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スープは最高の滋養美容薬
私の父は戦争に行って、結核になって帰ってきました。
当時薬はなく、肋骨を6本切る大手術をした後、
空気の良い山奥に行って、10年間療養して帰ってきました。
母は毎日鶏がらで、スープを作って父や家族に食べさせてくれました。
そうしましたら
助からないと言われた父は元気になり、肌もつやつやしてきました。
おかげで私も健康になってきました。
スープのことを中国語では「湯(たん)」といいます。
ワンタン麺のタンです。
漢方薬も葛根湯の湯は、汁 スープのことをいいます。
医食同源です。
スープは漢方薬のように命を養うのでしょうね。
食は命なり。
母は病気の父のために栄養を勉強し、
バランスの良い食事を作ってくれるようになりました。
洋品店を切り盛りしながら、父のために朝昼晩1日3回
手作りの食事を50年間、ほとんど毎日作ってくれていました。
助からないと言われた父ですが
82歳まで海外に何回も行きながら天寿を全うしました。
写真:両親
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舌でわかる自分の体質
11月26日に、近くの新宿五丁目の自治会のお招きで漢方の話をしてきました。
主に高齢の方が多く、40人くらい。
「舌でわかる自分の体質」と「自分に合った食べもの」の話をしました。
中医学では体質の分け方に「気・血・水」があります。
「気」は目に見えませんが
元気で生き生きしていると血流がよくなり、
汗もかいて水分代謝がよくなります。
ですから「気」が「血」」や「水」を引っ張っています。
その「気」が不足すると
疲れやすい、花粉症、胃腸が弱いなどの症状がでます。
舌は歯痕が見えることが多いです。
またストレスや緊張が続くと「気」が停滞して、
肩こり、のどがつまる、おなかが張る、ゲップが多くなる。
最終的には乳がん、高血圧になることなど。
「気」が「血」を引っ張らないと「血」が停滞して「瘀血(おけつ)」になる。
瘀血になると血がドロドロして、
子宮筋腫、頭痛、肩こり、物忘れ、がんになることなどを話しました。
「水」が停滞すると、舌の苔が豆腐のようにべったりと白く厚くなる。
苔をとるようにテレビでは言っていますが、
味を感じる味蕾が傷つくので、苔はとらないこと。
舌が厚くならないようにすることが大事で、
そのためには早く寝て、飲みすぎ、食べ過ぎに気を付けて
胃腸を整えることです。
皆さんの舌をみると苔がべっとりついている「痰湿」、
しかも乾燥して割れ目が入っているかたが多く見受けられました。
舌にひびが入っているのは「陰虚(いんきょ)」と言って
細胞の潤いが少ないので、ドライアイや口の渇き、
便秘などになりやすい体質です。
しかし苔が厚いので、汚い水が多く、しかも良い水が少ない
水分バランスの崩れた人が多くみられました。
こういう方は食べ過ぎ、飲みすぎをしないよう、
また細胞を潤す、汁物、野菜、白キクラゲを多くとって
きれいな舌になると健康を保てます。
最後に「るるぶるる」の話をして「気・血・水」がぐんぐん巡って、
いつまでも元気にいられるよう締めくくりました。
る:よく食べる
る:よく寝る
ぶ:よく遊ぶ
る:よく出かける
る:よくしゃべる
写真は左から 健康 胃腸が弱く水の停滞 瘀血
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素敵な絵をありがとうございます。
恒例の漢方講演会「豊かに歳を重ねる秘訣」を11月20日に開きました。
会場はウエマツ薬局ビル3階のカルチャールームです。
ここに掛ける絵をいつも描いて、持って来て下さるお客様がいらっしゃいます。
時に可愛いお人形の絵、時に野菜、時にお花の絵と変わります。
優しい色調の絵は描いで下さるかたのお人柄にぴったり。
その方は、長年のウエマツ薬局のお客様の桑原様です。
FBにもよく絵や俳句を投稿されている趣味豊かなかたです。
丁度講演会の日、その絵の下の席に座られたので、
思わず手を取って絵の隣に立っていただいて、写真を撮らせて頂きました。
恥ずかしがっていらした、桑原さん、ごめんなさい🙏
こういう、自分にとって過分なファンの方に守られている、
ということに感謝して毎日を過ごしています。
桑原様、そして、当日講演会にいらしてくださった皆様、
応援をありがとう御座います😊
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北京土産と西太后
薬剤師の飯沼です。
立冬が過ぎだんだんと冬の気配を感じる季節になりましたね。
写真は植松先生におすそ分けで頂いた茯苓餅です。
北京のお土産として有名で、西太后のお気に入りだったようです。
茯苓と米粉でつくった さくっとした軽い皮に
葡萄やごま、くるみ、松の実の餡を挟んだもので、
とてもやさしい素朴なお菓子です。
「茯苓」は、サルノコシカケ科マツボトの菌核という、いわゆるきのこの一種で、
胃腸を整え、むくみをとり、精神を落ち着かせる作用があります。
現在日本で使用されている漢方薬にも、胃腸を元気にする処方などに良く入っています。
西太后というと、美食家で想像もつかないような
豪華絢爛な食事をしていたイメージですが、
美しさと健康を保つために中医学理論にもとづき、
かなり工夫されていたようです。
もちろん、的確な食事内容を考え用意をするのは
一流の宮廷料理人や侍医だったとは思いますが、
茯苓餅やなつめ、白キクラゲなど、
今でも伝わる彼女が好んでいたものを知ると、
それ以上に本人の養生の意識が一流だったのだろうなと、感じます。
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手術、化学療法にも中医学の力を発揮。
先日、中医腫瘍ケア専門講座が開催されました。
病院のお医者さんの講演で、
「手術不能な肺がんについて、中医治療のみで癌を消失。」
「西洋医学と中医治療を並行することにより、
患者の生活の質を改善、長期延命が可能となった。」
など、中医学の力を確信する事例が発表されました。
手術や化学療法、放射線治療などと、中医学の併用、
さらには中医だけの治療例など、
中医学はますます、力を発揮しています。
抗がん剤の副作用による吐き気・嘔吐・食欲不振などを
漢方薬によって改善できることは、
患者さんの生活の質をぐっと上げることにつながります。
それどころか、中医治療を事前に行うことで、
抗がん剤の治療を行いやすくすること、そして効果を高めることができる。
余命数ヶ月を、5年、7年、10年と延命させることができるかもしれない。
日本人の2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで死亡しています
早くいろんな方に知っていただき、癌だけではなく、
病気の際は中医学を治療に役立ててほしいです。