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子供が夏を元気に過ごせる秘訣
●水浴びと昼寝。
お風呂の水温を30度くらいにして15cm位入れ30分位遊ばせます。
体の熱さが取れると人は眠くなります。
そのまま涼しいお部屋で寝かせてください。
一昔前、私が子育てをしていた頃は、庭にビニールのプールをおいて水道の水をバケツで運んで用意したものです。
おもちゃのビニールのアヒルや小さなバケツなども入れて。
親は汗びっしょりになりますが、子供たちは大喜び。
我が家では2歳の二女が3歳の長女の少し出っ張ったおへそを触っている微笑ましい写真が残っています。
●マメに着替えをさせましょう。
子供は汗をびっしょりかきます。
そのままにして冷房の効いた部屋にいますと、風邪を引きます。
汗をかいたらマメに着替えさせてください。
赤ちゃんの着替えは大変です。
寝ている赤ちゃんでしたら、タオルを肌着の下に挟んで、汗をかいたらそのタオルを抜くと楽です。
汗は塩分を含んでいます。
そのままにしておくとあせもやかゆみの原因になります。
その都度お湯で絞ったタオルでふくか、ぴしゃぴしゃ濡らしてふいてください。
文責:植松光子 薬剤師 中国政府認定国際中医師
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猛暑を乗り切ろう
夏が暑いのは正常です。野菜は育ち、子供たちは水遊びを楽しむ。
でも過ぎると病気になります。
漢方では「邪」と言います。「暑邪(しょじゃ)」です。
夏ばて、熱中症にならないよう昔からの養生法は役に立ちます。
1:まずは水分補給。
それも栄養のある水分。汗は水分と一緒にエネルギーも逃がしているのです。
食事に汁物を加えましょう。
みそ汁・スープスパゲッティ・けんちん汁・野菜たっぷりラーメン・ウナギより、ひつまぶし。
2:「午睡」を。
午前と午後の間の昼寝です。
昼寝が大事だということをちゃんと昔の人は言葉に残しているのです。
お弁当を食べた後、15分位机に突っ伏して寝るだけで午後の仕事は嘘のように元気にできますよ。
タイマーをかけてね。熟睡しますから。
文責:植松光子 薬剤師 中国政府認定国際中医師
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膀胱炎と漢方
膀胱炎がよく起きるのは、冬寒い時と梅雨時です。
冷えると抵抗力が落ち、体についている弱い菌がモゾモゾと動き始め、頻尿や排尿痛、血尿、残尿感など不快な症状が起きます。
以前は予防として「清潔にしましょう」とよく言われました。
失礼だと思いませんか? 昔と違って今は清潔すぎるくらいです。
さすがに今は言われなくなりました。
冷えて抵抗力が弱くなったか、あるいは冷えだけではありません。
肉体的、精神的な疲れからも起きます。
中医学では心と膀胱は関係があるといいます。
緊張するとトイレが近くなりますよね。
治し方は血尿が出ているときは止血作用のある阿膠(ロバの皮・コラーゲンが多い)が入っている猪苓湯。
痛みがあるときは五淋散や竜胆瀉肝湯。
検査して菌がいないのに膀胱炎の症状が続く人で舌が乾燥して赤い人がいます。
不眠や考え過ぎで「心の火」が燃えて水分を消耗して粘膜が乾燥し、痛みを起こしている場合があります。
このような時、抗生物質は使わないで心の火を冷ましてくれる「清心連子飲」が喜ばれます。
膀胱炎を繰り返す慢性の人の中には、このようなタイプの方が多いです。
とくに高齢の女性に多いです。
長年再発を繰り返し、苦しんだ方が、抵抗力をつける漢方薬で次第に回数が減り、すっかり治った例もあります。
このような人には蓮の実、ササのエキス(笹の葉の芯は心に通じるからです)きのこ、蓮根が良いです。
写真:正常な舌。
写真:乾燥した舌
文責:植松光子 薬剤師 中国政府認定国際中医師
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おやつは時間と量を決めてね。
甘い物はストレスをとり、ホッとしてリフレッシュ効果がありますが、 生活習慣病が気になりますね。
でも、時間と分量を守れば大丈夫。
3時頃に美味しいお茶と一緒に一皿頂けば、優雅な健康に良いおやつとなるでしょう。
おやつのカロリーは厚生労働省では1日200kcalまでです。
クッキーやチョコレートなどのお菓子に限らず、果物を加えるとよいですよ。
みかん一個50kcal。お菓子はその分減らします。
これは大人の間食の量なので、子供は体重に合わせて減らして下さい。
子供におやつをあげる時は、おやつの時間にお皿に乗せて出しましょう。
お菓子の袋にいれたままですと、ついついなくなるまで食べたくなってしまいます。
歩きながら食べたくなりますし、転んで咽喉につかえたら大変です。
機嫌取りや、食事前はやめましょうね。 食事の際、食欲が出ません。
根気良く教えていきましょう。その成果が大きくなった時その子の性格や健康作りに反映します。
また、「おやつ」という言葉は江戸時代の時刻で、日の出から日の入りまで、日の入りから日の出までをそれぞれ6等分し、そのひとつを「一刻」として時刻を表します。
昼の「八つ」はお昼どきから日の入りまでの、ほぼ真ん中の時刻を指しており、そこから「おやつ」という言葉が生まれたと言われています。
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漢方の湿気取り、ハトムギ(ヨクイニン)
最近雨が多いと思ったら24節季の「小満」。気温、湿気が高まり、草木が茂る頃です。
テレビでもカビ取りのコマーシャルが増えています。カビはいやですね。
人の体もカビが増えないよう湿気取りをしていきましょう。
①身体の水の働き
人の体には水が貯えられ、体を潤しています。
一部は血液となります。この水が足りないと肌が乾燥する、
喉が渇く、などの症状が出て、多すぎると浮腫みや尿量が減ります。
水分の停滞は湿気となり病気の原因になります。
湿気には体の外からと中からの二つがあります。
外からは自然界や環境の湿気。体の中からは身体の内臓、特に胃腸の働きが衰えると湿気が停滞します。
胃がムカムカして張ったように重く、食欲がなく下痢をしやすくなります。
他の症状は体が重く、頭が重い、ぼーっとする。倦怠感が強い、湿疹の症状が悪化する、膀胱炎など、女性はおりものが多くなります。
②冷たいものを飲むとどうなる?
日本の特徴は湿気が多いことです。蒸し暑くて冷たいものを飲むと、胃腸がさらに働きが悪くなります。
胃腸は体温の37℃前後で消化酵素が働きます。
でもキンキンに冷えたビール、氷水、冷たい料理を摂ると、せっかく摂った栄養が消化されません。
例えていえば、一日1000円分お食事を摂ったとしても2割消化しないと200円一か月6000円、1年で72000円、10年でなんと72万円も栄養を損しているのです。
③体温以上の物
まずは体温以上のものをいつも摂るように心がけてください。でも冷たいとおいしいもの、サラダ、刺身などは量を減らして熱い味噌汁などと一緒に摂って胃の中で混ぜるとよいです。
④おすすめの食べ物
体内の余分な湿気をとる利水作用があるものには、キュウリ、ハトムギ、冬瓜などがあります。
⑤ハトムギって何?
ハトムギは殻が付いているときの状態をいいます。鳩が好むからというのが名前の由来です。
その殻をむいたものを「薏苡仁(ヨクイニン)」といい、医薬品になります。
医薬品を製造販売する人は成分を決められた量を入れなければならないので、安心して飲むことが出来ます。
(写真ヨクイニン)