄毛、円形脱毛症の対策・1
これまで皮膚科学のなかで毛髪科学の研究は遅れをとっていました。
なぜなら抜け毛は命にかかわる病気ではなかったからです。
しかしいまや毛髪科学は皮膚科学の最先端を走っています。
この10年ほどの間に「なぜ髪の毛が抜けるのか」という謎が解き明かされ、円形脱毛症などのメカニズムがわかってきました。
薄毛、抜け毛を気にしている人で「自分を外見的に魅力的ではない」と感じている人は52%
「髪が完全に生えているときに比べて自信がなくなった」と言う人は40%というデータがあります。
多くの方が髪の毛で悩んでいることがわかります。
髪の毛の伸び
髪の毛は1日に0.3mmから0.4mmぐらい伸びていきます。
伸びる速度は頭頂部がもっとも速く、次いで側頭部というように部位によって違うため、
きれいに刈っても日がたつと不揃いになってくるのです。
個人差もありますが、平均して1か月で1cm前後、1年で12cm前後伸びる計算です。
様々な原因でヘアサイクルが乱れると成長期が短くなるため、髪の毛が十分に成長しません。
ヘアサイクルの仕組み
髪の毛は成長期、退行期、休止期、を繰り返します。
成長期とは毛細血管からとりいれた栄養をもとに毛球部で毛が製造されている状態。
およそ2年から6年で、通常は髪の毛全体の90%ぐらいが成長期の段階にあります。
毛母細胞の分裂が急激に衰えてくるのが退行期で期間はおよそ2週間。
つぎにやってくるのが休止期です。休止期には細胞分裂が止まり、毛の製造、伸びも完全にストップします。
休止期は三か月くらいつづきそのあとにまた成長期がきますが、この時に古い毛が抜けていきます。
このように成長期、退行期、休止期とつづく一連の流れがヘアサイクルです。
人は一生の間に15回くらいヘアサイクルを繰り返します。
一日では100本くらいの抜け毛は異常ではありません。
抜けた髪の毛と同じ数だけまた髪の毛は生えてきます。
年齢を重ねると退行期や休止期の毛が増えてきます。
また様々な原因でヘアサイクルが乱れると成長期が短くなるため、髪の毛が十分に成長しません。
-
犬猫の漢方、犬のアトピー
私は薬学部を卒業後病院の検査室に勤めました。
そのとき動物園からいろいろな動物の検査データの正常値を作りたい、という申し出がありました。
毎日キリンや、ライオンなどの血液が送られてきて、肝機能や腎機能など調べました。
驚いたことは動物の種によってまったく数値が違うことでした。
さらに多くのデータを集めたかったのですが、大きな動物は麻酔をかけて採血するので、
網をかぶせて捕まえたりと大変で、いつのまにか取りやめになってしまい、残念でした。
さて最近はワンちゃんのアトピーの相談です。
犬や猫に漢方薬を飲ませるのは味や、においを考慮して飲ませなければなりません。
私はそれで一度失敗したことがあります。
我が家の愛犬シーズーの「ルーク」が体中アトピーになり、かゆがってかきむしるので、
まず煎じ薬を飲ませようとしたら、においをかいだだけで、逃げて行ってしまいました。
次に錠剤を肉に混ぜたら上手に肉だけ食べて、錠剤が歯の間に残り、
それも「ピッ」とはじいて出してしまいました。
最後に粉末を肉に混ぜて飲ませてやっとよくなりました。
最近は漢方のお茶で苦くないものが開発されました。
先日はワンちゃんのアトピーに苦くない漢方薬やお茶を飲ませてよくなったと喜ばれました。
ドッグフードは添加物が多く、乾燥していますのでのどや肌も乾きやすくおすすめできません。
犬のアトピーによい生薬が入ったシャンプー、入浴剤、ウオッシュ、スプレータイプのかゆみ止めもあります。
これらは自然派と呼ばれる市販のものより生薬が入っていた方が効きめはよいです。
昔は残りごはんに味噌汁をかけて食べさせていたものです。
我が家もそのシーズー犬「ルーク」が尿道結石になり、1分おきにトイレに行っても尿がでなく苦しがり、
あわやおちんちんを切る、というところまでいったことがあります。
これも乾燥したものをやっていると石ができやすい、という獣医さんの説明でした。
それからは犬も玄米菜食にして病気もしなくなりました。