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アトピー性皮膚炎:もしステロイド軟膏を使うのなら
●顔にはステロイド軟膏は使わないで
ステロイド軟膏の副作用の一つに皮膚を薄くし、萎縮させることがわかっています。
顔の皮膚は足の裏に比べると100分の1くらいの薄さなので、塗ったところはすぐ薄くなりやすく、
薄くなると皮膚の下の血管が透けて顔が赤ら顔になり、いったんなると治りにくいのです。
赤みが薄くなってもかゆみは長年続きます。
●顔の痒みがひどい時
しかしあまりに痒みがひどく掻き傷だらけになるようでしたら、一人で悩まないで医師に相談しましょう。
短期で収まるくらいの強さのステロイド軟膏か、ステロイド軟膏以外の治療になるかもしれません。
短期間で赤みを抑えないと逆に色素沈着が残ることがあります。
弱い軟膏を長期間塗っている方が逆に副作用が出ます。
副作用は「ステロイド軟膏の強さ×期間」なのです。
ご自分の気持ちをしっかり説明し、医師としっかりコミュニケーションを取りましょう。
赤みに効果のある漢方の煎じ薬も併用すると早く効果がでます。
●皮膚の薄いところはなるべく使わない
人におけるステロイド軟膏(ヒドロコーチゾン)の部位別吸収比は腕の内側を「1」とすると
顔は13倍、わきの下3.6 頭皮3.5と吸収しやすいのです。
逆に手のひら0.8、固い足の底は0.14です。
それに比べて陰嚢、膣、乳首は薄く、その陰嚢はなんと「42」です。
特に陰部は蒸れて薄いので痒くなりやすく、人前では掛けない場所ですので、辛いものです。
ここには漢方の軟膏でよいものがあります。
写真:紫雲膏
ウエマツ薬局HPオンラインショップ:https://kanpo-bijin.shop-pro.jp/●ステロイド軟膏を皮膚の薄いところにどうして使ってはいけないのですか?
ステロイド軟膏は前述したように、皮膚を薄くする副作用があります。
乳首は将来赤ちゃんがおっぱいを吸うところです。元来乳首の皮膚は薄くて破れやすいところです。
ステロイド軟膏を使っていると薄くなり、母乳を吸わせるときに切れて痛い思いをするかもしれません。
そのためには痒みを止めるために、なるべくステロイド軟膏以外のもので治していくようにしましょう。
●ステロイド軟膏以外で痒みを止めるため方法
冷やすと脳は痒みより冷感の方を感じて痒みを忘れる仕組みになっています。
蜂に刺された、などと違ってアトピーの痒みは「不思議な」という語源の通り、
外から何もなくても、体の中から湧き上がるのです。
痒くなったら、まず冷たい水をタオルかコットンに含ませて幹部に当てます。
氷やアイスノンは冷やし過ぎて、逆に外したときに熱く感じてしまいます。
水が蒸発するときに出る気化熱で皮膚の熱さを取り、冷やした方が効果的です。
睡眠中はパンウオーターのミストも痒みはまぎれます。
写真:ジネンミスト国際中医師 薬剤師 植松光子