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北京土産と西太后
薬剤師の飯沼です。
立冬が過ぎだんだんと冬の気配を感じる季節になりましたね。
写真は植松先生におすそ分けで頂いた茯苓餅です。
北京のお土産として有名で、西太后のお気に入りだったようです。
茯苓と米粉でつくった さくっとした軽い皮に
葡萄やごま、くるみ、松の実の餡を挟んだもので、
とてもやさしい素朴なお菓子です。
「茯苓」は、サルノコシカケ科マツボトの菌核という、いわゆるきのこの一種で、
胃腸を整え、むくみをとり、精神を落ち着かせる作用があります。
現在日本で使用されている漢方薬にも、胃腸を元気にする処方などに良く入っています。
西太后というと、美食家で想像もつかないような
豪華絢爛な食事をしていたイメージですが、
美しさと健康を保つために中医学理論にもとづき、
かなり工夫されていたようです。
もちろん、的確な食事内容を考え用意をするのは
一流の宮廷料理人や侍医だったとは思いますが、
茯苓餅やなつめ、白キクラゲなど、
今でも伝わる彼女が好んでいたものを知ると、
それ以上に本人の養生の意識が一流だったのだろうなと、感じます。